軽やかな喜び。
☆
軽く喜ぶ。
その様子から沢のせせらぎにもたとえられる……いや、これは逆か。兌には対応する自然物として「沢」があり、そこから喜びという意味が出てきたのだろう。せせらぎは軽やかで、心地よさそうだ。
この卦を見るといつも思い出すのは、タロット(ウエイト版)の「カップの3」で、このカードには三人の女性がそれぞれ手にしたカップを高々と掲げながら、軽やかに踊っている様子が描かれている。小アルカナは、風変わりなボヘミアン、パメラ・コールマン・スミスのオリジナルと聞くが、いかにも楽しげだ。
兌の場合は八卦の「兌」がふたつ重なった純卦なので、軽やかに踊るふたりの女性ということになろうか。兌という卦の[象|かたち]自体もカップに関連する。欠けた[杯|カップ]という観方もある。
「兌」という漢字は頭に乗せた箱に高次のなにかが降り、よろこびで恍惚となり、ふらついている人の形だ。「兌」は軽い。経文も六十四卦中で、たぶんもっとも短い。
「カップの3」を眺めていると、その中には「豊(第五十五卦)」や「鼎(第五十卦)」も観える。タロットは易とは異なる言語ではあるが、タロットのような他の「言葉」を使える人は、その言葉のシンボルとクロスオーバーさせつつ、易というコトバも覚えていくのも手かもしれない。