志望校のこと | 苺ショートケーキのブログ

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娘が公立中高一貫校を受験し、惜しくも不合格した日から、気づいたこと、考えたことを綴っています。
公立中敗退から3年後、目指す高校に無事合格を果たすことができ、今は娘は目指す大学の合格に向けて歩き出しました。そんな徒然なる思いを気まぐれに綴っております。

前のブログに、高校受験はなんでも自分で決めて、自分でやる気にならなければだめだと痛感した、と書きましたが、その続きです。

志望校について。
これも、結局は本人がビビッと来た学校、自分が心の底から行きたい!と思う学校を 見つけられなければだめだ、ということが言えると思いますが、ほかの要素に比べて ちょっとだけ違うかな…?と思う部分があります。

よく、「子ども本人が決めた学校ならば、どんな学校であってもそれを応援する」、それが 親のあるべき姿だろう、みたいな話が出て来たりしますが、本当にそうかな?と私は思います。
じゃあ、極端な話、自分の子どもが偏差値60そこそこ取っている子だとして、 「仲のよい○○ちゃんが行くっていうから、そこに行きたい」という理由で 偏差値50の学校を勝手に見学してきて、あそこ受ける、とか言い出したら、それを心の底から応援できますか?
また、(我が家の家計的には都立に行ってくれたほうがハッピーだしいろいろ娘にもやらせて あげられる、と思っているのに)学校もきれいだし、部活も充実してるし、制服も可愛いから、 私立のこの高校に行きたい、と子どもが言い出したら、それを本当に応援できますか?
志望校については、親にとっても「こういうところに行ってほしい」というなんとなくイメージのようなものがあり、いくつか譲れない条件のようなものがあるものですよね。そして何より、一応、学費(都立なんてないようなものですが(^^;)を出すことになるのはこちらなのあり、子どもの高校進学というのは、家計を大きく左右する要素でもあるわけです。
だから、そこにお互いの賛同がなければ、快く応援なんてできるはずがないのです。

でも、親が決めたり、こちらがいいと思う学校を強く薦めたりしても、意固地になるばかりなのが中学生(逆に親が薦めた学校をすんなり受け入れるようならそ の子はもしかしたら自分の志望校を決めるほど十分に大人になれていないのかもしれません)。
そこが難しい。
 先輩ママたちもそう言っていました。

うちの場合は、そのへんは、たまたまかもしれませんが、うまくいったのかな、と思います。 (もちろんこれから志望校変わる可能性ゼロではないですし、何よりまだ受かったわけではないですから、うまくいったも何もないのですが(^^;)
できるだけ押し付けがましくなく、さりげに「あなたにはこんな学校が合うかもよ」と候補の学校を見せたり(楽しいと思うよ〜♪行ってみるだけ行ってみよう よ、と文化祭に連れていく)、
情報をちらつかせ(親が説明会などに行ってパンフもらってそれをテーブルに置いておくとか)、反応を見る。
食いついてきた ら、親がなぜその学校をいいと思っているか、をちゃんと伝える。
可能ならば、支配的にならないように(←ここが大切)「ゆずれない条件」を伝えていく。
で も、それには、必ず、子ども本人にとってそのほうがいいと思うからだ、という理由を付け加えること。
こんな方法で我が家は、親の私たちが心から応援できる学校に、娘は志望校を決めるに至りました。

我が家の場合は、ゆずれない線、として、娘に伝えたのは、以下の2点。

1.都立高校に行ってほしい
 (理由:母親の私の都立に行っていて、楽しかった。   学費が私立と雲泥の差。あなたのお小遣いは私立に行けた場合より多い。留学など、   都立なら行かせてあげられるかもしれないけど、私立になったら、ない)

2.グループ作成校(進学指導重点校、トップ校または2番手校まで)以上のところにいってほしい   
 (理由:あなたには勉強が向いている。ならばしっかり自分が学びたい高度なことを学べる    進路へ導いてくれる学校の教育体制がきっとあなたには合ってる。単純に私たちも嬉しい。)

