第7章 韓国ドラマ映画 
138.ドラマ王女ピョンガン〜月が浮かぶ川
 
 
 
NHK BSプレミアムで絶賛放送中の『王女ピョンガン』が今回10話目を迎えやっと本論に突入しました(と、私が勝手に判断して居るだけですが:笑)。

 

 

いつもの如く余談から入りますが、韓国ではこのドラマを「タルトゥガン」달뜨강=달이 뜨는 강月が浮かぶ川=タル(イ)トゥ(ヌン)カンと略して呼びます。
 
以前ドラマ「太陽を抱いた月」ドラマレビューで紹介しましたが、韓国では言葉を詰めて略語で呼ぶのがトレンドです。

 

 

ここでしばし言葉遊びを。

 

◆ドラマ雲が隠した月明かり구르미 그린 달빛」クグダル구그달 =(ルミ)  (リン)  タル(ピッ)の略語(クルミとも)
 
◆ドラマ太陽を抱く月해가 품은 달」ヘプムタル=(ガ) プム(ン) タルの略語
 
◆ドラマ星から来たあなたピョルクデ=ピョル(エソ オン)クデの略語
 
◆ドラマ花より男子コンナム=コッ(ポダ)ナム(ジャ)の略語
 
◆ドラマ愛の不時着사랑의 불시착」サブルチャク=(ランエ) プル(シ)チャクの略語です。

 

 

ちょっと退屈でしたか?
韓国の人にドラマの名前を略語で話せば感心されるかも知れません(笑)。
 
今回ナムWikiを覗くと男性主人公のナ・イヌが中高生時代にインソ ナムジュサンだった事が話題になったと書かれて居ました。
意味が分からず検索すると、「インターネット小説に登場する男性主人公の相」と言う意味だそうです。
イン(ターネット)(ソル小説)ナムチュ(インゴンエ男主人公の)サン(相)と言う意味です。

 

 

私の様に現地で生活しない人間に取って略語はまさしく『暗号』に久しく、厄介極まりませんが知って使うと現地人になった様な優越感・トレンド感が有ります(笑)。
 
とまあ、しょうも無い話題で紙面を長く汚しましたがご容赦お願いして本論に入りますが、ドラマは10話目にして佳境に入り、面白くなりそうな予感を感じさせました。

 

 

第10話のあらすじを。
 
高句麗(コグリョ)で、国を守るために戦う王女と純朴な青年の真実の愛の物語。
 
ピョンガンは、タルは自分の夫だと国王に告げる。ピョンガンに強い思いを寄せるコンは…。

 

 

王女ピョンガン/カジンの婿選びの場に入り込んだタル。
コ・ウォンピョを殺そうと機会をうかがうが、コンが現れ素性を偽っていることを暴かれる。
駆けつけたピョンガンは、父である国王にタルは自分の夫だと告げる。

 

 

タルも自分は夫だと訴え、さらに亡きオン・ヒョプ将軍の息子であることを明かす。
それを聞いた国王は激怒し、ピョンガンを王宮から追放する。
ピョンガンをタルに奪われたくないコンは、王宮を出た2人を追うが…。
 
(引用 NHK公式サイト)

 

 

やっと『パーボオンダル温達』の説話にシンクロして来ました。
 
オンダル温達の説話はコチラ

 

ドラマでは王女ピョンガンが幼い頃、母親の王妃と共に陰謀に陥れられ、王妃は暗殺、本人は記憶を失い殺し屋集団の「サルス殺手」(ヒットマン)として育ち、知らずに父王で有るピョンウォン平原王を暗殺しに王宮に侵入すると言う、まるで「冬のソナタ」の高句麗時代版の様なベタな設定が鼻白み、今まで1.5倍速にして「ナナメ見」に徹して来ました。

 

 

BS初放送にも関わらず全く興味の無いうちの妻は「こんな詰まらなそうなドラマ観るのやめれば?」と何度も私に悪魔の囁きを投げ掛けて来ましたが、
ブログ記事執筆と言う歴史的使命(?笑)を帯びた私としては貴重な記事ネタを逃す訳にも行かず、かと言ってチマチマと続く茶番の様な(失礼)ドラマ内容に呆れつつ、1.5倍の「ながら見」で記録者・傍観者に徹して居たと言う訳です。

