半分。40 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



部屋を出て行く翔の背中をじっと見る。

終始翔の表情が険しかったのが気になった。



二宮の姉が死んでた事実を知って

表情が険しくなるのは分かる。



だが...オジキが退院したって事を言った時も

翔の表情は険しいままだった。

アイツが感情を隠さないのは...珍しい。



...オジキの退院も...

あまりいい状況じゃねぇって事か...。



オジキが俺に話があるなんて...珍しい事だ。

俺に...何の話があるんだろう。

思い付くのは...二宮の事くらいか...。



何の話にしても...

覚悟して聞かなきゃならねぇんだろうな...。



そう呟いて...翔が戻るのを待った。



暫くして...

翔がいつもの表情で部屋に戻って来た。

流石...切り替え早ぇな。



お待たせしました。

明後日15時に...親父様の別宅に来る様

言われました。


明後日15時に...オジキの別宅か。

分かった。


それと...見張らせていた浅生と田城に

動きがありました。

昨夜...料亭『松川』で会っている様です。


...そっちも動き出したって事か。


...おそらく。

近々...動くのかもしれません。



オジキが退院してすぐ田城が動いた。

しかもオジキは別宅だ。

狙って下さいと言ってる様なもんだ...。



もしかして...オジキはわざと別宅に...?

もしそうなら...オジキは全て知ってる?

いや...知ってたら田城を許すハズがねぇ。



.....だけど...オジキ程の組長が...

田城の動きに気付かねぇとも思えない。



最初から...違和感はあった。

でもオジキが二宮の事を知ったら

許すハズがねぇと...思い込んでた。



.....オジキは...知ってて黙認してたのか...。



大事な孫が喰いモノにされてるのに...

黙認する理由.........組の為.....か...。



松本と同じ理由で...黙認していた?

俺の今の考えが正しいなら...それしかない。



じゃあ...今、このタイミングで

オジキが俺を呼び出す理由は?



.....オジキが...自分でカタを付ける...?



俺の考えてる事が現実に起きたら.....

間違いなく...荒れるぞ...。

確実にウチは巻き込まれて...抗争になる。



...翔。


...多分...智さんが考えてる事は...

当たっていると思います。


お前も同じ事考えてたか。笑

...抗争になった時の事を考えて

準備はさせとけ。


...分かりました。

そちらはいつでも大丈夫な様に動いてます。

...二宮組長と松本さんは...どうしますか?


オジキが別宅に行った時点で

松本は何か勘づいてるかもな...。


二宮には何も知らせなくていい。

松本には連絡して...絶対に動くなと伝えろ。


分かりました。



『失礼します』と言って

翔は再び部屋から出て行った。



パタンとドアが閉まり...はぁ...と息を吐く。



オジキの気持ちは...分からなくもねぇが...。

残される二宮はどうなる?



一人になっちまって...地獄に堕ちたまま

死ぬまで彷徨う事になる。

いや...その前に...心が壊れちまうかも...。



まだ...そうと決まった訳じゃねぇ。



早合点するな...俺。

今のはあくまでも...想像だ。



オジキの話を聞いてから...

俺が出来る事をすればいい。

これ以上...アイツに地獄を見せない様に...。






To be continued.