<新羅舞台の人気ドラマ ファラン(花郎)>
 

2 1 古代中世-  

百済と新羅

 

 

 

 

 

歴史にタラレバは禁物ですが、もし高句麗が三国統一していたらどうなっていたでしょう?

 

①今ほど事大主義が酷く無く中国と肩を並べていた

②金や清の様に中国を攻め支配した

③と言う事は今頃中国に同化されて中国の一部になっていた可能性もある

④多民族国家になり多文化発祥の地となって居た

⑤石油などの資源大国になっていた

⑥少なくとも弱小国として日本の支配下にはならなかった

etc…

 

想像するのは楽しい事ですが、中国が一番恐れているのは我が国が統一して過去の領土問題、特に間島問題(省略)が持ち上がる事だと言われています。

 

この問題に触れる余裕は有りませんが、完全統一の暁には中国とベトナム間の様にナショナリズムのぶつかり合いで戦争が起こる可能性も無きにしも有らずな様な

 

<三国時代 地図>
 

前回高句麗について記したので、今回はまず残りの百済と新羅について語ります。

 

百済は元々辰国、馬韓の一小国で紀元前1世紀に今のソウル付近の慰礼城を中心に成立しました。

始祖の温祚(온조オンジョ)が高句麗始祖チュモン3番目の息子だったと記録が有る様に、扶余(부여プヨ)族出身で、王姓も扶余氏(のちに余氏)、最後の首都も扶余でした。

 

3世紀頃には全羅道全域まで占め、中央官職制度を確立、地方統治制度も整備しました。

 

<ドラマ 帝王の娘スベクヒャン>

 

近肖古王(근초고왕クンチョゴワン346375)の時代には高句麗とも互角に戦いピョンヤン城を攻撃、

371年には故國原王(고국원왕コグクウォンワン)を戦死させる戦果を得ています。

 

しかしその後は復讐に燃える高句麗に押され度々都を移さざるを得ない劣勢に立たされます。

 

百済と言えば倭国との関係が良く取り沙汰されます。

これに対して各国研究者の意見が入り乱れていますが、百済の日本語読みがクダラクンナラ(큰나라 大きい国の意)の変化という説が一番支持されている事から、少なからず影響を与える存在であった事は

間違い無いと捉えます。

 

百済を描いたドラマは帝王の娘 スベクヒャン、ケベク(階白)などが有ります。

 

<ドラマ ケベク(階白)>
 

新羅は辰韓のうち斯盧国(사로국サロ)から紀元前1世紀半ば頃成立しました。

 

新羅で逃す事出来ないのは身分制度の「骨品制(골품제コルプム)貴族官吏養成制度の花郎(화랑ファラン)制度」です。

 

↓↓ファランの記事はコチラ↓↓

『464.朝鮮版武士道?(ファラン花郎)』ワンポイントコラム164.花郎ファラン本日からNHK BSプレミアムで新羅時代を描いたヒット史劇ドラマ「ファラン花郎」が始まります。今回はこれにちなみファラン…リンクameblo.jp

 

羅を描いたドラマは多く、花郎(ファラン)善徳(선덕ソンドク)女王、大王の夢、三国記などが有ります。

 

<ドラマ 善徳(ソンドク)女王>

 

高句麗百済に押される事の多かった新羅ですが6世紀には伽耶諸国や鬱陵島周辺の「于山国」を併合、百済と組む事により高句麗と争い、領土を拡張して行きます。

 

↓↓ 于山国についてはコチラ↓↓↓

 

<新羅の領土拡張>

 

強国で有った高句麗が中国との不毛な闘いにより国力が削がれ、耳目が離れている間、漢江流域の故土回復を狙う百済は、力を伸ばして来た新羅と連合し高句麗の南方領土を奪いますが、その領土を火事場泥棒で新羅に横取りされます。

 

腹を立てた百済高句麗と手を結び、孤立した新羅は中国に擦り寄ります。

 

余談ですが、この時期王子金春秋(김춘추)淵蓋蘇文(연개소문)との交渉会談で捕らえられ「ウサギの肝の話(토끼전)を用いて上手く逃げ帰った説話が有名です。

 

そしてこれが事大(大きな国つまり中国に仕える事)の始まりと言われています。

 

<ドラマ 大王の夢>
 

ついにピョンヤン以北の高句麗領土を唐に渡すと言う盟約を結んだ唐と新羅の連合による征服戦争が始まりました。

 

660百済を滅ぼした両国は高句麗の内紛を利用し、668年とうとう高句麗をも滅ぼします。

しかし当初の約束を破り唐が新羅までも我が物にしようとしたため、7年間にもわたる戦争が起こり、

死闘の末新羅と百済の地から唐を追い出すのに成功します。

 

唐との信頼が崩れた後も、以前の盟約を新羅は律儀に守り、高句麗の故地は放棄されました。

これも事大意識の発露でしょうか。

 

その後、故土回復を諦めなかった大祚栄(대조영テジョヨン)ほか旧高句麗遺民により渤海が興る訳で、

新羅渤海をトコトン無視し、渤海史が朝鮮史から長く外される端緒となってしまいました。

 

<ドラマ テジョヨン>

 

高句麗にも中国への事大が無かった訳では無く、外交としては機能していましたが、新興の小国新羅としては「事大」が国是となる訳です。

 

悪くばかり言われる事大ですが、我が国が面目を保ってこられたのは事大を守ったおかげとも言われています。

 

実際、中国(今の国境では無い)と接している民族で事大を守った朝鮮ベトナム以外、ソ連が緩衝地帯として現代になって作り上げたモンゴルを除き他の民族は中国に吸収され国を保っておりません。

 

<世界最古の天詹台チョムソンデ>
 

事大を守ったおかげで唐以降中原よりの侵略をも受けておりません。

朝貢貿易で多少無理難題は出されますがそれ以上の下賜品を受け取っており貿易的には黒字です。

 

言わば東アジアの外交秩序だった訳で、西洋の国際法が一般的になった今の考え方とは差が有って当然です。

それ程中国の求心力が絶大だったと言う裏返しでも有ります。

アジアの東極に在り、その求心力から海と言う天然の要塞により守られていた日本が事大と距離を置けた事は幸せの限りでしたが、陸続きで有った我が国の歴史は常に自主と事大、この2つのせめぎ合いで推移したのが周知の事実です。

 

日本のことわざにも「長い物には巻かれろ」と有ります。

事大も方便としては利用価値は有りそうです。

 

<ドラマ 花郎より主演陣>

 

しかし度が過ぎると問題で、あらゆる面で不幸をもたらします。

自主が最高値だったのが高句麗と高麗事大が最高値に達したのが新羅と朝鮮王朝という事で新羅と共に朝鮮王朝が現代人に人気の無い理由が分かります。

 

新羅から始まった本格的な「事大」今の基準での評価はかなりマイナスですが、何事もバランスを保つ事が重要で有り、一つに執着し過ぎるとどうなるかと言う歴史の痛い教訓を我々に投げ掛けてくれています。

 

歴史篇まとめです。

     お好きな時代をどうぞ↓↓

 

 

<参考文献>

裴秉斗 朝鮮の歴史

朝鮮史研究会  朝鮮史研究入門

平凡社 韓国 朝鮮を知る事典

金富軾 三国史記

一然  三国遺事

 

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<ドラマ三国記>