1については、自由な校風、制服どうでもよい(でも標準服ぐらいはあると嬉しい)、絶対共学!の娘には難なくクリア。
 2については、2年の頃、数学などなかなかできるようにならない教科のせいで成績が低迷した頃、生徒会の先輩が進学した3番手校あたりのTとかKとか(G 作成ではなく標準問題校)あたりに興味を持って、「私はこういうところが合うかも」なんて言っていたことがあり、その時に、むむむ…と思ったが、むげに否 定せず、そうなんだー、それも良いよねー、と言いつつ、気持ち的には私たちはこういう気持ちがあるよ…的な雰囲気でやんわりと伝えたことがありました。

これまでの流れとしては、私たち親は、娘が志望校選びに興味を持ち始める前から、先輩ママたちが口酸っぱくして学校の見学には早く言っておきなー、1年か ら行ったっていいんだから、3年になると忙しくて行けなくなるよ!と言われ、そうだな、と思っていたので、1年の秋からとりあえずめぼしい都立の文化祭に 連れていったり、仕入れた情報をちらちら伝えたり (この学校はこういう特徴があるらしいよ、とか、校則や制服がこうなんだよ、とか) することで、私たちがいいなあと思っている学校に興味を持ってくれるよう「誘導」しようとしていたのですが、 2年生になっても、全く「ここがいい!」という風には興味を示さない娘。
具体的に言えば、近くて、自転車でも行けるT高校(夫はここがレベル的にも伝統的にも一番行ってほしいと言っていた)にも、関心はゼロ、こちらも近く、よ く行くあの繁華街にあるS高校にも、なんかなぁ…と響かず (人とかぶるのがあまり好きではない娘は、友人の多くがここを志望しているみたい、という理由で興味が湧かない)、私の母校(あの頃とは違って今は超スゴイ進学実績を誇る名門校に復活してしまった)H高校のことも 「それだけは、ほんとに、ない。」 とバッサリ…(まあ、私もあそこは、娘にも、今の私にも合ってないわとおもうけどさ…)。
2年の秋は、文化祭もどこにも行かず、学校説明会のたぐいも一切行かず、冬が来ました。

夫と私は、こんなんで大丈夫なのかねぇ…?と不安になり、ふと、いろんな意味で盲点だった もうひとつ近いA高校の説明会に、とりあえず聞いておこう、と行ってみたりしました。
すると、私と夫は、心臓をズキューン!と射抜かれたように、「ここだ!ここがR子に合う!あいつ、ここだよ!」 とこの日直観したのですが、これまでの流れからして、それを熱く娘に語ってもきっと良い反応は 帰ってこないんじゃないか、という不安もあったので、「実は今日、Aの説明会行ってきたんだけど、意外と良かったよー。あそこはもしかしたらR子に合うか もなあ、ってなんとなくお母さんたちは思ったんだけど」と控えめに報告。
すると意外にもこのときは、 「ふーん♪Aかあ…いいかもなあ。」 と少し興味を持った様子でした。

「いろんな意味で盲点だった」という、「いろんな意味」のひとつに、娘は高校生活をエンジョイしたいという気持ちがあり、特に、昔から(中学受検の頃から)高校の文化祭というものに憧れを持っていたのですが、「文化祭で、焼きそばとかたこ焼きとか、そういう模擬店みたいなのがないところはやだ」とずっと言ってい たのです。
(それがあってH中を志望したようなもんだったので(^^;)
何より、あのA高校の文化祭は(わかる人にはわかっちゃいますね(^^;)、全クラス、全て劇、模擬店の類い全くなし、という特徴を持つことで有名。
だか ら、私たちは、前から、A高校、いいけど(私には昔から憧れがあった♪)娘には合わないのかな、と思い込んでいて、候補からはずしていたのです。
そのA高校が、めでたく今は娘の志望校になっています。
(でもよりにもよって人気上昇中らしくて、都立の中でも倍率が高い方なんですけどね(-_-;)  ああ、また倍率…(´_`。)

