【書籍情報】
危険なビーナス
東野圭吾
出版社: 講談社 (2019/8/9)
ISBN-13: 978-4065165836

【概要・コメント】
まさに東野圭吾らしい作品であると言える。

登場するヒロインの怪しさ,妖艶さをたっぷりと時間をかけて伏線を張り,結末で見事に回収して見せている。

その回収っぷりがあまりに見事なため,「なーんだ」と思った読者も多いのではないか。

結局,シンプルな真実もそれを知らずに,周辺を右往左往している観客から見ると,とてもミステリアスに見えるという,サスペンスものの基本に忠実に準じた作品と言えよう。

グロテスクな表現なども,ほとんど見られない作品なので,
(子供を除き)幅広い読者にお薦めできる。

 

 

 

【書籍情報】
よくわかるレーザ加工(現場の即戦力)
瀬渡直樹
出版社: 技術評論社
ISBN-13: 978-4774153025

【概要・コメント】
レーザ加工の基本を示した書籍である。

初めて技術評論社の"現場の即戦力シリーズ"を買ってみたが,正直なところ内容が薄く,あまり満足度が高くない。

知りたかった基本的なレーザ加工のことは,"ほどほどに広く,びっくりするほど薄く"紹介されている。

時間のある人ならば,3~4時間程度で,読み終えることができるかもしれない。

つまりそれくらい内容が薄い。

加工技術については,日刊工業新聞社の絵ときシリーズの方がお薦めかもしれない。

以下,本書を読んでのメモ書き。

◎レーザ加工では,CO2レーザ,YAGレーザ,ファイバレーザの3種が主流

◎CO2レーザは10.64μmの赤外光のレーザ
→最も高出力な連続波レーザ
→波長が長いので光ファイバ伝送は出来ず,ミラーやレンズを利用

◎固定レーザの代表格は,YAGレーザ
→イットリウム(Yttrium),アルミニウム(Aluminum),ガーネット(Garnet)の結晶
 Y_3Al_5_O_12にNd^3+のような三価のプラスイオンをドープした結晶を励起してレーザ光を得る
→特殊な結晶を通ることで,波長の短くなった高調波を得ることができる。

◎チタンサファイヤレーザは極短パルスの発振ができ,フェムト秒レーザができる。これによって熱影響部のほとんどでない,アブレーション加工が可能

◎レーザ切断では,アシストガスがレーザの熱で溶かした金属を外部へ引き飛ばす
→吹き飛ばす力が弱いと裏側にドロスとして残留し,バリができる

◎アシストガスに酸素を使うと酸化熱を材料を溶かすために利用できる
→鉄を融点(1523℃)に上げるために必要な熱量は7 kJ/1cm^3

◎貫通溶接にはポロシティ抑制には効果がある

◎レーザ溶接の長所は以下の通り
・ビード幅が狭く,溶け込み深さが深い溶接ができる
・入熱が少ないので,熱変形が少ない
・溶接速度が速い
・大気中でもビームが伝送できるので,真空チャンバー等が不要
・機械による自動溶接が可能

◎レーザの焼き入れでは,「高いエネルギー密度で溶融」するのが大事ではなく,「照射箇所箇所を均一に加熱」することの方が大事です。

◎とにかく厚さ優先ということであれば,(レーザ溶接よりも)アーク溶接の方が早くて安い

 

 

 

【書籍情報】
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込
若林正恭
出版社: KADOKAWA/メディアファクトリー
ISBN-13: 978-4041026144

【概要・コメント】
オードリー若林さんが,雑誌に寄稿していたエッセイを加筆修正して文庫化した書籍である。

自分はオードリーは毎週ラジオ(土曜オールナイトニッポン)を聞くほどのファンである。

彼らのネタも好きであるが,何より若林さんの世界観(モノの見方)が好きである。

この書籍を読んで,改めて若林さんは天才だと思った。

学力がすなわち頭の良さではないと良く言うが,若林さんの文章の魅力はまさに学力とは異なる軸で測られるべきものだと思う。

純粋に興味深いし,独特であるし,そのような人とは異なるモノの見方,人とは異なる言葉の選び方がまさに彼の才能を表していると思う。

一方で,この書籍を読むとその才能が,世の中で評価されるまでに,かなりの時間がかかったことが分かる。

どれだけ才能に溢れようとも,それを受け入れる体制が世に出来ないと残念ながら高くは評価して貰えない。

世の中が受け入れ体制にないことを,全ての人は嘆き,途中であきらめてしまうものだが,若林さんは,また独特の考え方で突き進むでもなく,諦めるでもなく,自然と受け入れていたように思う。

今の世の中,ピカピカに優れた人だけが,評価されるわけではないように思う,若林さんのように,優れているかどうかは分からないが,人とは違うことで,高く評価される人がいることに,強く喜びを感じる。

この書籍を読んで本当に良かった。

ちょっと後ろ向きになり,大きく前向きになれる一冊である。