逃避するための手段 | 「気づき」と「人間力」の教育 一尾塾

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こんばんは。

「気づき」と「人間力」の教育 一尾塾の一尾 茂疋(いちお しげひこ)です。

「勇気はいかに回復されるのか」

第一章は

失われた勇気

人生の課題とはなんなのか?

その課題から逃避するということはどういうことか?

そして、なんのために逃避するのかということが前回。

今回は、逃避するための手段について

ちなみにマークは本書のアドラーの言葉を引用。

支配できる状況に自分を制限する

「三つの現実的で、差し迫った人生の課題から距離を取り、支配できると感じられる状況に自分を制限する」

仕事であれば、今までやったことのないことはやらない。友人関係であれば、知らない人とは会わない。愛の課題であれば、異性に対して消極的になるってことかな。


なじみの状況に留まる

「私はあまり遠くまで行ってはいけない。なじみの状況に留まっていなければならない。人生は危険に満ちているので、それを避けなければならない。」

1と共通するところはあるけれど、視点が自分を制限するだけではなく、自分の居場所も制限するということかな。

行きつけの場所しか行かないし、サークルの仲間内だけで盛り上がっていたり、家での引きこもりはまさにこの例なのかな。家はこれ以上ないなじみの場所でもあるわけだし。


劣等コンプレックス

「劣等コンプレックスは、それに対して人がしかるべき適応していない、あるいは、準備ができていない問題を前にしたときに現れる。そして、それを解決できないという確信を強調する。」

普段の生活のなかでは、劣等コンプレックスは顔を出さないということ。

自分が普段あまりやったことがないときにこそ、劣等コンプレックスはでやすい。

そう考えると、最近私の周りで盛んに行われいる「貿易ゲーム」なるものも、普段そういったことをやったことがない場合は、まさにこの劣等コンプレックスが顔を出すのかもしれない。

そのことによって、普段は気づかない劣等コンプレックスに気づくことができ、次へのステップへと移れるのかもしれない。

気づかないことには変われないし。

「劣等コンプレックスは、常にストレスを創り出すので、常に優越コンプレックスに向かう補償的な動きが出てくるだろう。しかし、それは問題の解決の方向へは向けられない。優越性への動きは、このように、人生の有用ではない面へと向かうだろう。本当の問題は棚上げにされるか、排除される。」

優越コンプレックスの補足がないので、日本風にいえば、「虎の威を借りる狐」ということ。

これ、とにかく資格をとる!、ということに走る人に言えることかも。

本当の課題は自分が何をやりたいのか、どういう生き方をしたいのか、あるいは、どんな力をつけなければいけないのか、ということなのに、とにかく資格をとればなんとかなるだろう、という思考。

そうなってしまうと、本当に変化しなければいけないのは、自分のものの見方であったり、考え方であったりするのに、それを棚上げしてしまう、ということにつながっていく。


いばりちらすか、泣くか

「いばりちらして(状況を)支配するか、あるいは、泣き言をいって支配するかは、受けた教育次第である。自分の目的のためにもっとも有効だと思った方法を選ぶだろう。時には、一つの方法に満足しなければ、別の方法を試みるだろう。どちらの場合も目標は同じである。即ち、状況を改善するために(自分では)何もしないで優越感を得ることである。」

まさに「甘やかされた子ども」ということ。

前回も書いたけれど、発達段階として、言葉を発することができるようになっているのにも関わらず、こういう行為だけで親がいうことを聞いたりしてしまうと、いばる王様泣く王様気分になってしまい、自分の課題から逃げることになる。


水の力

「勇気をくじかれ、泣くことで、もっとも自分が思い通りのことができると思う子どもは、泣き虫になるだろう。」

泣くという行為を「water power」と改めて、その誤用を指摘。

大人でもよくあるような気がする。


シャドーボクシング

「劣等コンプレックスが、彼(女)(神経症者ら)にいう。「協力して成功することは、お前のためにならない」。彼(女)らは、人生の本当の問題から逸れ、自分の力を再確認するためのシャドーボクシングをする。」

この部分は自分自身の理解が浅い。

本来ならしっかりと伝えなければいけないことを、相手には伝えず、飲んで愚痴ってやじることで、自分の心理的立ち位置を確保している、ということか。

次回は、どんなときに「勇気と自信を失うか」

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アドラー心理学入門編@瀬戸市
8月10日(月)→https://www.facebook.com/events/1439871019654376/

勇気はいかに回復されるのか―アドラー・アンソロジー/アルフレッド アドラー