一之瀬圭太の”賃貸管理会社の業績最速向上ブログ” -2ページ目

一之瀬圭太の”賃貸管理会社の業績最速向上ブログ”

日々の日本全国コンサルティング実績から、感じること、成功ノウハウ、その他身近な出来事などを、やわらかいタッチでお届けします。

船井総研 賃貸管理ビジネスコンサルタントの一之瀬圭太です。 

今日はオーナー目線での話を書きたいと思います。


最近のコンサルティングの中で、マーケティング面でものすごく参考になっているのが、”オーナー座談会”です。

今、隔月で ”本音で、本気で、オーナー同士が交流し合う座談会” を企画し、エリアの管理会社に主催をお願いし、各商圏で少しづつですが、会員を増やしています。
このブログを見ていただいている方には、私のセミナーや座談会にご参加いただいている方もいらっしゃるかも知れませんね。

実際には3時間程度の中で、
1時間:私やゲスト講師からの講座
2時間:オーナー同士の情報交換会
情報交換会は、私はオブザーバー役に回ります。
若いオーナーから、80歳近いオーナーまで、色んなオーナーに参加いただいています。

今までの私の中心は、管理会社目線でのコンサルティングが中心でした。
ですから、オーナー目線に立ち、特定のオーナー(1会場20名程度ですが)と深く関わっていると、違った世界が見えてきます。

見えてきたことの一つは、意外にも(失礼かもしれませんが)、優秀な方が多い、ということです。
座談会では、どんなオーナーも、3回くらい継続的に参加し慣れてくると、色んな発言が出てきます。
そして、古い物件に悩んでいる、相続で悩んでいる、次はどんな物件を建てればいいか、仲介会社とどう付き合えばいいか、それぞれの悩みについて真剣に考え、答えを出し、”何かしら実行して”います。
自分で出した答えに、前向きに、行動しています。

本音で言えば、以前の私は、管理会社の担当者の方からは、「オーナーは何もしない」と聞くケースが多く、それは間違いだ、と気づきました。
そもそもそういった担当はオーナーから信頼されておらず、オーナーは別の考えを持ち、ひっそりと答えを出し、別の考えで行動しています。

二つめは、悪い言い方をすると、大家さんの中には、根本的に入居者、管理会社を ” 敵 ”と認識しているケースが多いように感じます。
あきらかに敵対的な話になると、私も顧客志向の話をし、話を修正することもあるのですが、どうやら入居者のちょっとしたモラルや、滞納、クレームがオーナーにとって、心理的なストレスになるケースが多いのです。

確かに、管理会社で管理戸数が多い会社では、当たり前のようにクレーム対応や滞納の対応をしていますから、管理会社にしてみれば、数ある中のひとつですが、オーナーにしてみれば、死活問題です。

三つめは、情報量が極端に少ないオーナーが多いことです。
今までの座談会の参加者では、たとえば賃貸住宅新聞を読んだことがあるオーナーは一人もいませんでした。
インターネットでポータルサイトを見たことがあるオーナーは、3分の1以下です。

上記の二つ目に関しては、そもそもオーナーが”他のオーナーはどうしているのか?””今の入居者はどう考えているのか?”知らないために不満やトラブルになっているだけのケースもあります。
中には、入居率98%の会社に対して、入居率が低い、と考えているオーナーもいたほどです(笑)

座談会のオーナーの本音から、私が感じるのは、賃貸市場の入居者、オーナー、管理会社(仲介会社)の情報格差です。

それぞれがパートナーとなる視点で情報共有すれば、お互いWinWinの関係を築けます。
情報が足りないから、お互いがお互いを敬遠したり、不満を抱くのは、最終的に不幸な結果を生み出すことにつながります。

現に、毎回座談会のあとで、主催管理会社にオーナーから管理相談が来るケースが増えています。
営業は一切していません(笑)

オーナーも、不安の中、賃貸経営という戦場で戦っています。
管理会社がオーナーに対して、まずしなければいけないのは、”本当にオーナーが求める情報”を伝え続けていくことだと思います。
船井総研 賃貸管理ビジネスコンサルタントの一之瀬圭太です。

