<ドラマ ファンジニ(黄真伊)>
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
4.妓生(キーセン)とは
ハ・ジウォン主演のドラマ ファンジニでも有名なファンジニ(黄真伊)をご存知ですか?
彼女は歴史的にも有名なキーセン(妓生)でした。
有名な詩も残しています。
彼女が妓生だったのは有名ですが、
さて妓生キーセンとは?
<ドラマでの妓生達の華麗な舞い>
ドラマでは妓房(キバン)同士の名妓の舞い対決がクライマックスを飾りました。
史実と虚構を絡め華やかな妓生達の姿が人気を博しました。
余談ですがこのドラマにはその後大ブレイクするチャングンソクが出演して居る事も話題になりました。
史実と虚構を絡め華やかな妓生達の姿が人気を博しました。
余談ですがこのドラマにはその後大ブレイクするチャングンソクが出演して居る事も話題になりました。
日本に於ける比較対象は吉原の花魁(おいらん)や芸者と言えそうですが、江戸時代に限定すれば花魁に分が有りそうです。
吉原の花魁は粋な芸妓でも有る、今で言う1流クラブの酌婦兼高級娼婦と言えそうですが、キーセン妓生は根本的に異なります。
<花魁 ドラマ仁より>
妓生とは高麗で宴会の歌舞に用いた官妓(国家の奴婢)が発祥で、廃止論が何度も起こりながらも朝鮮王朝末期まで存続した妓女制度の女性です。
妓生には位階が有り、一牌(イルペ)、二牌(イーペ)、三牌(サムペ)の3種に分かれていて基本的にはイルペを指しました。
イルペは「妓生宰相」と呼ばれる程歌舞、医術、詩書に通じ「歌舞は演じても身は売らない」と言う気品を持ちました。
ファンジニもその類いです。
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<シンユンボク(申潤福)の風俗画>
女性が虐げられた朝鮮王朝時代、彼女らは文化人、知識人でも有りましたが、ファンジニも有名な詩を何編か残している、その時代の著名な詩人でした。
イーペは隠君子(ウンクンジャ)の事で、妓生から転落した者で、隠れて売春をしたと言います。
<同上>
サンペは娼婦でタバンモリを指し、雑歌を唄って売淫をし、妓生とは厳密に区分されました。
良くキーセンが娼婦で有ったかの如く誤解を受けますが、このサンペの存在のせいかも知れません。
しかし、イーペやサンペは決してキーセンを名乗る事は不可でした。
キーセンは身分的には朝鮮王朝に於ける最下層民でした。
即ち
①両班リャンバン
②中人チュンイン
③平民ピョンミン
④賎民チョンミン
の4つに区分される朝鮮王朝時代の身分制度に於ける④賎民チョンミンに位置しました。
日本と同じく『士農工商』と俗される朝鮮王朝時代の身分の内、チョンミン賎民には大きく8つの職業が有りました。
①妓生キーセン
②奴婢ノビ
③僧侶スンリョ
④白丁ペクチョン:屠殺業・皮なめし職人
⑤巫女ムダン
⑥廣大クァンデ:芸能人
⑦工匠コンジャン:物作りの技術者
⑧葬與サンヨ:葬式の籠担ぎ人
上記の8つの職業人を指します。
この全ての職業人が蔑まれ、謂れなき差別を受けましたが、唯一キーセンのみ両班家の女主人以外着る事の出来ない華麗な衣装を纏い、国家で事有る事に発せられる『奢侈(しゃし)禁止令』とも無縁だったと言えるでしょう。
また、女性が昼間外出する事がタブーないし恥ずべき事とされた朝鮮王朝の儒教ルールからもキーセンは除外され、堂々と日中街中を歩けました。
その様な意味で、彼女らは朝鮮王朝に於ける身分制度・社会規範を社会の胎内から破る力を秘めていた存在とも言えます。
妓生制度は日本の支配により近代的公娼制度の導入迄存続しその役目を終えました。
1970〜1990年代まで日本人によるキーセン旅行で有名な売春ツアーに見るキーセン(妓生)とは
似て非なる物なので留意する必要か有ります。
<ドラマ ファンジニより ハジウォン>
史劇ドラマなどで無くてはならない存在のキーセン妓生。
彼女達は朝鮮王朝時代を代表する文化人だったのですね。
PS:この記事の続きを書きました。
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<参考文献>
ソウル城下に漢江は流れる
한국민족문화대사전
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<ドラマ出演陣 チャングンソクの姿も>