※この記事には補足があります。
補足記事↓
こちらも併せて読んでいただくといいかもしれません。
以下、本編です。
ギターで飯を食っていくというのは多くのギタリストが一度くらいは考えるテーマだと思います。
「食っていく」って言っても色々ですけどね。
私は高校生の頃は漠然と「なんでも弾ければ仕事になるんじゃないか」と思ってましたけど、その「なんでも」の中には嫌いな音楽もたくさん含まれていることに気づいてすぐに軌道修正しました。
これ、全然悪意ないですし、出来ている人は尊敬してますけど、私はハコバンもやりたくないし、誰かのバックバンドで弾くのも嫌だし、ギターの先生って柄じゃないし、流しとか、イオンのステージとか、どこかのパーティ会場で営業ライブとか、そういうのは出来ない。
そこに注ぐエネルギーがどこからも出てこないです。
しつこいですけど、やってる人はすごい。尊敬してますよ。
私にできないことをやっているから。柔軟だし、ほんとのギター職人ってかんじがする。
結局、オリジナルをやりたいんですね、私は。
それをどう売っていくのか、というのを何十年もやってきました。
若い頃はレコード会社がやってくれてましたけど、それだと手取りがあんまり増えなかったので、30歳頃から自分でやるようになった。
でもそれだけでは食っていくほどの稼ぎにはなかなかならなかったので、他にも仕事をしました。
勤め人だと時間の融通がききにくいので、自営業です。
ざっくりいうと広告関係。
いまは音楽の収入も以前より増えました。
でも他の仕事もやりがいがありますし、重要な収入源であることには変わりありません。
この収入源のおかげで創作に集中出来ている面もあります。
お金のために好きでない音楽をやる、という必要がない。
で、こっち側のほうから音楽の仕事につながったりしますし、良いサイクルができていると思います。
あと、毎日ギターだけ弾いていると煮詰まってくるしアイデアも枯渇しそうなので、二つの世界を行き来しているのは創作にも良い影響があると思ってます。
一般社会常識も忘れずに済むし。
違うジャンルの仕事を持つ以外に、例えばスタジオを経営するとか、レコーディングエンジニアになるとか、CD屋さんになるとか、楽器のリペアマンになるとか色々あったとは思うんですけど、やっぱり音楽はオリジナルしかやりたくないってのがあって、むしろ音楽に近い仕事は選択肢から外しました。
「似て非なるもの」よりはある程度距離があったほうが切り替えが出来ていいと思ったのですが、結局それで良かった。
そういえばここ5年ほどは合気道も仕事になりましたけど、これも音楽活動に非常に良い影響を与えていると思います。
ここまで書いてきましたけど、まあ、自分の作っている音楽が非常に売れて儲かるならそれが一番ですけどね。(売れるにも限度がありますけど。長いツアーとか嫌だし。笑)
そうなってない場合の音楽の続け方の話ですね、今回は。
でも、今回書いたことって、普段仕事をしながらバンドやってる人にも参考になるんじゃないかと思います。
インディーズバンドでオリジナル曲をやってる、ってのと「あくまで仕事と割り切ってどんな曲でも弾く」っていうプロとではジャンルが全然違うのでどっちが上ってことはないんじゃないでしょうか。
そりゃあ、視点が違えば、例えば演奏することへの責任とか実績ってのにはプロとアマの差ってのはありますけど、作家と演奏家ってなると、これは比べようがない。
このへんごっちゃになってますよね、音楽の世界は。
オリジナルやりたい人もいればギターさえ弾ければなんでもいい、って人もいるし。
儲からなくてもライフワークで一生続けるって人もいれば、売れなかったらやめる、って人もいる。
そういうスタンスの違いを各自が自覚して他者を尊重できればプロもアマも創作者も演奏家ももっと幸せになれると思うんですが、難しいですかね。
こういうことを書いたのは理由がありまして。
私、演奏専門の人によく馬鹿にされるんですよ。笑
理論たいして知らないし、弾けるジャンルも限られてるし。
そういう時に「似て非なるものが交わることの不幸」を感じます。
ギター持ってても、やってることには実は大きな隔たりがあるんだなあと思います。
みんながそれを理解したらいいのになあ。
でも。私は私のやり方が気に入ってます。本当に幸せな音楽人生です。
感謝!
ではまた。