ブックオフもいいけど、ふつうの古本やさんというのは、どれぐらい残っているのだろう。
家の近く……でもないけど、かろうじて歩いて行けるところに一軒の古書店があって、ときどき立ち寄ることがある。
この間は、杉浦日向子さんの「東のエデン」を買った。
平成元年の初版だから書齢は36年。
ハードカバーなんだけど、表紙なんか軽く反っちゃったりしている。

杉浦さんといえば「お江戸でござる」の和服姿が記憶に残る。
作品はほとんど読んだことはないが、百日紅のアニメは観たことがある。北斎の娘の話。杏さんの声がよく合ってた。フランスでは受けたけど、日本じゃさっぱりだったらしい。
「東のエデン」は明治の話だけど、漫画を読んでいると確かになんか、そこにあるような気がする。明治が。
明治っていえばさあ……
紀州のばあちゃんが娘(てか、子供)だった時代だ。
いや、話は明治初期だから、もっと前か。
その祖母は100過ぎまで生きた。
赤瀬川原平さんがあとがきを寄せている。
杉浦さんも赤瀬川さんもすでに故人である。
別に友だちでも知り合いでもないけど、知っている人が亡くなっていくのは寂しい。
以前にこのブログで書いた市川春子さんの本も同じ古書店で買った
「東のエデン」の近くには、手塚治虫氏によるバイブル、新書版の「漫画の描き方」がなんとなく並んでたりする。
中学の頃、むさぼるようにして読んだ。
そして自分の画才のなさにあきれた。
こんな店がまあまあ近くにあるぼくは、たぶんしあわせなのだろう。