合格のおまじない(R6.7.14更新) | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●合格のおまじない

明日は技術士の記述式試験です。

受験される方々のために「合格のおまじない」について、お話をしたいと思います。

 

「おまじない」と言うと、祈りの言葉や神社でのお参りや御守りのようなものを思い浮かべるかもしれません。

でも、ここでお話する「合格のおまじない」は、こうしたものではありません。

 

では、合格のおまじないとは何かなのか?

 

それは、「諦めない覚悟」

を決めるです。

試験に合格するまでは「諦めない覚悟」を決める、このことが合格のおまじないになります。

それは、なぜか?

詳しく話していきたいと思います。

 

 

●僕の経験談

僕が、行政書士試験を受験したときの話をさせてもらいます。

2012年から2014年の3年間で3回受験しましたから、かなり勉強を重ねました。

1回目、2回目の受験は完全に独学でした。

市販の参考書と問題集を購入して、ひたすら問題を解いて受験しました。

でも、力不足で合格することはできませんでした。

3回目の受験、どうしても合格したかったので、独学は諦めました。

LECという会社の通信教育を受講しました。

分かりやすい講義を受けることで、法律の理解を深めることができました。

模擬試験が2回設けられていたので受験しました。高得点をとることができました。

「今回は大丈夫。絶対合格だ!」という自信をもって、試験本番に挑みました。

 

ところが、実際の試験は超難問だらけ。

しかも、勘違いやイージーミスもしてしまいました。

やはり本試験は難しいです。

 

通信教育の会社は、本試験の採点もしてくれます。

特設サイトにアクセスして、自分の解答を入力しました。

数日後、採点結果が送られてきました。

結果は、181点。

合格ラインは6割。180点です。

181点ということは、ギリギリ合格です。少しホッとしました。

しかしながら、行政書士試験には、マークと記述があります。

記述の採点が、通信教育の採点より厳しかったら179点以下になります。

これでは不合格です。

僕は、

「3回目も落ちたらどうしよう」

「これだけ勉強してもダメなら、向いていないのかもしれない」

「正直、もう勉強したくない」

と思いました。


受験勉強をしなくてもいい、正当な理由をいろいろと考えました。

「苦手なことをやるよりも得意なことをやった方がプラスになるのではないか」

「一度しかない人生だし遊んでいた方がストレスがなくて良いのではないか」

「そもそも行政書士を取得することで何が得られというのか」

いろいろと思いつくものです。

しかしながら、ここで諦めたら、一生後悔する可能性があります。

死ぬ前に、行政書士試験を諦めなければ良かったと思いたくないです。

それから、不当な評価を受けた際、行政書士試験に合格できなかったことと結びつけてしまう可能性があります。

こうなると不幸です。

いろいろ考えましたが、「もし、今回落ちたとしても、もう一回受験する」と決断することができました。

「諦めない覚悟」を決めることができたわけです。

 

そして、合格発表の日が訪れました。

結果は合格でした。

これは、嬉しかったですね。

ただし、ただしです。

点数は、179点でした。

 

そうなんです。1点足りない。

合格ラインの180点を下回っていたわけです。

 

一体、何が起きたか?

実は、平成26年度の試験問題が難しすぎたということで、補正処置が講ぜられたんです。

合格ラインが引き下げられたわけです。

前代未聞です。

おかげで1点足りないはずの179点でも、合格することができました。

この恩恵を受けたのは、僕だけはありません。

でも、合否が発表になる前に「諦めないと覚悟」を決めたことが、合格を引き寄せたと僕は信じています。

 

これは行政書士試験に関する話でしたが、全ての資格試験に同じことが言えます。

資格試験では、「諦めないと覚悟」がプラスに働きます。
さらに、技術士試験では、「諦めないと覚悟」がプラスに作用します。

次は、この話を詳しく話していきます。

 

●諦めないという覚悟はプロセスの一部である

技術士は、プロセスが重要です。

何かに成功した時、それはとても素晴らしい経験ですし、成功の結果として、様々な便益を得ることができす。

しかしながら、成功したという結果は、その条件、環境、事象に限定されたことです。

つまり、条件、環境、事象が異なれば、成功するとは限らないです。

1つの成功だけでは、再現性が担保されていないわけです。

一方、成功という結果を導き出すまでのプロセスは、そうではありません。

成功する手法を選択するに至るまで、いくつかの選択肢があったはずです。

それらの選択肢には、必ず、メリットとリスクがあるはずです。

検討の結果、選択肢のうち、ベストプランを選んでいるかもしれません。

或いは、選択肢の中には、ベストプランが存在せず、最大の課題を解消できる第三案を見出したかもしれません。

こうしたプロセスは、他の事に応用することができます。

成功した結果ではなく、成功した際のプロセスを、他の事象に応用すれば、新たな成功を生み出せるわけです。

 

