SHIROBAKO 」「サクラクエスト」などいろんなお仕事をテーマにしたアニメーションを手掛けるP.A.WORKSのお仕事シリーズ第5弾はジャパニーズウイスキーの蒸留所を舞台にした『駒田蒸留所へようこそ』

父親から受け継いだ経営難の崖っぷち蒸留所の若き女社長・駒田琉生が震災で失われた家族の絆とも言える幻のウイスキー“独楽”を復活させて再起を目指すお話で、並行して全くウイスキーのことも知らない上に興味もやる気の無かった新人ライターの高橋光太郎が、彼女とともにあちこちの蒸留所を取材してまわり、駒田蒸留所でウイスキー造りを体験するなかで、モノづくりの素晴らしさと造り手の熱意に当てられて成長していく様も描いたお仕事シリーズらしい素敵な作品でした。

★★★★☆90点

物語的にはそこまで派手な展開ではないものの、91分のドラマの中で、失われたウイスキーの復活への軌跡と新人ライターの成長とそうした成長とともにどんな仕事も受け継がれていくこと、駒田蒸留所が“独楽”の代わりに作り出した焼酎“イト”に隠された秘密、お酒の飲めない母親が唯一飲める“独楽”と、“独楽”を飲む母親を見て呟く父の台詞の意味など、あれも伏線だったかときれいに回収される無駄の無いストーリーはほんと秀逸です。

独楽を諦めた父に失望して去った琉生の兄・圭が、自身は“独楽”の復活を強く願っていながら、その再現に関わる仕事に就けていなくても、やりたいことがわかっていればどこからでも行けるみたいな台詞がありましたが、誰もが自分が好きなこと、やりたいことを仕事に出きるわけでも無い中で、本気でやりたいと思って一生懸命頑張って目指していれば、いつかたどり着けるはずだし、たとえ向いているかわからない望まない仕事でも、その仕事にちゃんと身を投じて取り組めばそれが見えてくるはずなど、この映画は本当に色々と気付かせてくれます

 

長い年月をかけて作るウイスキー造りの大変さもさることながら、単に樽で熟成して完成ではなく、何種類もの樽の原酒を同じ味わいになるように調合するブレンディングという工程があることとか、同じ味わいを再現することの困難さを知ると、普段何の気なしに飲んでいるハイボールもなんだか大事に味あわなきゃってなりますね(笑)

来場特典のカードは駒田琉生(CV早見沙織)が歌う主題歌「Dear my future」のフルバージョンが聞けるダウンロードコード付き

特典第2弾の冊子も入手しました

↑これかなり内容が良かったです!