年齢ごとに異なる「場面緘黙」への対応 ⑤中学1年生 | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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 ⑤中学1年生 

中学1年生で緘黙症状改善に取り組む場合、ターゲットを明確にして練習するのがお勧めです。

中学生になると関わる相手の範囲が広がるため、練習の計画も立てやすくなります。

 

 1)中学生は小学生よりも「話す練習」に取り組みやすい 

中学1年生は緘黙症状の改善のための練習が比較的行いやすい年齢です。

 

小学生の時と比べて、先生も同級生も学校外でも、関わる相手が増えます。

教科の先生や部活の先輩など、小学生のときよりも練習の選択肢が多くなります

このため最適な難易度の練習方法を選びやすいです。

 

また、年齢が高くなってくると自分に対する理解も深まってきます。

練習の難易度調整やステップアップもしやすいです。

ぜひこの年齢で緘黙症状の改善の練習に取り組みましょう。

 

 2)中学生で「話す練習」に取り組むなら、学校の先生からがお勧め 

練習の計画の立て方などは、「小学1~4年生」のところで説明したものと同じです。

こちらの記事をご覧ください。

 

 

 

中学生ならではの要素として挙げておきたいのは、「誰をターゲットにするか」です。

練習の相手を誰にするかはもちろんその子次第なのですが、私のお勧めは中学校の先生です。

 

中学生になると学級担任だけでなく教科担任も関わるようになります。

最低でも7、8名の先生が日常的に関わるようになるので、相手が選びやすいです。

最も話しやすそうな先生を1人選んで練習を始められれば、成功する可能性は高いです。

 

0から1にするのに比べれば、1から2や3に増やしていくのはそれほど難しくありません。

1人の先生と話せるようになったら、そこから話せる先生を増やしていきましょう。

 

 3)気の合う仲間を部活で作る 

部活が始まるのも中学生で緘黙症状を改善させやすい理由の1つです。

 

年齢が上がってくると、「みんなお友だち」ではなくなってきます。

緘黙症状が長期化している子の場合、自分から友だちを作るのはとても難しいです。

クラス替えや進学のタイミングで仲のいい友だちと離れると、孤立してしまうこともあります。

 

仲のいい友だちがいないと、学校で話す相手そのものがいなくなってしまいます

こうなるとますます話す機会が減ってしまい、悪循環に陥ってしまうこともあります。

 

こういったときに、部活は新たに友だちを作るきっかけになります。

クラスメイトとは違い、部活は共通の目的や活動を一緒に行う仲間の集まりです。

このため気の合う仲間、話が合う友だちが作りやすいというメリットがあります。

 

 

【注意】

ここに書いてあることは、あくまで一般的な場合の考え方です。

子どもの状態や周りの環境等によって、適切な対応は異なります。

個々の状態に応じて適切に判断してください。