ちょうど今頃の季節だったか。
晩冬か初春の晴れた日だった。
独居の母親の家に自転車で向かう。
途中、なんとなく立ち寄った砂浜。
草むらの隅に大きな貝が落ちていた。
内側に油性ペンでなにか書いてある。

やたらに物を拾って帰ると怒られる。
だから小箱にずっとかくしてあった。
ただ出してみる。
ときどき眺める。
スキムブーメラン。検索してみた。意味不明。
同じような貝を拾った人達の書き込みがある。
今から6年くらい前の事。
その頃拾ったんだと思う。
どれをとっても一冊だけしかない。
スキムブーメランという作家の本。
脱字がある。
いや衍字か。
編集者は不在だったのだろう。