ずっと心に残っていることは、川底の石のように、水の流れにいつまでもアクセントを与え続けます。
そんな石のひとつに、かなり以前に観た、NHKニュースの合間のレポートだったと思うのですが、紙芝居屋さんの話があります。
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紙芝居屋さん。
公園に、箱を積んだ堅牢自転車でやってきて、荷台の木箱を組み立てると、引き出し付きの小さな劇場になります。拍子木を叩いて、子供たちが集まってきたところで、引き出しから出した駄菓子を売り、子供たちは駄菓子を食べながら黄金バットやスペクトルマンのお話を聴きます。
ぼくよりちょっと上の東京出身の先輩は観たことがあるといっていましたが、ぼく自身は実際にそんな紙芝居を観た記憶はありません。近所に紙芝居屋さんが来るという話も終ぞ聞くことはありませんでした。
乱歩の少年探偵団の時代には珍しくなかったのかもしれませんが、くだんのNHKのレポートでは、とっくにいなくなったと思われていた紙芝居屋さんが、まだいた! という話でした。高齢の方で、昔やっていた道具やスキルをひっぱり出してきて、また始めたという話でした。
蔵前あたりに行けば、まだ問屋さんがあるのでしょうが、駄菓子などは10円20円の代物です。公園で遊んでいる子供の数も減ったのではないでしょうか。紙芝居で生計を立てることなど到底できず、奥さんがパートをしながら生活を支えているということでした。
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テレビを見ながら、かみさんは『奥さんタイヘンねえ』などといっていました。旦那の肩を持つわけではないけど、そういうことでもない気もします。
お金はご承知の通り、「この世に値段のつかないものはない」「お金で買えないものはない」といわれるほど、世の中の隅々にまで行き渡っている尺度です。
でもやっぱり。
それだけじゃないんじゃないか。
遊星出版もお金という面では、儲からないどころか、イベントに出れば出るほど赤字です。製造コスト以下で本を売っているのが主たる要因なんですが、大阪文フリで、それをお話ししたら「え。どうしてそんなことするんですか!」と目を丸くされました。
そのお答えを……と、ここに書くと長くなるので、遊星出版サイト、 「遊星出版の本を手に取って下さる方へ」に追記させていただきました。
よろしければご覧いただければと思います。
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まあ、おかげさまで、申告の必要もないんですけどね。
奥さんタイヘンねえ。