第7章 韓国ドラマ映画 
152. 韓国ドラマ 紳士とお嬢さん❸
 
 
元々時代劇以外にドラマはさほど好きでは無い中、ブログ記事執筆の為に半ば義務化して居る韓国ドラマ視聴ですが、その中で数少ない楽しみなドラマ、否今や最大の楽しみになって居るのがKBSドラマ『紳士とお嬢さん』です。
韓国の放送スケジュールに合わせて土曜・日曜日の夜に放送するので週末が楽しみでなりません。

 

 

日本で言う所の「ホームドラマ」で、こんな良いドラマ、1人でも多くの人々に観てもらいたい、観ないと勿体ないと心の底から思いますが、現在日本ではKBSワールドに加入しないと観られません。
このドラマを観る為だけでもKBSワールドに加入する価値は充分有ると言いたいです。
 
余談ですが以前述べた私の懸念通り、時代劇も含め韓国ドラマは一時大いに流行った言葉「デジタルデバイト」では有りませんが「囲い込み」が激しくなり、万人が一斉にブームを楽しめる状況では無くなって居ます。

 

 

一世を風靡した『愛の不時着』にしても未だにNetflix未加入の人は観る事が出来ません。
今や有力コンテンツはOTT(配信)サービスやケーブルTVの群雄割拠(割り当て)の時代で、人気ドラマはほぼ「KNTV」「衛星劇場」「Wowow」「KBSワールド」「Netflix 」「Amazon プライム」「U-NEXT」と言った様に散漫され、1つのサービスが独占する事が不可能となって居ます。

 

 

日本で長らくテレビの多チャンネルを無料で楽しめた時代は遠い彼方に過ぎ去りました。
言い換えると全てのTVサービスを契約しないと日本では視聴出来なくなって居るのです。
 
数少ない時代劇にしてもNetflixかケーブルテレビに振り分けられます。
ケーブルテレビに振り分けられたコンテンツはまず「KNTV」か「衛星劇場」で独占放送します。
その後WOWOWで放送したのちDVDやUーNEXTなどの有料OTT(配信サービス)で公開します。
そして忘れた頃にBS民放放送で放映します。
一部NHK BSプレミアムに流れるパターンも有ります。

 

 

この様なパターンでは一般視聴は韓国公開より2〜3年遅くなり、ブームも冷め視聴気分も醒めます(笑)。
 
韓国で話題を呼んだジェンダーフリー時代劇ドラマ『哲仁王后チョリンワンフ』にしても無料放送で1話を観たまま、WOWWOWオンデマンドに篭(こも)りっきりなので観られず仕舞いです。
そんなに観たけりゃ加入すれば?とお思いでしょうが、1か月3〜4千円するサービス、今でも2〜3個加入して居る所、何個か追加すると1万何千円の追加費用が掛かります。
せいぜい1タイトルの為に例え何ヶ月間だけでも高価なサービスに加入する事は多いに躊躇(ためら)われます。
それを思うとNetflixは1千円強と、まだ価格が良心的です。

 

 

と言う訳で、以前の『チャングムの誓い』や『トンイ』の様な「国民的韓国ドラマ」は少ない気がします。
この『紳士とお嬢さん』にしても韓国でこれ程盛り上がっているのに日本で余り話題になって居ないのが残念です。
 
勿論、日本でも『愛の不時着』の様なトレンディーな恋愛ドラマや『梨泰院イテウォンクラス』の様なドロドロの復讐ドラマ、『イカゲーム』の様な超過激ドラマはブームになりました(全部Netflixと言うところに留意です)。
しかし、それにもまして『夫婦の世界』『SKYキャッスル』『ペントハウス』などドロドロでは有れ、現在の韓国の社会を映して居る話題を呼んだ名作が多く存在します。

 

 

一部の韓ドラマニアしか楽しめない現在のシステムはとても残念です。
 
今、韓国で1番の評判のドラマはまさしくこの『紳士とお嬢さん』です。
以前のレビュー記事でも述べましたが、現在韓国でも大人気を博して居て、一大ムーブメントを起こして居ます。
余りの好評に先日2話延長が決定しました。

 

 

今日もニュースで『紳士とお嬢さん』が自己の最高視聴率を更新したと言う記事を発見しました。
3月14日の視聴率調査会社ニールセンコリアによると、3月13日に放送されたKBS週末ドラマ『紳士とお嬢さん』48話が視聴率38.2%(全国基準)を記録しました。
これは前回の46話が記録した37.2%より上昇した数値で、自己最高視聴率に当たります。
40%超えも有るか?との観測も出て居ます。

 

 

日本同様、否ある意味総勢120個も有ると言われるOTTサービスなどで競争が激しく日本以上に視聴率が上がり難い韓国ドラマで30%以上の視聴率を上げるのは誠に至難の業です。
ましてや韓国ではドラマの数も多く、裏番組ドラマとのガチンコ対決も激しいので、目が肥えたドラマ視聴者を繋ぎ止める人気のコンテンツは早々見当たりません。
 
