半分。95 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



おーい!ニノ~。今日皆で花見行かねえ?

お~!!いいじゃん花見。行こうぜニノ。

どこ行く?花見のいいスポットって...。


俺の目の前で3人が楽しそうに
携帯で花見スポットを調べ始めた。
それをふふっと笑いながら見つめる。


そっか...もう花見の季節なんだ...。



✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽



大野さんが浅生組長と取り引きをしてから
数日後。
二宮組は正式に大野組の傘下に入った。


浅生組長との取り引き通り、
二宮組のシマと田城さんの下に付いてた
組員は浅生組に。


俺と...じぃさんに忠義を誓ってくれていた
組員は大野組に入った。
もちろん潤さんも大野組に入った。


潤さんはすぐに櫻井さんの下に付き
大野組の為に働き始めた。


俺も...ホントは大野さんの為に
大野組で仕事をしたいと思ってた。
ずっと...大野さんの側に居たかったから。


だけど...大野さんは...俺を手放そうとした。
やっと手に入れた自由が自分と居る事で
また闇に戻ってしまうと...。


俺は...大野さんから離れたくない。
絶対絶対嫌だと...俺は言い続けた。


そんな俺の固い意志に...
大野さんは俺が側に居る事を許してくれた。


その代わり...
一つだけ約束をしてくれと言われた。


...約束...何だろう?
大野さんの側に居られるなら何でもする。
そう思ってた俺の耳に...
まさかの言葉が伝えられた。


『大学に行って欲しい』と。


大野さんは俺に年相応の普通の生活を
して欲しいと...そう言った。


大学に行く...。
そんな事...少しも考えてなかった。


二宮組の組長になると決めて
大学を辞めた時...全てを諦めた。


諦めたハズだったのに...
大野さんの言葉に...心が揺らいだ。


俺は...いつも大野さんに助けて貰って
ばかりで何も返せてない。


それなのに...
これ以上甘えていいんだろうか...。


どう返事をしていいか迷ってる俺に
大野さんは


お前が笑ってしあわせに過ごしてくれる事が
俺にとってはしあわせなんだ。


そう...言ってくれた。



✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽



あの日から1年。
俺は...また大学に通える様になった。


あの時諦めた事を...
今...全部する事が出来てる。
それは...俺の一番大切な.....


ニノ!場所決まった♪︎
買い出しして行こうぜ~♪︎♪︎

...花見はいいんだけど...
お前、レポート提出終わったのかよ。笑

ぐぅ...痛いとこ突かれた...。

え?お前まだ提出してなかったの?笑

え?お前らもう提出したの?

提出したに決まってんじゃん。笑
ニノなんて先週には提出してたぞ?

嘘...マジで?

締め切り明後日だろ?大丈夫なのか?笑

くそぅ...明日頑張る!!( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧
だから今日はお願い!花見行こう~。泣


そんな話をしながら4人で大学の門の方に
向かってたら...人が沢山居てざわついてた。


ん?
何かあっち...騒がしくね?

ほんとだ。...何かあったのかな?

行ってみようぜ!


そう言って門に向かって行く
3人の後ろを俺も付いて行った。


そしたら...門前には...
黒塗りのいかにもな高級車が停まっていて
皆がそれを遠巻きに見ながら
ヒソヒソと話をしていた。


後部座席のドアが開いて中から男が一人
出て来て周りがざわめく。


いかにもな高級車から出て来た男は
ちょっとそれらしくない人。


その風貌にまた周りがざわついた。
男は...キョロキョロと辺りを見回し
俺に気付くと嬉しそうに笑った。


和。笑


友達が一斉に俺を振り向く。


...え...?今...ニノが呼ばれた?

あの人...ヤクザじゃねぇの...?

でもヤクザには見えないよ?


慌てる3人に構わず
俺はその人に向かって歩き出す。


ちょっ...ニノ?!えっ?!

ヤバいよ!ニノ!!待てって!!

あの人...ニノの知り合いなのか?


そう言われてクルリと振り向いた。


うん。
俺の...一番大切な人だよ。


3人に笑顔でそう答えて。
俺は...一番大切な.....


智に向かって走り出した。






Fin.