おはようございます、一葉です。
タイトルが変わってしまっていますが、ニヤがらせ2の引きからの続きです。蓮キョが絡むとつい続いてしまうというミラクル。
お楽しみいただけたら嬉しいです。
※今回はACT.302のネタバレが含まれています。ネタバレ回避お嬢様は回れ右を推奨です
前話【緊張緩和 ・Do my best ・わかれば笑 ・ニヤがらせ ・ニヤがらせ2 】
■ ヒヤがらせ ■
私にしてみたら嫌がらせとしか思えない古賀さんとの会話で、ついヤキモチを妬いてしまった、と私に告白をしてきた敦賀さんのそれを、私は社交辞令の延長ぐらいに受け止めていた。
だって、言っても相手はこの私。最上キョーコなわけですから。
この世に生を受けて17年。その間、異性にやきもちを妬かれた経験など皆無な私です。
だからそう言われた所でどんな顔をしたらいいのか正直、判らない。
そんな訳で社交辞令の延長だ!ぐらいで受け止めていた。
でも、たぶん敦賀さんは私のそんな考えを敏感に察知していたのかな。
「 敦賀さん。あの、いつまで私を抱っこしたままでいらっしゃるんでしょうか? 」
敦賀さんが模擬撮影現場から出て行って、その背中を追いかけ、予想外に後ろから声を掛けられて転んでしまった私を、敦賀さんが抱きあげた状態で時間だけが経過していた。
正確に何分ぐらい過ぎたのかまでは分からなかったけれど、ともかくこっぱずかしくて背中がむずむず。
だって敦賀さんの顔が近すぎて照れくさいし、敦賀さんのいい香りがし過ぎちゃって離れにくくなっちゃいそうだし、それ以前に誰かに見られでもしたらあとあと困っちゃう事態になる!
だからそう聞いてみたのに、敦賀さんは全然へーぜんとしていた。
「 そうだね。15分ぐらいで戻るって古賀くんには言ってあるから、それまではこうしていていいかな、と思っているけど 」
「 え。嘘ですよね?15分もこんな荷物を持ったままなんて手が疲れちゃうじゃないですか。模擬撮影に支障が出るかもしれませんから一刻も早く降ろした方がいいと思います! 」
「 なんで?特に問題ないけど。この前だって出来ると思ったから誘ったんだし 」
「 はい?誘ったってなんですか。この前って・・・・ 」
「 もう忘れちゃった?あれ、せっかくお誘いしたのに速攻でゲロされちゃったのは面白かったけれど、同時に残念でもあったな。本音を言えばしたかったから。君と二人でいけないこと 」
って、アレですか!
緊急時しか開けてはいけないタワマン非常階段を一気降り!!inお姫様抱っこ。←inってなんだ(笑)
「 好きな子と秘密の共有なんてそれだけで胸がときめくだろう。だから。したかったんだよ、いけないこと 」
「 ふぎゅっ!! 」
「 ちなみにたぶん、ロビーまでは30分程度の道のりだったと思うよ 」
「 あ・・・ははははは・・・ 」
つまり、15分程度のお姫様抱っこなんて苦でもないと?
それはそれで凄いですけれども。
っていうか、既に私には苦行になっているんですけど。
好きな人に抱っこされたままなんて、もうどんな顔でお話すればいいのやら。
だって、だって、顔がニヤけちゃうじゃないですか。
自然と緩もうとする表情筋を押しとどめておくのって、途轍もない労力が必要なんですからね。
そんなこと、敦賀さんは絶対知らないですよね?!
「 そんな目で訴えて来なくても・・・。分かったよ。そんなに降ろして欲しいならちょっと早いけど現場に戻ろうか 」
「 あ、はい。・・・って!なにスタスタ歩き出しているんですか。戻る前に、敦賀さん! 」
「 だーめ。お姫様抱っこの解除は現場に戻ってから 」
「 え、嘘ですよね!?この状態で戻るんですか?いったいどんな言い訳をするつもりなんですかぁ?! 」
「 するわけないだろ、言い訳なんて 」
「 はぁぁぁぁ?!! 」
「 行くよ♡ チュ 」
「 きゃあぁっ!頬にチューをしている場合じゃないでしょう?!ダメですよ、敦賀さん!! 」
「 ダメじゃありません。だって君は俺の、なんだから 」
なに、その言い分。確かにそうですけれども!
