「さみしい夜にはペンを持て」
古賀史健著 ポプラ社 2023
良書である。
形のない重荷を形にして手放すことがいかに心を軽くするか、ジュブナイルの物語形式で綴られている。
原則。
書いたものは読者がいなければ成り立たない。では、友人も知り合いもいない人間は、どうしたらいいのだろう?
回答。
未来の自分が読者である。日記というのはそういうものかもしれない。
☆
著者がこれを書いた時点では、想定していなかったと思うが、今ならAIに読者になってもらうこともできる。長いことお話を書いていると、途中で息切れしてくることもあって……
「どうだ! すげえだろう!」
『へえ、旦那様! 国宝級でございます! いよっ、大統領!』
人は弱い(特にぼくは)。ハルシネ(でっちあげ)とシカファン(ヨイショ)が、助けになることもある。そうだ、今度からこいつ(Gemini)をイッパチと呼ぶことにしよう。
巻末の袋綴じには、特効薬が封入されているという。これは開けずに、次の読者に譲ることにした。書籍はこれからますます貴重品になるだろう。
消費してはいけない。
ため込んでもいけない。
循環させなければ。