前回(「前世からの贈り物?」→)では、ギフテッド(最初ッからできる人たち)の話から、結局は「達人のサイエンス」という本の話になってしまいました。
ヤメるのはカンタンなんだけど、続けるのは難しい。
だもんで、達人は数が少ないんですが、むかぁ~し(といっても、そんなに昔ではありませんが)、若いあんちゃんが運転するタクシーに乗り合わせたことがあって、彼がしきりに、今の仕事を辞めたい辞めたいと繰り返すもんで、理由もきかずに、「とにかく続けろ」と、家に着くまで説得(?)したことがありました。
ジジイのよけいなお世話です。
それ以外のなにものでもないんですが、そのときも「達人のサイエンス」の話をした記憶があります。
☆
当時は、オヤジに先立たれたオフクロが、同じ市内で独り暮らしでした。
支援2、ヘルパーさんが週1で入っていて、まあまあ元気でしたが、オヤジに「頼む」といい残されたこともあり、一応毎日、安否確認の電話を入れて、ゴミ出しやら掃除やら食事(ホカ弁買いに行くだけですけどね)やら、ゲームの相手(勝負事が意外と好き)やら、毎週末にはちょっとした手伝いに、オフクロのところへいっていました。
クルマは運転しないので、自宅との往復には時々タクシーを利用していました。
若い運ちゃんと話をしたのはその帰り。
やがてオフクロも他界しましたが、両親の家のあと片付けをした帰りに、バスで帰ることもできたのですが、疲れたのでタクシーを呼びました。
するするっとやってきたのは、黒塗りのでっけえクルマ。
あれ、こんなの会社のえらいさんが乗るヤツじゃん、高級車なんか頼んだ覚えないのになあ、料金高いんとちゃうやろか……
と思いつつ、おそるおそる乗り込んでみると、あの若いあんちゃんでした。
☆
ぼくが乗ったときのことを覚えてくれてました。
そのときは、「辞めないでよ!」「はあ、考えときます……」みたいな感じだったけど……
ええ、ええ、辞めないでよかったです、今はハイヤーやってます、こっちの方が性にあっているみたいで ……え? 料金? 今は代打で来てるんで、フツーと同じっすよ。あれから3年ぐらいですかねえ……
オフクロのことも知っていました。
オフクロは足が悪かったので、外出時(滅多にしない)にはタクシーを利用していたのです。
他界したと伝えたら、一緒に悲しんでくれました。
彼もきっと今頃は、達人になっているにちがいありません。いや、もう3年もたってたから、達人だったのかな。
オチ? ありません。
あいすみません。

【ZenPad#05; Punzel 晩夏の感傷。祭りのおわり】