半分。73 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。




和也と潤が奥の部屋に隠れたのを見届け

インターホンに出た。



...田城か...。


『親父...挨拶が遅くなってすみません。

今、宜しいですか?』


...分かった。



遠隔操作出来る玄関の鍵をスイッチで開けると玄関の扉が開く音がした。



ドタドタと足音がして...

顔を出したのは田城だった。



親父。

突然押しかけてすみません。


いや...構わねぇよ。


...太一さんは...。


今買い物に行ってる。

...太一に何か用があったか?


...いえ。



田城はさりげなく部屋を見回し

太一の所在を聞いて来た。



さっさとカタ付けるか...。

そう思って田城に話しかけた。



それで...今日は何の用でここに来た?

...ただ挨拶しに来た訳じゃねぇんだろ。



そう言うと田城は一瞬ピクッと

眉をひそめたが、すぐさま表情を戻した。



親父が退院したのに挨拶も出来なかったから

こちらに寄らせて貰ったんですよ。

それに...親父と...話もしたいと思って。


...話...か...なら座れや。


はい。



田城はドカッとソファに座ると

じっと儂の顔を見つめて来た。



...どうした?田城。


いえ...親父も...歳を取ったんだなぁ...と。


そりゃあ...そうだ。

お前ぇがウチの組に来て...何年経つ?


俺が...18の時に...親父に拾って貰ったから...

もう22年...です。


...22年か...長ぇ年月が経ったなぁ...。

お前ぇはいつも組の為に...

働いてくれたなぁ...ありがとなぁ。


...俺は...拾ってくれた親父の為に...

親父に恩返しがしたくて...組の為になる様に

ずっとやって来たつもりだった。



田城の表情が少しずつ...崩れて来た。



親父は...俺を...認めてくれてる。

だから...いずれは親父の跡を継いで二宮組を大きくしてくのは...俺だと思ってた。


なのに...親父が選んだのは...

俺じゃなくて...和人だった...。


...田城...。


なぁ親父。何で俺じゃなかった?

俺はあんなに組の為に尽くして来たのに...。

何もしてない和人が組を継ぐなんて...

絶対に許せねぇし...我慢出来なかった...。


...だから.....和人を殺したのか...。



そう田城に告げると一瞬驚いた顔を見せたが儂を見つめたままフッ...と笑った。



やっぱり親父は気付いてたんだな。

ははっ...そうだよ。

和人が死ねば...親父は俺を跡継ぎに選ぶ。

そう思って和人を事故に見せかけて殺した。


これで...二宮組は俺のモノになると...

そう思ったのに!!


親父は...あのガキを...

和人以上に何も知らねぇガキを連れて来て

組長にしたんだ!!


親父は...俺を認めてくれる気はないんだと...

やっと理解したよ...。


だから...二宮組を潰してやろうと思った!!

栞の死を隠して!!

和也に客を取らせて稼がせて!!

何もかもめちゃくちゃにして...組を潰す!!


二宮組は...無くなるんだよ...親父。笑



そう言って田城は.....

儂を睨みつけて笑った。






To be continued.