役立たずの箱。笑えるような、笑えないような。 | ぼくは占い師じゃない

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易のブログ……だったのですが、最近は白橋 升としての創作活動「遊星出版」の話題や日常雑記を綴っています。遊星出版のサイト(Googlesite)で作品を紹介しています。活動や作品の紹介はこちら(遊星出版公式サイト)→https://sites.google.com/view/yuusei-press

「役立たずの箱(Useless Box)」というモノがある。

以前からちょっと気になっていたナンセンス(冗談)・トイだが、2000円以下のキットをアマゾンで見つけたので組み立ててみた。



写真の黒い箱がそれだが、PUSHと書かれているスイッチを押す(向こう側へ倒す)と、中から透明のアームがにゅっと出てきて、スイッチを押し戻し、また箱の中へと引っ込んでいく。

ただそれだけ。

☆

下の写真は、このオモチャの心臓部。


心臓部というより、実はこれがすべてだ。箱はこの仕組み、いわばタネを、文字通りブラックボックス化する装飾で、このユニットを囲むように組み付ける。


【結線はたこ糸でしばった】

仕組みもほぼ見たとおりで、すべて機械的な動作で成立している。

上のスイッチを押す、写真で言うと右へ倒すと、アームが左回転し、スイッチに当たり、スイッチを左へ戻す。


このスイッチはオンオフのスイッチではなく、アームの回転方向を切り替えるスイッチである。

 

スイッチが左へ倒れると、アームは今度は右回転を始める。つまり、箱の中へ引っ込む。

 

電源端子の基盤下にキルスイッチがあって、右に回転したアームの、スイッチを戻したのと反対側の端が、このキルスイッチに当り、システム全体の電源が切れる。


☆

外見的には制御系でいう負帰還で、人間によるスイッチ操作という外部からの擾乱に対して、システムはそれに対抗し、もとの安定状態(静止)へ戻ろうとする。

対話としてとらえるなら、「おい、どうだい?」という人間からの問いかけに対して、中にいる「誰か」はものすごい勢いで飛び出してきて、チャッ! と、スイッチだけ切って、さっさと引っ込んでいく。

 

電池が新しいのでそういう動きになってしまうのだが、まるで「うるせえ、起こすんじゃねえ!」と言わんばかりに見える。

人生として見るのなら、スイッチを倒すことでオギャアと生まれ、アームは左回転して成長していくが、やがて、ストレス、酒、タバコ、事故、病気、加齢等々で、自分で自分のスイッチを切り替えて、右回転を始める。見えない反対の端はキルスイッチへまっしぐらだ。動きがすばやいので、とてもはかない人生に見える。

 

最終的にすべては静止するが、実はそれがもっとも安定した状態で、系全体の目標でもある。

 

不老不死やアンチエイジングは、スイッチを取り払い、アームを左回転し続けようとさせることで、人生という冗談が成立しなくなる。

 

いずれにしても、おおもとの電池が切れれば、神々の黄昏のようにすべては静止する。


☆

眺めているといろいろなことを想ってしまう。

何度もスイッチを入れたくなるのはどうしてだろう。

スイッチを入れて起こることは、わかりすぎるほどわかっているというのに。

 

※ご注意!

海外製品ですので、説明書は英語で、掲載されている写真は解像度が非常に悪く「たぶんこうだろうな」という程度の情報しかわかりません(でもあった方がいい。パーツリストが載っている)。パーツは全部そろっていました。最終的には必要ありませんが、部品の仮止めと補強のため、一部瞬間接着剤を使いました。簡易なドライバーとレンチが付属していましたが、ドライバーはたぶん使い物になりません(最初から期待してない)。レンチはトグルスイッチをボディに固定するナットを締めるのに使います。モーター端子の結線がいわゆるイモハンダで、ぽろっととれてしまいましたので、手持ちのリード線を使ってハンダ付けし直しました。付属のリード線は芯線が少ない安価なものですので、ハンダ付け後も折れやすく注意が必要です。アームの回転方向は重要ですので、最終組立前に必ず動作確認をしてください。またこの時、指を挟まないようにご注意ください(痛ッ!)。そんなこんなを試行錯誤しながら組み立てるところまで楽しむつもりでない限りは、このキットはおすすめしません。キットというよりも、設計された材料のセットを買ったと思った方がいいかもしれません。自動制御によるレーザーカットでしょう、アクリルパネルの合いは問題ありません。ちなみにぼくの場合、上記色々含めて完成までの所要時間は昼飯をはさんで4時間ほどでした。組み立てに失敗してもちろん自己責任です。

 

組み立て中。

 

仕上げにゴム足をつけた。

さらに110円の出費。

 

ネジはたくさん余った。