 

 

韓国ドラマの宿痾(しゅくあ)とも言える「出生の秘密」「記憶喪失」は私が以前韓国ドラマの問題点を纏めた記事に書いた如く、韓国でも大いに批判を浴びて居ますが、ドラマチックな展開・インパクトを狙う制作者としては「打出の小槌(こづち)」なのか未だ有効で、中々消滅しません(笑)。
 
記事はコチラ

 

ドラマの話数稼ぎとも思える必殺の苔(コケ)の生えた設定ですが、このドラマ『王女ピョンガン』の場合にはオンダル温達との出会いを市井(しせい)の街中に設定し、2人が運命的な出会いをした事を伏線として張る為の不可欠な装置だったのかも?と好意的に観る事も出来ます。

 

 

確かに一度も会った事も無く、ただ乞食の様な貧乏人として有名で「大きくなったらお嫁に行け」と親に『歌に歌われて居た』からと言って王宮を飛び出し乞食の様な貧乏人に嫁いで行くと言う行動は御伽(おとぎ)話しなら合点が行きますが、21世紀のドラマとしては些か(いささか)無理が伴います。

 

 

却ってドラマの流れの方が自然かも?なんて私も韓国ドラマの病理(클리세クルリッセ)に犯されてますか?(笑)
 
男主人公役のナ・イヌですが、チスの暴力事件の過去の告発による途中降板による急な代役としてバトンタッチしましたが、7話からの登場にもファンダムの心を掴み、演技達者だと評判を得たそうです。
冒頭の「インソナムジュサン인소남주상 」と呼ばれる彼の容貌も話題を呼びました。
確かにチスよりイケメンです。

 

 

韓国では最高視聴率10.0%、最終視聴率8.6%と、特筆する程の高視聴率では有りませんでしたが、同時間帯ドラマでは最後まで1位を守り切り、好評の内に大円団を迎えました。
 
この結果には他局の歴史歪曲騒動による「朝鮮駆魔史」の早期終了と言う、言わば「敵失」とも言えるスキャンダルの思わぬ「漁夫の利」を拾ったおかげとも言えます。

 

 

年末のKBS演技大賞でも「王女ピョンガン」最優秀主演女優賞(キム・ソヒョン)、男性新人賞(ナ・イヌ)、ベストカップル賞(キム・ソヒョン×ナ・イヌ)と賞をかっさらいました。

 

 

今回の10話で政略結婚から逃れる為、大臣暗殺の為に宮殿に忍び込み身元がバレ窮地に追い込まれたオンダル温達を助ける為、ピョンガンは咄嗟(とっさ)にオンダルを『제 랑군이예요(私のラングンです=私の夫です)』と口からデタラメを放ちます。

 

 

それを受けたオンダルも驚きながらも『私は夫です』と口裏合わせを。
「ウソから出た誠」の言葉通り、それまで恋愛心は抱いては居た物の友人としてしかアプローチが不可能だった2人がとうとう恋愛関係に突入します。
照れながら軽くキスを2回繰り返す2人が初々しく、視聴者は胸キュンします(笑)。

 

 

 

 

 

これでやっとオンダル温達説話の流れに合流しました。
これからオンダル温達がピョンガン王女の内助の功で王室・国王に認められ、立身出世して行く姿が描かれる筈で、史実ではオンダル温達将軍は590年、新羅との「アダンソン阿旦城の戦い」で惜しくもその生涯を終えるので、ドラマも悲恋のエンディングに向かって突っ走って行くのでしょう。

 

<オンダルとピョンガン王女像>

 

朝鮮古代・中世の有名なロマンスのひとつ『王女ピョンガンとオンダル温達将軍』のお話を、今後身を据えて視聴したいと思います。
 
まだ未視聴の方は今からでも是非ご視聴を。
 
レビュー記事❶はコチラ

 

 

 

<参考文献>
나무위키
 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

 愛のムチならぬ愛のポチお願いします ↓

 にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ PVアクセスランキング にほんブログ村 

ブログ村参加して居ます↑

韓国・朝鮮よもやまばなし - にほんブログ村