一葉です。いつも有難うございます。
現在、お仕事の都合により某連載最終話をお届けするには少々時間が足りません…ので、代わりにSSをお届け致します!!
こちらはネタバレ無し、原作沿い両片想い蓮キョ、蓮くんがちょっとアレなバージョン?
以前、某チョコレートのCMから妄想を馳せたSS「魔法のくちどけ」をお届けしましたが、お昼休憩時にふとこのお話を思い出し、別角度から膨らませた妄想です。チョコレートは出てきませんけどね。
お愉しみ頂けたら嬉しいです。
■ 影の頑張り ■
お待たせしてすみません…といつもの調子であの子が言った。
愛らしく頬を染め、せわしくバウンドする呼吸。
俺が座席についていたせいだろう。右手で胸元を抑えながら駆け寄って来た彼女の吐息が俺の左耳に温くかかる。
彼女の方へ顔を向けると鼻孔に届いたミント香。すかさず問いを投げていた。
「 なに、この香り。ミント? 」
「 あ…。実はさっきガムを噛んでいたのでそれかも… 」
「 ガム? 」
「 はい!これです。爽やかミント!! 」
そう言った彼女の手元に目をやった。
視界に入ったパッケージには、オーラルケアに気を配ろう。
――――――― 俺と会う前にそんなガムを噛むなんて、俺を意識している証拠だろう?
嬉しくて、図らずも口元を緩めてしまった俺の目線は、けれど捕食者並みの鋭さだったに違いない。
俺を見つめて、え?…と表情を硬くしたあの子のそれに反応した手が素早く動いた。
捕まえたのは肩と顎。
瞬間、心臓が跳ねたのだろう君の変化にも俺は気付いた。
「 や……っ……あのっ…… 」
「 そのミント、もっと近くで嗅がせて? 」
「 ……っっっ…… 」
縮まって行く互いの距離。
俺達の間に満ちていたのは荒く弾んだ君の息。
爽やかすぎるミントの香りが俺の食指を刺激する。
お願いだからもっと、もっと俺に近づいて。
俺、我慢なんて出来ないから。
香りだけじゃなくまさか味わうことも出来るなんて…と考え胸躍らせたその矢先、惜しくもカットの声がかかってしまった。
「 はい、カーッ…ト!!good!ナイスだよ、敦賀くん、良かった 」
「 ……っ……どうも、ありがとうございます 」
もう離すべきだと判っていたけどなんとなく、俺は最上さんの肩と顎を抱いたままだったのに、カットの声から数秒経って、きっと我に返ってしまったのだろう。
最上さんは俺の目の前で力いっぱい地団駄を踏んだ。
「 く・や・し・い~~~~っっっ!!!!また流されちゃった!! 」
どうやら、俺に翻弄されないように…と覚悟を決めてCM撮影に挑んだらしい。
最上さんの心臓が跳ねたのだろうその時の顔を思い出し、幾らでも流されてくれて構わないのに……とは口に出来ず、俺はその場で腰をかがめた。
本当にね。
君は何も判っていないだろうけど、悔しかったのも俺の方。
ああ、本当に惜しかった。
あともう少しで君の唇に届いたっていうのに……。
「 まぁ、まぁ、最上さん 」
彼女の頭をポン…と叩いて、これ見よがしに笑顔を浮かべる。
君には気付かれないように。
俺の心は上手に隠して。
「 敦賀さん… 」
「 君も頑張ったと思うよ?だからそんな悔しがらなくても… 」
「 ムキイッ!!!何を言うのかと思ったらそれですか!どうせ私はまだまだ青二才ですよ!!バージョン違いでは絶対、頑張るんだから!! 」
「 ……っ……ま、頑張って 」
もう苦笑しか浮かんでこなかった。
本当にそうだって教えたら君は手放しで喜んだりするのだろうか。
君も頑張っただろうけど。
本当に頑張ったのはきっと俺の方なんだってば。
E N D
それが言えるならとっくに告白してらぁ、蓮くん。みたいな♡(〃∇〃)
⇒影の頑張り・拍手
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