遊星出版です。
昨日(2026年3月14日)SF(Sukoshi Fushigina)フリマ7に出店して参りました。このイベントには初出店です。
お日柄は大変によろしく、そろそろ桜もほころぶんじゃないかという陽気でしたが、頭の中まで春が来たようで、この日は朝からミスやポカが多くて困りました。
朝マスクを忘れて取りに戻るわ、川崎に着いたら着いたで、会場に行くつもりでモールの中をうろついてしまうわ、やれやれと会場に着いていきなり、お隣(「魔女のアトリエ」さん、ごめんなさい)のブースのディスプレイにデイパックをぶつけてひっくり返してしまうわ……その節は大変申し訳ありませんでした。以後気を付けます。
気持ちは思いっきりバタバタしていましたが、平静を装いつつ、ブースのセッティングを終えたのがちょうど12時の開場直前。
【いつもの絵ヅラ】
本屋の店主よろしく手持ちの本などを広げながら、見るとはなしにダイアゴン横町をいく人たちを眺めていたわけですが、やっぱりなんか、浮いてるような気がしてきます。本を売ってるのは遊星出版だけで、基本は造形・クラフト系のイベントなんだなあ……てなところ。
それでも。
一番びっくりしたのは「ブログ見てます」という方がお見えになったことでしょうか。一日数PVという日も珍しくない(時には0という日も)、この零細ブログを見てくださっているだけでも御の字なんですが、迷わず「初学者のための魔法の基礎」をお買い上げいただきました。多謝。
ブログを始めて20年。イベント出店はまもなく20回を迎えようかという今日この頃なんですが、ブログ見てますよ、と直に言われたのは初めてです。いや、うれしかったなあ(ちょっと恥ずかしかったりもして)。
もうひとつびっくりしたのは、持って行った本が14時にはすべて売れてしまったことです。「完売」ってやつです。前にも2度ほどありましたが、そうそうあることではありません。
2度の完売はいずれも文フリでのことで、まさかクラフト系イベントで完売するとは思っていませんでした。うれしい反面、閉店後に見えた方がもしいらっしゃったら申し訳ありませんでした。写真にはありませんが、名刺を3枚ほど残して……14時半ごろには閉店してしまいました。
【きったない字】
持って行った本の中では「小槌の神秘」に興味を持って下さる方が多かったです。日常的な事柄についての占術書で、サイコロをふたつ使って占います。
ぼくが書いた物ではなく、高齢のお客さんからゆずってもらった古書の中にあった……とまあ、本の中でもそのように説明しているんですが、これもちょっと正確な記憶は曖昧で、古書のダンボールとは別に「こんなのあるよ」と渡されたのかもしれません。仏壇の引き出しに入れてあった、と。
その高齢のお客さんか旦那さんの、占い好きの母上が自筆で書かれたものです。時期は大正期の終わりか昭和の初め。占術の根拠は不明ですが、その「おばあさん」は易をはじめとして、気学、推命もたしなまれていたことは蔵書からわかりました。他の古書とは別に持っておられたのなら、それこそ、「普段使い」で使われていたものかもしれません。
それをぼくが勝手に復刻したわけで、いいことか悪いことかはわかりません。ぼくがやるとイマイチなんですが、かみさんがやるとよく当たります。
現物も展示して、それを広げながら説明していましたので、やっぱりクラフト系イベントだけあって、みなさんそうした実際のモノの手触りには敏感なご様子でした。
そんな中、ちょっとハッとしたのは、若い男性のお客さんで、「初学者のための魔法の基礎」に触れながら、「これ、サイズ感いいですね」というご感想をいただけたことです。
この本については結構こだわって作っていて、一見なんてことのない本ですが、ページは黄色みを帯びた書籍用紙、新書版で15mm(264ページ)程度の厚み、アイボリーの遊び紙を入れ、表紙のラミネート加工は遊星出版の他の本(グロス地)とちがってマット地にしてあります。さらに初回印刷分は黒のブックケースに入れる……と、こうして製造原価は嵩んでいくんですが……ま、道楽です。
手にした感覚をお褒めいただいた件のお客さんには、もちろんお買い上げいただきました。ありがとうございます。
今回は易の本はなかったのですが、ラインナップ中で内容的に易と最もクロスオーバーしているのは、実は「初学者のための魔法の基礎」で、それほど詳しくは説明できませんでしたが、ブログを見てくださっているというお客さんには、その辺をしっかり見定めてお買い上げいただけたようです。
☆
紙の本は市場が狭くなりつつあると聞きますが、なくなることはないと思います。読書は、情報を得るためだけの読書と、本というモノそのものと、紙に書かれた文を読むこと自体を楽しむ読書に二極化していくでしょう。
昔に比べれば紙の本はどんどん高くなっていますが、もっと高くなると思います。情報を得るだけなら紙より安い手段がほかにいくらでもあるからです。こうして……なくならないまでも高くなった本は、もはやそれまでの本とは異なる工芸品になっていくでしょう。
工芸品?
本と手仕事といえば、豆本づくりや、ハンドバインディング、ユリユールなどの工芸趣味が思い浮かびます。
このイベントでは遊星出版は「浮いている」などと書きましたが、SFフリマやアンクラで本を売るのは、あながち的外れでもないのかもしれません。
ま、少なくとも、遊星出版の本は「情報を得るためだけの本」ではなさそうですので。
【川崎駅午後二時半。え~、もう閉店? このあとトドメのミスで、反対方向の電車に乗って、1時間ロスしました。町から出ない町のネズミは、慣れない場所が非常に苦手です】
主催者様、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
会場にお見えになった皆さん、ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。