文化祭で模擬店がない!問題ですが、これがラッキーなことに、3年生になって志望校を決める段になったら、「あ、そこ、どうでもよくなったわ」と言い出し たのです。
というのは、娘は 中学に入った秋から、その「模擬店やりたい」熱が助けて、地域のお祭りで焼きそば店を手伝ったり、地域の交流施設のようなところで中学生の模擬店ブース (ベビーカステラや綿飴など)の手伝いをするボランティアチームに入っていて、そこで「模擬店やりたい」熱をだいぶ消化できたようなのです(笑)。
2年の秋なんて、そのボランティアの活動のために、定期考査前なのに一日中ベビーカステラ焼いてきて、大丈夫なのかこの子は(汗)と不安になっていたものでし たが、とにかく楽しそうで、テストの成績はいまいちなのに(そりゃそうです勉強時間が足りない)、ベビーカステラの焼きは、「あたし、エースだから。抜け られないの」となんだか、頑張っていました。
そのボランティアチームには、大学生なんかもいて、娘は高校に入ってからもそこに在籍して手伝いに行きたい!と言っており、「それがあるから、文化祭で はやらなくていい」と。

中学時代に、本人がやりたいと言っていることを、できるだけ(勉強のために我慢させたり←これが一番ダメ!)やらせてあげる、それは部活でも、友だちと遊 ぶことでも、習い事でも、同じで、とても大切なことなんだな、と思います。
うちの娘にも、中学の受検で失敗した時にお世話になっていた塾の先生からもらっ たアドバイス

「R子が、部活を、授業を、学校生活を、中学生としての毎日を、心から楽しめる、そうなることが 本当の意味のリベンジだ」

もあったので、やりたいことは存分にやらせたように思います。
何より、それがあるから、 「中学生活が楽しかったから、高校も自分が楽しい学校生活を送れる学校でなきゃやだ!」 という気持ちにつながるのだろうと思うのです。

 本当のところ、娘は、私たちがA高校をちらつかせたちょうど同じ頃、 とても懇意にしてもらっていて娘も大好きだった国語の先生から 「あなたには、N高校なんかが合うと思う!」 と言われ、トップ校のN高にも興味を持っていました。
国語や、文章を書くことがわりと得意な娘の、その国語的な才能を十分に伸ばしてくれる学校だから、という理由でしたが、それにかなり影響を受けていた娘 は、中3になったとき、N高は見てみたい、と言っていました。
それで、なかなか春には学校公開や説明会の類いはないもので、困っていたら、N高は単独でも、 いつでも学校見学を受け付けてくれる、とのこと。
さっそく娘とふたりで、運動会の振り替え休日の日(そうでないと平日ではないので、普段の学校の様子が見 られない)に、学校見学に行ってみました。
あちらの先生はとっても親切で、私たち親子のために、1時間以上も学校の説明をしてくださり、その説明にはN高 愛があふれていて、すごくいい学校だな、娘に確かに合うかも!とは思いました。
娘も、すごくいいと思った、という感想。
でも、やはり遠いことと、「ここに 来たい!」と ビビッとくるようなものまでは感じなかったようでした。

 このN高見学により、N高というよりはA高かな、となった娘に、本格的にスイッチが入ったのは 9月の文化祭見学でした。A高のあの有名な、「模擬店もお化け屋敷もない、全クラス演劇の文化祭」を見に行ってみたのですが、ここで娘は心臓を射抜かれた ようです。
「全クラス演劇、って引くかもしれないけどすごいレベル」と噂には聞いていて期待していたが、 「そうは言っても高校生の文化祭、、、そこまですごいことはないんじゃないの?」と疑う気持ちが あったのが、吹っ飛んだ!と言っていました。
もともと、小学校の学芸会でも、演技をすることに人一倍熱意を燃やして(親が言うのもなんだがなかなか上手い)いたし、歌も大好きな(これまたなかなか上手い)娘。そういうことに興味を持つ種はあったのです。
私は、これがやりたい!来年、ここにいたい!と思ったようでした。

でもまあ、A高の文化祭には誰もが感動し、憧れ、それであの倍率なわけです。
娘のように心臓ズキューン⇒志望校に決定!という子はたっくさんいるわけです。
だからこれからが問題です、R子さん。
高倍率を今度こそ突破できるほどの力をつけて挑めるか! がんばれ〜!!