ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
134.古朝鮮④箕子朝鮮
檀君神話から古朝鮮の成立過程について
考察して居ますが、
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今回は箕子朝鮮キジャチョソンについて見ます。
箕子朝鮮は檀君朝鮮の後を継いだ古朝鮮で、紀元前195年に(衛)滿によって滅ぼされた王朝です。
箕子朝鮮の「箕子」キジャと呼ばれる人物は、中国歴史上で殷の人物と伝えられて居ます。
<箕子像>
中国秦以前の文献である「竹書紀年」「尚書」
「論語」などには箕子が殷末期の賢人で有るとのみ記されて居ます。
所が、漢以降の文献「尚書大伝」殷伝、「史記」宋微子世家、「漢書」地理志など後の時代になって書かれた史書に於いて、箕子が殷の忠臣として殷の滅亡を前後して朝鮮に亡命して民を教化させ、ここに周の国は箕子を朝鮮の諸侯に封じたと記録して居ます。
すなわち、漢以後の文献でようやく箕子朝鮮の存在が登場するのです。
中国は今も昔も大国主義で、自己に都合の良い歴史を記述しました。
周りの国の始祖は殆ど中国からの亡命者で固められて居ます。
他の国には犯罪者や身分の低い者を割り当てましたが、唯一朝鮮に対しては王族出身者を割り当てました(笑)。
この様な点から見ると、「三国遺事」の檀君神話で箕子が朝鮮に封ぜられたという内容は、少なくとも中国漢以降、すなわち(衛)満朝鮮が滅亡し、その地域に漢の4郡県が設置された後、漢の認識が古朝鮮の地域に伝わり追加された内容だと見るのが妥当でしょう。
現在韓国・朝鮮の学界では、箕子が東漸して朝鮮に来たという事実を一概に否定して居ます。
特に共和国で箕子朝鮮は一刀両断です。(笑)
一方韓国学会では、檀君神話に見える箕子朝鮮の実体について疑問を投げつつ、歴史的存在としてアプローチしようと試みる動きも有ります。
まず、中国の殷の箕子が朝鮮に来て箕子朝鮮を立てたのでは無くても、箕子朝鮮の建国にそれ以前の檀君朝鮮とは別の政治的変化を起こした事実が反映されて居るのでは無いかと言う見解が現れました。
❶1つは箕子朝鮮の台頭を先住民社会の中での勢力交替と見て、春秋・戦国時代に朝鮮半島西北地方を中心に檀君朝鮮を打倒して「韓氏朝鮮」が成立されたと言う見解です。
考古学資料を利用して、箕子朝鮮に対する新しい解釈も試みられました。
朝鮮の青銅器文化は無文土器⋅支石墓⋅石棺墓、琵琶形⋅細形銅剣や銅鏡などが特徴的な遺物です。
これらの青銅器文化は同時期の中国の青銅器文化とは全く異質な文化です。
❷従って文献上の箕子朝鮮が存在した紀元前12世紀〜紀元前2世紀の期間は、まさに青銅器文化から鉄器文化に発展的変換が進む時点に該当し、このような文化の主体はイェメク濊貊族にあったと見て、箕子朝鮮を「濊貊朝鮮」とする見方です。
もちろん、箕子朝鮮の存在を認める見解も有ります。
❸つまり箕子が中国から東に移動したという事実は否定しつつ、箕子を首長として仕える箕子族が平壌地域に移動してきて、箕子朝鮮が登場する事になったと言う見解です。
これに対して箕子が封じられた箕国は中国河南省の適丘県地域であり、ランハ灡河란하下流地域に移動し、秦の統一後再び中⋅下流東部沿岸に移動して、古朝鮮と接していたとして、古朝鮮とは無関係だと言う批判が出て居ます。
ともあれ、殷の箕子と関連付けられている箕子朝鮮はその歴史的な実体が古朝鮮とは無関係であり、史料上の箕子朝鮮は青銅器文化の発展の過程で檀君朝鮮の後を継ぐ中国東北地方と朝鮮半島地域の朝鮮主体的な政治勢力と見るのが妥当だと思われます。
次回は衛満朝鮮について見ます。
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<参考文献>
국사편찬위원회 우리 역사넷
한국민족문화대사전
단군신화 네이버블로그
朝鮮史研究会 朝鮮の歴史
