はじめての場所は不安?
でも、話す練習には向いているかもしれない。
はじめての場所の方が話しやすいこともある。
夏休みだからできる「話す練習」もある
緘黙症状の改善は、園や学校で行うのが基本です。
ですが園や学校がお休みになる夏休みだからできる「話す練習」もあります。
どんな方法があるか、紹介していきましょう。
※どの方法も、必ず効果がある訳ではありません。
個々の状態に応じて、適切な方法を計画して行いましょう。
1.家族と
<遠くにお出かけ>
家族で外出する機会が多いのが夏休み。
実は、「近所よりも遠くにお出かけした方が話しやすい」という子は多いです。
「ディズニーランドで話せた!」という話もよく聞きます。
家族でのお出かけは、「話せない自分」から解放される機会になることもあるのです。
<親戚と会う機会>
普段会えない親戚と会うのも夏休みならでは。
「祖父母やいとこは話しやすい」という子なら、積極的に機会を作りましょう。
親から離れてお泊まりに挑戦してみるのもいいでしょう。
ただし、「話せないのに無理やり挨拶させる」のは厳禁です。
「話す練習」は、話せる条件のときだけで行いましょう。
<買い物の練習>
買い物で話す練習をするのも効果的。
1回だけでなく何回か継続的に行うといいでしょう。
ポイントは「話しやすい条件をよく考えること」。
話しやすい条件は人によって違います。
・近所がいいか、遠くがいいか
・うるさいところがいいか、しずかなところがいいか
・話しかけてくるところがいいか、話しかけてこないところがいいか
・有人レジか、無人レジか
・混んでる時間か、空いてる時間か
・店員は日本人か、外国の方か
などなど。
細かい要素までよく考えて、「話しやすい条件」を整えましょう。
2.友だちと
<遊ぶ機会>
友だちと遊ぶ機会が作りやすいのも夏休みならでは。
また学校のある時期よりも長時間過ごせるので、夏休みに友だちと話せたという子も多いです。
ここで大事なのは「ターゲットをしっかり選ぶこと」と「相手に説明すること」。
「お友だち」と言っても、誰でもいいわけではありません。
話しやすい相手、話せるようになりたい相手を、本人とよく相談しましょう。
また、ただ遊ぶだけでなく、相手に「話す練習」についてしっかり説明することがお勧めです。
その方が協力が得られやすいですし、声を出すのもしやすくなります。
<花火やお泊まりなどのイベント>
普段の遊びだけでなく、色々なイベントがあるのも夏休みの特徴です。
「花火のときに友だちと話せた」
「お祭りの屋台で○○が買えた」
「お泊まりにきてもらってしゃべれるようになった」
「プールで友だちと会って話せた」
といった話もこれまでたくさん聞いてきました。
こういった少し非日常的なイベントは、「話すきっかけ」にちょうどいいのかもしれません。
また、「夜」というのも一つ大事なポイントかなと私は思っています。
少し暗くて顔が見えないときとか、一日過ごしてきて心身の緊張がほぐれているとか。
「普段と違う」ときだからこそ、「普段と違う」ことがしやすいのかもしれないですね。
3.先生と
<学校で話す練習>
先生と話す練習がしやすいのも夏休みです。
年休や夏期休暇をとっていなければ学校の先生は基本的に勤務日。
授業期間中よりも「話す練習」の時間は取りやすいはずです。
また夏休み中は学校に人が少ないため、話しやすい条件も整えやすいです。
毎週は難しくても、夏休み中に2、3回練習の機会が作れれば継続性も保てます。
夏休み中の練習についても相談してみましょう。
<オンラインで話す練習>
学校のタブレットを家に持ち帰っていれば、オンラインで話す練習もしやすいです。
どこまで対応してくれるかは学校次第、先生次第ですが、練習の機会は確保しやすいでしょう。
(自治体によっては、そういうことは一切ダメというところもありますが)