話せなくなってしまう場面緘黙の子とのカウンセリング:コミュニケーションをとる色々な方法 | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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場面緘黙の症状のある子と

カウンセリングする色々な方法

 

 話せない相手とカウンセリングできるの? 

「いちりづか」では、大人の当事者の方や、お子さん自身からの相談を受けることもあります。

緘黙症状がありますので、相談中も声では話せない方は多いです。

 

「相談はしたいけど、コミュニケーションがとれるか心配」

という方もいると思います。

 

「いちりづか」は場面緘黙専門の相談室ですので、色々な方法で相談することができます。

これまで何百人もの緘黙症状のある方と「話す練習」について一緒に考えてきました。

 

私が緘黙症状のある方とどうやってコミュニケーションをとっているか、ご紹介しましょう。

 

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 1.保護者を通じて聴き取る 

子どもの相談では、一番よく使う方法です。

 

 

お互いのカメラとマイクをOFFにして「相談タイム」を作ります。

ある程度聞けたところで再びカメラ・マイクをONにして、保護者から教えてもらいます。

 

場面緘黙の症状があっても、ほとんどの子は「家では普通の子」です。

マイクもカメラもつながっていなければ、親と普通に会話ができる場合が多いです。

この方法でうまくいくケースはかなり多いです。

 

対面で行うときは同様に、「一旦退出して「相談タイム」を作る」という方法が使えます。

 

 2.チャットで相談する 

これは、やってみると意外にできることが多いです。

小学生でも、文字入力さえできれば全然問題なくできてしまいます


声では話せなくても、文字でのコミュニケーションなら上手に自分を表現できる子もいます。

最近の子は文字入力が速い子が多いので、声で話すのと遜色ない内容のやりとりができます。

 

 

画像は「あつまれどうぶつの森」を使ったチャットでの相談です。

こんな感じでゲームの中でも練習の相談ができます。

 

 3.メールで相談する 

リアルタイムでのやりとりが難しければ、メールでの相談という方法もあります。

 

チャットよりも時間はかかりますが、じっくり考えて回答できるのがメールで相談の長所です。

チャットでは話せないような深い内容を相談することもできます。

 

ゆっくり時間をかけて考えたい方にはお勧めです。

 

 4.メタバースで本人と話す 

メタバース(仮想空間)の中でカウンセリングをすることもあります。

 

Zoomのように画面越しに直接向き合うよりも、メタバースの方が少し距離感があります。

アバターを通したコミュニケーションの方が安心感がある方もいます。

 

 

 どんな方法でも、コミュニケーションさえとれれば大丈夫 

他にも色々な方法でコミュニケーションをとることがあります。

 

・手書きの文字で返事

・ぬいぐるみを使って相づち

・録音した声で回答

などなど。

 

「何らかの意思表示」さえしてもらえれば、一緒に考えることができます。

話せるようになるための方法を、一緒に考えてみましょう。