二宮側に付くと決めてから数週間。
『あの件』について...順調に進んでるのは
報告受けて知ってんだけど...。
翔からはGOが出ないまま...時が過ぎた。
あの日以来...二宮には会ってない。
まぁ...それが普通なんだけど。
他所の組の組長に会う事なんて
月一の定例会位だしなぁ。
ただ...あの日以来、二宮の顔を見てねぇから
この前みたく怪我したり具合悪くなってねぇかと...少し気になる。
...が。
勝手に動くと翔に怒られるし。苦笑
気にはなるが...大人しくしてるしかねぇ。
...連絡先...交換しとけば良かったな...。
そうすれば...会わなくても状況は分かる。
...今度会う機会があれば聞いてみるか。
そんな事を考えながら
事務所の俺の部屋で仕事をしていたら
ノックと共に翔が入って来た。
智さん...今...少し宜しいですか？
ん。構わない。
翔の声のトーンがいつもと違っていて
フッと顔を上げた。
翔は険しい顔で俺を見ながら近付いて来る。
...珍しいな...お前のそんな顔。笑
...調べていた...栞さんの事が分かりました。
...話せ。
翔のその表情から...
いい話ではない事が分かった。
...栞さんは...2年前に...
すでに亡くなっていました。
...2年前に...死んでた...？
和人さんが亡くなった頃...病状が悪化したと
...二宮組長が言われてましたよね。
ああ。
病状が悪化したのは本当でした。
ただ...そのまま回復する事なく...
栞さんは亡くなった様です。
...何故...二宮にその事が伝わってない？
...田城が...手を回していました。
二宮組長を利用する為に...栞さんの死を
二宮組長にも親父様にも隠したのでしょう。
...アイツのやりそうな事だな...。
二宮を利用する為に姉の死を隠し...
今でも療養してる様に偽装した。
姉が死んでるなら...
二宮が体を売って金を稼ぐ必要はねぇしな。
...それと.....。
まだ...何かあるのか？
...二宮の親父様が...退院されました。
オジキ退院したのか。良かった。
オジキが退院して良かったと思ったのに...
翔の表情は険しいままだった。
...何か...あったのかよ...。
親父様から...智さんに話があると...
ご連絡頂いてます。
...オジキが俺に...話がある...？
...一体何の話だ？...まぁ...何の話でも
オジキからの呼び出しなら行くけどな。
それに...俺もオジキには話があるし。
分かった。行く。何処だ？
...では...親父様にご連絡致します。
そう言って...翔は部屋を出て行った。
To be continued.