それを発揮するのは今ではないでしょう?
どうしちゃったんですか、本当に?!
まさかこの人、ヤキモチ拗らせたらこんな風になるってこと?
いやいや、なんか違うでしょう?
「 敦賀さん!敦賀さんってば!! 」
抱っこされたままの状態で、一生懸命に敦賀さんの肩をポカスカと叩いてみたけど、全く効果は上がらなかった。
気のせいか、敦賀さんの雰囲気が若干カイン寄りな気がする。
結局この状態で模擬撮影現場に戻ってしまったときは
さすがの私も諦めた。
「 もう、知らないんですからね! 」
「 くす。大丈夫だって 」
「 あ! 」
「 敦賀くん戻ってきましたー 」
「 あれ? 」
「 京子ちゃん、どうかしたんですか 」
「 さっき俺を呼びに来てくれたときに彼女が転んでしまってね。ケガをしていたら大変だからと思って 」
「 そうなんですね 」
「 敦賀さん、やっさしー 」
優しい、ね。
確かに敦賀さんは基本的に優しいんですよ。
でも時々Sっ気が出ますよね、敦賀さんってば。
「 敦賀くん 」
抱っこをしていた私をようやく敦賀さんが手放す。
敦賀さんは私をそっとイスに座らせた。
そのとき、村雨さんが敦賀さんに声をかけてきた。
さっきまで村雨さんはいなかったから、きっと私たちが外に出ていた間に到着したのだろう。
村雨さんに対して私は仲間意識のようなものを持っている。
彼が仕事に真摯でしかも演技をするという事に対して有り余る情熱を燃やしていることは、セツカの時に知ったことだから残念ながら本人に言うことは出来ないのだけれど。
カインもたぶんそうだったと思う。
そう言えば村雨さんだけだった。
カインが遅刻するたびに、目くじら立てて怒っていたのは。
今日も、村雨さんは演技がしたくてうずうずしていたのかもしれない。
敦賀さんが戻ってくるのを待っていたのか、村雨さんの鼻息は荒かった。
「 敦賀くん。すぐ模擬撮影に入ってもらうことって出来ます? 」
「 ああ、うん、問題ないよ。ごめんね、お待たせしたかな? 」
「 いや、別に 」
「 気をつけるよ。In japan,the country of Japan,there is a method of punctuality. 」
※和の国日本には時間厳守という作法があるからね
「 え? 」
こわ、こわ、こっわ!!
敦賀さんてばなんてことを口にするの!?
ほら、村雨さんの顔をちゃんとしっかり見てくださいよ。
聞き間違い?
眉間の皺が確かにそう言っているじゃないですか。
でもたぶんこれは失言などではなく、敦賀さんはわざとそれを言ったのだ。
その証拠に敦賀さんは顔色が変わった村雨さんににっこりと笑いかけている。そして平然と顔を背けると敦賀さんは何事もなかったかのように私に向かってもシレっと微笑んだ。
「 じゃあ、俺ちょっと行って来るね、最上さん。ケガをしていたらいけないからちゃんと手当するんだよ? 」
「 はうっ?! 」
いや、待って?!
なぜここで私にわざわざ声がけを?!
村雨さんがものすんごい疑いの眼差しで敦賀さんを凝視しているのに!
でもさすがに村雨さんが気づくことはないわよね、と思いたいけど…って、こらぁぁぁ、敦賀さんっっっ!!!
「 ・・・ちょっ!! 」
「 なに? 」
「 なんで今!?あなたの右手が私の頬をナゼナゼしているんでしょうかっっ?! 」
「 あ。ごめん、つい。村雨くんがいるから半ば条件反射で君のことを愛でてしまった 」
ぎゃふん!!!
見てる。見てる。見られてるぅ。
村雨さんが信じられないほど疑いの眼差しで私たちを凝視しているじゃないですか。
こんなことをして、万が一にもカインの正体がバレちゃったら、それで大変になるのは敦賀さんの方だって判っているんでしょうに。
やっぱり敦賀さんはSっ子なのよ。
じゃなきゃこんな風に私をヒヤがらせて楽しめるわけないもの!!
E N D
ニヤがらせからの、ヒヤがらせという落差。
きっと蓮くんは気づいて欲しいんだねぇ。キョーコちゃんと自分の関係にw
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※次話が最終⇒「今はまだ」
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