甘いものを大量に買い込んでくることがある。
だいたいが、イヤなことがあったときとか、
なんだかむしゃくしゃした日に、
そんなことをするらしいのだが、
よくわからない。
コンビニが近すぎるのも問題である。
ぼくはといえば、別にきらいじゃないけど、
甘いものはそんなに食べる方じゃない。
でも、ハタで食べているのをみると、
ついつい「それちょうだい」と言ってしまう。
パナップといえば、
この写真のようにハート型の、
いかにも身体に悪そうなジャムだかゼリーみたいなものが
アイスクリームに入っているというグリコの逸品だが、
カミサンがこんなふうに買ってくることでもなければ、
まあ、めったに食べない。
かみさんが買ってきたのは、
ミニサイズのパナップが6つ入った箱パナップだった。
いろんな味が楽しめるというわけだ。
ふだんそんなに甘いものを食べない、
ぼくのようなおじさんにもちょうどいいサイズである。
かみさんの様子をうかがいながら
(へたに手を出すと怒られるのである。
メシ食ってるイヌか君は)
グレープのパナップを手にして、
「これこないだテレビでみたよ~」
「なにが?」
「何の番組だったか、都市伝説とかのコーナーで」
「都市伝説?」
「何個かに一個まぼろしのパナップつうのがあって、
それが、このジャムがニコニコマークのカタチになって……」
といいながら、ぺろーんとフタをめくってびっくり。
そのニコニコマークが、こっちを見ていた。
ちょっと唖然とした。
うれしいような、不思議なようなヘンな気分。
写真はちょっと削っちゃった(食べちゃった)あとだが、
この、とぼけた誰かに似ているマヌケヅラは
たしかにニコニコマークである。
しかしこういうの都市伝説っていうのかなあ。
拡販ねらいの、メーカの単なる作為っていうんじゃなかろうか。
夢のないおじさんは、
こういうヒネたことしかいえないのである。