この世の中には、模倣品が存在します。

これは結果だけトレースして、結果に至るまでのプロセスの精査を欠いたものです。

こうした技術は、一時的に利益をもたらします。

プロセスに時間と労力をかけていないため、制作コストが安価になるからです。

しかしながら、こうした技術は、後になって惨事を招くことになります。

プロセスが欠如しているわけですから、その技術が抱えるリスクに関する検証をしていないからです。

一方、結果だけではなく、プロセスも含めて適切なものは、リスクを精査しています。

その技術は、自ずと、善なる思考に基づいたものになります。

 

こうしたことから、技術士にとって、プロセスというのは、結果以上に大切なんものになります。

 

プロセルの重要性について、話をしてきましたが、技術士試験に話を戻します。
試験前に、「諦めない覚悟」を持ったことが重要です。

技術士にとって、プロセスが大切であることは、技術士試験も、プロセスが大切であることを意味します。

技術士試験におけるプロセスとは、試験勉強を意味します。

一所懸命に勉強することが重要になるわけです。

それだけではありません。

何かを終えた後、祈りを捧げるのは、結果を好転させる行為です。

何かをする前に、覚悟を決めることは、プロセスを好転させる行為です。
つまり、試験前に「諦めない覚悟」を決めることは、勉強同様、プロセスに加算されるわけです。
 

行政書士試験以上に、技術士試験は、プロセスが重要になる試験です。

だからこそ、「諦めない覚悟」を決めることが重要になり、同時に、「諦めない覚悟」が、結果的に、おまじないになるわけです。

 

もしも、合格することを熱望するのであれば、「諦めない覚悟」を決めてください。

 

繰り返しになりますが、資格試験において、プロセスの主体は勉強です。

「諦めない覚悟」を決めて、試験前日に猛勉強をしろと言いたいのではありません。

当然ですが、一日で、学力が飛躍的にアップするものではありません。
「諦めない覚悟」を決めれることの主目的は、気持ちの整理です。

 

試験ですから、どうしても幸・不幸というものが存在します。

自分が作った予想問題がそのまま出題されれば、それは幸運です。

でも、よくよく問題を読んだら、自分の作った予想問題と似てはいるけれど、微妙にズレがあって、出題者が求める解答になっていなければ、それは不幸です。

試験終了間際に、勘違いに気が付いて、書いてあることを修正することができれば幸運です。

でも、勘違いをしたという思い込みが間違っていて、修正することで改悪することになってしまうと不幸です。

こうしたことが、合否に影響します。

そして、「諦めないと覚悟」を決めることによって、ちゃんと気持ちが整理されていると、冷静な判断をできるものです。

これが幸運側に傾きます。

これが「合格のおまじない」になります。

 

●続けていれば何とかなる

資格試験の多くは、6割とれば合格することができます。

9割とる必要はないです。

僕らが受験する資格試験は、自らが選んだものです。

僕らは、試験の難易度と自らの実力から、合格できるかどうか見極めることができます。

無意識のうちに、合格できる試験を選んでいます。

つまり、続けていれば、必ず合格することができるわけです。
だから、安心して「諦めない覚悟」を決めてください。

 

 

●最後に

試験に合格しても、不合格だったとしても、勉強は続きます。

合格しても、勉強を続けなければ資格者として認めてもらえません。

つまり、継続研鑽が必要になるわけです。

不合格だった場合、来年の合格を目指して受験勉強です。

できるだけ早くリスタートする必要があります。

 

幸いにも、技術士試験の場合、試験勉強をすることで実力アップすることがそのまま業務に繋がります。

つまり、受験勉強も継続研鑽も、同じ内容になるわけです。

 

勉強することの重要性は、誰しも分かっています。

でも、「諦めない覚悟」を持つことの重要性を分かっている人は少ないはずです。

本日は、「諦めない覚悟」を決めることが、「合格のおまじない」になるという話をしました。

この話が、受験生の皆さまにプラスに働き、充実した試験になることを祈っています。