そんな中で30%台後半の視聴率を稼いで居ると言う事はある種「国民的ドラマ」の存在に近いと言えるでしょう。

 

 

このドラマは自分の選んだ道を突き進んで幸せを探そうともがく貧乏な「お嬢さん」ことパク・タンダン(イ・セヒ)が、とある若い男ヤモメの財閥「紳士」で大手グループの若き会長イ・ヨングク(チ・ヒョヌ)の家に家庭教師として住み込みで働く事になった事から巻き起こる数々の泣き笑いを描いたドタバタ ラブコメ・ホームドラマです。

 

 

ヒロイン タンダンをはじめ彼女の家族たちや会長イ・ヨングクとその家族が織りなす悲喜交々(ひきこもごも)の心温まるドラマは往年の名作ミュージカル映画『サウンドオブミュージック』の韓国バージョンと言え、視聴者の笑いと涙を同時に誘うそのドラマ性には思わず脱帽です。

 

 

妻と死別した紳士 イ・ヨングクと母を恋しがる子ども達の前に現れた、厳しい生活に負けずに明るく生きるお嬢さん タンダンの自然体の愛らしい姿に視聴者は心底心を洗われますし、互いに衝突し合いながらも愛を育んでいく心温まるストーリーは視聴者をホノボノさせずには居られません。

 

 

特に毎回クライマックス場面で流れる、韓国の最人気トロット(韓国伝統歌謡:日本の演歌に同じ)歌手イム・ヨンウンの歌うドラマOST(主題歌))『사랑은 늘 도망가愛はいつも逃げる』が何とも胸を打ち、観て居る者の涙を誘います。

 

 

私も類に漏れず大のお気に入りで寂しい時には番組公式YouTubeチャンネルで何度も繰り返し再生してドラマの世界に浸って居ます。
 
ファンの中にはこのOSTを延々と1時間〜2時間ぶっ通しに編集してUPする者も居て、浸りたければエンドレスで番組の世界に浸れます(笑)。

 

 

17話で、山で遭難事故に遭ったヨングクは韓国ドラマお決まりの「記憶喪失」に陥り、韓国視聴者の憤懣を買いました。
 
41歳の自分自身の記憶が消え、22歳時分の記憶しか無くなってしまったヨングクは、後妻の座に座るべく彼を虎視眈々(こしたんたん)狙うチョ室長の陰謀に陥り、タンダンに惹かれながらも彼女に抗う事が出来ず婚約パーティーを開きます。

 

 

しかし、26話の婚約パーティーの席でロウソクの炎を見て記憶が蘇ったヨングクは急ぎタンダンを探します。
婚約までしてしまったヨングクとチョ室長の仲を裂く真似は出来ないと心固く決めたタンダンは、自分との仲は過ぎた事だと言い聞かせ、家を去る決意を固めます。

 

 

一方、父親ヨングクと家庭教師の先生タンダンが実は恋仲だった事を知った息子のセチャンとセジョンはこの際に自分たちが愛のキューピッドになり2人を結び付けようと作戦を練ります。
この子役たちの健気で真に迫る演技がまた、いつもながら視聴者の涙を誘います。

 

 

ヨングクの記憶喪失は戻ったモノの、記憶を失った3か月間の記憶がまた消え、チョ室長の陰謀がこれから始まります。
 
以上が現在27話までのあらすじです。
 
韓国現代ドラマを観て居ると韓国社会の一端が垣間見えます。
今回はコレを箇条書きで述べたいと思います。

 

 

❶ 財閥が身近に登場する
〜ドラマの設定上かも知れませんが、日本では決して身近かでは有りません。
 
❷家庭教師も住み込みで働く事が普通で有る
〜日本では殆ど有りません。格差社会を物語ります。

 

 

❸老若男女とも就職困難 運転手でさえ良い就職だと喜ぶ ドラマ上簡単にクビになる
〜映画パラサイトでも描かれます。
 
❹投資詐欺事件が多発する
〜ドラマ映画でも頻発です。このドラマでも自宅の敷金を投資、失敗して家を追われ、一家離散となりました。

 

 

❺自営業開業が多い
〜主人公一家も焼き鳥移動店舗、チキン屋開業と脱サラに手を染めます。
 
他にも色々な韓国社会の一端が垣間見られますが、ホームドラマと有って登場人物がみな都合良く繋がって居るのがこのドラマの特徴とも言えそうです。
余りに出来過ぎで失笑する事も有り、中々その関係性が明らかにならずイライラさせられる事も然(しか)りです。

 

 

イライラ、ソワソワさせるのがドラマの常套手段とも言えそうですが、ヤキモキせず心待ちしながら楽しみたいと思います。
 
一刻も早く多くの日本の視聴者の皆さんがこのドラマを楽しめる日が来ます様に。
 
<参考文献>
KBSワールド 公式サイト
매일경제 '신사와 아가씨' 지현우 기억 찾고 시청률 37.2% 기록 '자체 최고'
 
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#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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