35歳まで漫才をやっていた。
中学の同級生と13年くらい。
中学1年生から一緒で、山梨の田舎から東京に出てきて、
苦楽を共にしてきた相方にはもうしばらく会っていない。
今は、作家として日々自分にできることをやりながら、パパとしての時間も過ごしている。
漫才をしていた頃なんて、タバコ片手にネタを考え、空腹はタバコとコーヒーでごまかしていた。
そんな思いで、芸歴16年目以上の芸人さんたちの戦いをテレビで見て、気持ちはいつも通りではなかったと思う。
同じくらいの芸歴の方や、大先輩まで、本当にいろんな種類の漫才が見れて、
素晴らしい漫才を見ながら、気持ちが熱くなるというよりは、
「ああ、僕はもう漫才をやっていないんだなぁ」と改めて感じていた。
7年も漫才をやっていないのに。
何をいまさらではあるのだが、
面白い漫才をやっている人たちの熱を感じる一方で寂しさを感じていた。
まあ、そうはいっても、
僕は家族がいるので、生放送のお笑い番組なんて見たってストレスが溜まるだけ。
なぜなら・・・大事なボケもツッコミも息子の声でかき消されるから
なんにも聞こえない。
きっとおもしろいこと言ってるだろうに漫才師たちが口をパクパクしているだけに見える時間があって。
もう、これは、育児あるあるだろう。
なんなら今は、3歳になってだいぶ静かになったほうだ。
だから、リアルタイムは見ない。
本当にTVerとかあってよかったし、録画できて全然大丈夫だけど、
昭和なんて、なにもなかったと思うと、
その当時の見たいものが見れない親のストレスは半端なかったと思う。
ああ、そうか。漫才をやるために東京に来たんだった。
うちの奥さんは歌まねタレントをしているが、
あらためて舞台に立つの人はかっこいいと思った。