各ご支援先の繁忙期後の状況整理、今後の対策も目処がつき、やっと徹底した閑散期対策に移れる時期に入りました。
今回のテーマは「賃貸仲介の営業力を上げるには」です

最近の傾向として、賃貸管理ビジネスの世界においては、活躍する社員さんの傾向が変わってきている、という流れがあります。
一言で言うと、コツコツ系のまじめな社員さんが増えてきました。
逆に言うと、スーパー営業マン気質の社員さんは減ってきたように思います。
良い、悪いではなく、現実にその傾向がある中で、いかに営業力を上げていくか、という所が課題になっている会社が多いように思います。
その中から、昨今営業力を上げている事例をご紹介したいと思います。

■営業力の5要素
今まで300以上の店舗、営業マンを見た中で、賃貸仲介の営業力には、5つの要素があるように思います。
これをそれぞれのアルファベットの頭文字をとり、営業力の5要素、イッチ(I、C、C、T、I)と呼んでいます。
・I(Impression):第1印象。店頭、店舗の親しみやすさ。
・C(Contents):具体的な企画。その会社にしかない商品・サービス。
・C(Communication):コミュニケーション能力。接客力。
・T(Technic):物件紹介、案内のテクニック。
・I(Information):物件知識。
これらを総合的に判断し、お部屋探し顧客は最終的に契約という結果にたどり着いています。

■営業力の5要素からの具体的営業力UPの考え方
コツコツ型の社員さんが増える中、現場に置き換えると、「コミュニケーション能力」、
 「物件紹介のテクニック」の2つの要素については、なかなかすぐに上げることが難しい、と感じています。
それは、個人の能力によって差がある(なかなか成果が上がらなくても、時間をかけてものすごく成長する社員。無難にはこなすが、そこそこで終わってしまう社員。それぞれ長所、短所、向き、不向きがあります)からです。
また教える人、環境によっても成果が変わってきます。
実際に、「営業に向かないかな・・・」といわれる社員さんでも、店舗や教育担当が変わると、メキメキと成果を上げる社員さんも多くいます。

そのような状況の中で、営業力UPの初期段階では、「第1印象」、「
その会社にしかない商品・サービス。」、「物件知識」の3つの要素を店舗単位で上げていく、という手法が、契約率に直結しやすい、と感じています。

すぐ始められることは、
・市場や競合の取組を徹底的に調べる。
・他社より良い印象、自社だけのサービスを店頭、店内POPでPRする。(社員さんにも意識付け)
・POPについて質問された際の対応方法を店舗単位で決めておく。
・店内に巨大地図を作成し、取り扱い物件を見える化(顧客、社員)し、知らない物件がないよう、現場社員さんの物件確認を徹底する。

今までの会社の取り組み状況、エリア性等によっても違いますが、これらの落とし込みを徹底すると、契約率も10%程度上がっています。
新人社員さんでも、経験をつむことで

「コミュニケーション能力」、 「物件紹介のテクニック」についても連動して習得しやすくなります。


今回は営業力について書きましたが、もちろん、本質的な意味では商品力が大切です。
営業力に取り掛かる前に、商品(物件情報)の仕入れ、磨きこみも忘れずに進めていただければと思います。

船井総合研究所の一之瀬圭太です。
今日は、特に地方都市の賃貸管理ビジネスで感じる動きについて、
です。


家賃相場が極限まで下がっているエリア。

低いところで平均2万円台の家賃帯のエリアが出始めている。

今後、賃貸管理ビジネスが成り立つのか?
将来を考えると、いろんな可能性が見えてくる。


特に、昨今の利用者フリーの流れから感じるのは、もしかしたら
入居者の賃料ゼロの時代が来るかもしれない、ということ。

市場が収縮し、地域密着の度合いがより濃くなったときに、地域
の商店や企業連合が賃貸物件の外壁、屋根、クロス・・・等に
広告を出し、広告料をオーナーに支払う。

住んでいる入居者は、日常生活の中で、極力広告を出している
企業を利用する。
もちろん、入居中の賃料はゼロ。

賃料2万円程度のエリアであれば、1室につき100社が広告を利用
すれば、1企業の1室あたりの負担は200円程度。
これがオーナーに支払われ、賃料の代わりになる。
1企業が1000室に広告を出せば、20万円でヘビーユーザー顧客が
手に入る。

顧客の購買頻度が高い業態ほど、成り立つ可能性は高い。
業態によっては、非常に安価で費用対効果の高い広告宣伝になる。

賃貸管理会社の顧客は入居者、オーナーから、企業、オーナーになる。
不動産業から広告業にスライドする。


・・・そんなことを考えると、近いうちに、ソフトバンクとか、コカコーラ
とか、奇抜な外壁の築30年のアパートが出てくるかもしれない。。。