少し前に、養老孟司先生のセミナーを聴講しました。
養老孟司先生と言えば「バカの壁」で有名ですね。
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今回のセミナーのテーマは『自然』でした。
興味深い話を、1時間半、パワーポイントを使うわけでもなく、原稿を見ることもなく、留まることなくお話されました。
さすがです。すごいですね。
ここでは、印象に残った話を紹介します。
●自然が教えてくれること
自然というのは、中立なのだそうです。
良くもあり、悪くもあるからです。
夕日、紅葉、青い海は美しいです。
また、果物や魚介類は美味しいです。
自然の良いところです。
台風、豪雨、地震は恐ろしいです。
また、ノロウイルスやインフルエンザに感染すると苦しいです。
自然の悪いところです。
人間目線で見ると、良くもあり、悪くもある。
つまり、中立なのだそうです。
一方、都市はどうか。
都市は誰かの頭の中に描かれたデザインが現実化されてものなのだそうです。
道路も橋梁も駅も公園も、誰かがデザインしたものです。
都市には、設計者の意図や狙いが色濃く反映されているわけです。
特定の人の利益や利便が具現化されています。
つまり、都市は中立ではありません。
自然に身を置くと、このことを強く感じることができ、逆に、都市に身を置くこと、自然が中立であることを痛感できますね。
●人間は自然の一部
人間というのは自然の一部なのだそうです。
人間は、動植物の一種なわけですが、自らのことを特別な存在だと考えてしまいがちです。
人間といのは、はじめは0.2mmの細胞なのだそうです。これが細胞分裂します。
母胎から誕生して、二足歩行するようになり、大人になるわけです。
エネルギーを得ることで大きく成長します。
このエネルギーは食から得ます。
そして、この食は自然界から得られます。
つまり、私たちの体は自然界が作り上げるわけです。
だから、人間は自然の一部なんだそうです。
ところが、最近は技術革新により、遺伝子組換えした野菜や穀物が存在します。
そして、こうした動物や魚介類も存在します。
遺伝子組換えをした食品は、過度な成長を促すことで、低コストで大量生産が可能になるというメリットがあります。
しかし、遺伝子組換食品を私たちが食べることは、デメリットもあります。
私たちは、食品を体に取り組むことで成長するわけで、食が私たちの体を形成しています。
遺伝子組換食品は、成長を促す操作をされていますから、それを食した私たちにも影響があります。
つまり、遺伝子組換食品を食べたら、成長を促す細胞を作り出すわけですから、自ずと太りやすくなるわけです。
そういう意味で、自然食品というのが重要になるのだなぁって思いましたね。
●情報とは
情報と何か?
言葉の意味を真剣に考えたことありませんでした。
養老孟司先生は、こうおっしゃっていました。
「情報とは、時間経過により変貌しないもの」
生物は必ず老化します。
岩は風化します。
液体は蒸発します。
しかし、情報は時間経過により変貌しない。
もちろん、情報というのは、その時代により、それを見た人の感じることや価値は異なるかもしれません。
でも、情報そのものの意味は、時間経過により変わるものではないわけです。
劣化するものもあれば、劣化しないものもある。
物質は、劣化します。劣化することを前提にして、対応を考える必要があります。
一方、情報は、いつまで経っても、その形を変えることなく残存します。
このことに留意して、慎重に扱う必要があるようです。