今回はその続きのお話をさせてください。
手前勝手な造語を乱発することになります。
ご容赦。
☆
さて……
ツイストペアはダンスを続ける。
するとやがて、お互いがメッセージをやりとりし続けることによって、「見えない中心」は徐々にカタチをとるようになる。
だんだんと見えないものが見えるようになっていく。
最初は淡く、とらえどころのなかったものがより具体性をましていく。
なにが生み出されるのか、なにがどう具体的になっていくのか、それはそのツイストペアを何にみたてるのかによる。
たとえば、ツイストペアを夫婦とみるなら、子供がうまれる……か、あるいは、お互いの共通の目的か、スタンスのようなものがカタチをとりはじめる。
それはかならずしも言葉にはできないものかもしれない。
易システムにおいてその様子は、たとえば次の絵のようにあらわされる。
AとBが互いの上下卦を交換しあってAでもBでもない新しいツイストペアC、Dを生むのである。
もちろん、A、Bから大成卦を生むパターンはこれ以外にも考えられる。
でもまあ、とりあえずは上図のパターンでお話を進めていきたい。
C=Bの下卦+Aの上卦、
D=Aの下卦+Bの上卦、
となるこのパターンは、ツイストペア・ホイールが生成されるときに純卦のツイストペアから先天大成卦が創られるパターンでもある。
これを「メッセージ交換」と呼ぶことにしよう。
「日本酒とツイストペア 」でも、ツイストペア以外にもペアには任意の組み合わせがあるという話をしたが、「メッセージ交換」も、ツイストペアを構成する以外の任意の大成卦と行ってはいけないというルールはない。
ともあれ、ツイストペアどうしのメッセージ交換は必ずツイストペアを生むという点において、ツイストペアどうしのメッセージ交換はやはり特殊である。
ツイストペアどうしのメッセージ交換は、メッセージ交換前のツイストペアと、メッセージ交換後のツイストペアで、「ツイストペアのツイストペア」を構成する。
この「ツイストペアのツイストペア」はひとつのグループをつくる。
このグループをファーストオーダー(FO(*5))と呼ぼう。
FOのくくりで六十四卦全体をみわたすと、マスターマトリクス(*2)とはまた別の眺めが見えてこないだろうか。
ところで、「メッセージ交換」にはモデルがある。
両親から半分づつ情報をもらって、新しい情報単位が生じる、生殖に代表される生命活動だ。
もちろん、別のものにみたててもかまわないが、FOを生命活動のパターンとみなすのなら、ひとつのFOは、ひとつの集合的な意識をあらわすことになる。
「<私>の持ち分 」では、大成卦を一人の個人とみたてた。
いわば、一個の意識である。
ツイストペアになると、記号としての情報量は単なる大成卦の倍になり、自己の境界の拡大とか、共感、連帯感といった、グループ意識になる。
FOになると、記号としての情報量はさらに倍になる。
このレベルはさしずめ、民族・国家・惑星(私たちの場合は地球)意識といった集合意識に相当するだろうか。
大成卦4つ分の記号量となると、いちいち大成卦のシンボルを描いてはいられない。
たとえばいっそのこと、FOをひとつの丸であらわしてみたくなる。
爻を重ねて大成卦のシンボルを描くのがメンドーだということもあるが、大成卦がツイストペアになった時点で、実はそれはもう大成卦ではない。
自己の……大成卦の境界が拡大した、なにか……別のものだ。
それでもツイストペアのように大成卦二つくらいなら、まあなんとか目で追えるかとは思うが、これがFOのように4つ、そしてこの先おそらくそれ以上になると、何か別のシンボルを持ってくるしかない。
そこで平面図形でもシンプルで美しい○……円を採ったのだが、これでFO全体をあらわすと、たとえば下の図のようになる。
16のゲート、もしくは部族、人類の集合意識。
あなたのODは(*3)このどこかに属している。
たとえば、中心点の右にあるFO1~FO4はひとつのグループを形成し、全体は右回りに採番されている。
このように採番、作図していくと、中心にFO1、FO6、FO11、FO16が集まることになるが、この4つのFOはファウンデーション(*4)で構成されるFOである。
図全体の中心点を含むのは、「FO1、FO6、FO11、FO16」で示されるファウンデーションのグループだけだ。
他のFOはこのグループを介して中心点にアクセスする。
このFOの全体図はツイストペアホイールを、FOという観点で描きなおしたものということもできる。
で、中心点は……気づきの方向、「深化」の方向を示す……、と。
とまあ、だいたいここらへんで、化けの皮が剥がれてくるのである。
解説者が解説できないレベル……とでもいおうか、
システムは解説者よりもはるかにすぐれているので、解説者、ぼくの日常意識レベルを超えて、さらにその先を指し示す。
ファーストオーダーがあるなら、セカンドオーダーだって、サードオーダーだってあるのである。
それはなんというか、目の前にまで木々の迫る深い森でも、シッカリ北を指す方位磁石のようで……
方向はわかるのだが、その先に何があるか……説明する者自身、すなわち、人一倍炭酸ガスを吐き出すこのぼくという凡夫などは当然、垣間見たことさえない領域なので、なんとも語りようがないのである。
無責任にみえるかもしれないが。
それでもなんとか、 記号的なというより符号的な説明はできるかもしれないが……
長くなりそうなのでそれはまた別の機会にゆずりたいと思う。
ご参考までに、マスターマトリクス(*2)上でのFO1~FO16のならびを示すと次のようになる。
--------------------
*1)ツイストペア
ある大成卦と、その大成卦の各爻を反転してできるもうひとつの大成卦とのペアのこと。
伝統的な観方では、互いに裏卦の関係にある大成卦のペアのこと。
*2) マスターマトリクス
上卦、下卦を「乾兌震巽坎艮坤」の順で配列し組み合わせた大成卦の行列。
震巽は「乾兌震巽坎艮坤」の中央になるため、震為雷・巽為風はマトリクスの中央に位置する。
一応筆者独自のテーブルだが、誰でも考えつくことだし、易卦のインデックスにはよく用いられるパターンである。
*3)OD
あなたが採用している暦、およびその暦上の座標である誕生日とツイストペアホイールの関係から導かれるある特定の大成卦。「意識的に」任意の大成卦を選んでもよい。あなたが今生で乗り回す車とドライバー。オーナードリブン。「魂のテンプレートから、ただのテンプレートへ 」参照。
*4)ファウンデーション
ファウンデーションは、純卦8つ、および先天大成卦8つ、計16の大成卦から成るグループであり、ツイストペアホイールではその中核を構成し、マスターマトリクス上ではこの16の卦は対角線上に並ぶ。
*5)ファースト(セカンド、サード)オーダー
用語は以下より拝借したが、意味するレベルは異なる。
「知恵の樹―生きている世界はどのようにして生まれるのか 」
ちくま学芸文庫
ウンベルト・マトゥラーナ、
フランシスコ・バレーラ著
管 啓次郎 (翻訳)