<太王四神記>
 
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
132. 古朝鮮の謎②檀君神話の意味
 
 
 
 
前回、檀君神話について考察しました。

 

今回はこれについてもう少し詳しく見たいと
思います。
 
檀君の母系は熊で、変身したウンニョ熊女に繋がります。
熊が人間に変身すると言う事はあり得ないので、この熊が何を象徴するのかという問題が、檀君神話を理解する重要なカギとなります。
 
 
熊と一種の競争関係にあるの存在も同様です。
これと関連した既往の議論では、熊と虎を単純な動物では無しに神の存在、すなわち神的な存在として見ました。
具体的には熊と虎の存在に対し、これをトーテム的な見方、地母神として豊かさと多産の神として見る見方、山神と見る見方など様々な見方が有ります。
 
どの見解が妥当か判断は付きません。
いずれにしても桓雄が天を代表する神的な存在で、熊と虎は地を代表する神的存在である事が明らかです。
 
 
ところが檀君神話では、虎と熊の間で最終的に熊(が変身した熊女)が天神の桓雄と結合します。
つまり熊が競争関係で勝利したのです。
これを歴史的に熊と虎に代表される勢力集団の競争関係を想定する事も出来ます。
 
しかし、ここには信仰的な側面も考慮する必要が有ります。
熊を神聖視する概念はシベリア地域で広く確認出来、熊は山神や神の使い、あるいはシャーマンの守護者、人間の祖先、トーテムとして崇拝されて居ます。
 
よって檀君神話に於いても熊の崇拝の概念が神話に投影されて居ると見る事が出来ます。
 
<アスダル年代記>
 
しかし、ここで1つ疑問が湧きます。
熊が神聖な存在で有るのであれば、人間に変身しなくても桓雄と結婚する事が出来るのに、なぜあえて人間になって桓雄と結婚したのでしょうか?
 
ここに、熊の変身の過程に重要な意味が込められている事を知る事が出来ます。
熊と虎が人間になる為には日光を見ずに、ニンニクとよもぎを食べ100日を過ごさなければならないという条件が前提に有ります。
これは即ち、原始社会でよく見る事ができる成熟の祭りのプロセスを示すものと解釈出来ます。
 
熊が人間になる過程は、試練を通じた成熟の過程であり、このプロセスを通じて初めて、檀君の母系として神聖な血統を確保すると言う事なのでしょう。
つまり熊が熊女に変身する過程をも檀君の血統的な正当性を強調する為の神話的装置として解釈する事が出来ると言う事です。
 
 
天を象徴する桓雄と、地を象徴する熊女のような神聖な存在の組み合わせという前提によって、彼らの息子である檀君が生まれながらにして神聖な存在で有ると言う権威付けとなって居るのでは無いでしょうか。
 
檀君の神聖さは、
その誕生だけにとどまりません。
檀君は一般的な人間とは異なり、1500年と言う超人間的な長寿を享受、最後に死を迎えるのでは無くアサダルに入って山神になるとして居ます。
 
この様な神話の最後の内容が、檀君が神聖な存在で有ると言う側面を良く見せてくれて居ます。
 
 
檀君が地上の山神になったと言う件(くだり)は、高句麗の朱蒙神話朱蒙が龍に乗って空に上ったという内容と似ていながらも、一定の違いを見せて居ます。
 
それぞれの神話に於いても類似性と独創性が一体化しており、各々の神話によって主体となった種族の特徴を見て取れると言えるのです。
 
この様に檀君神話は、先史時代から古代世界への橋渡しを見事に体現しており、我が国初の国家
「古朝鮮」の成立過程を雄弁に語ってくれて居ると言えるでしょう。
 
次回は具体的に古朝鮮の成立時期について見たいと思います。
 
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<参考文献>

국사편찬위원회  우리 역사넷

한국 민족문화대사전

단군신화 네이버블로그

 

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