セルフ・エフィカシーについて 1
訳せば、自己効力感ということになりが、その和訳はいっさいでてこない。
日本人の言っているところの、自己効力感とは違うからかもしれないから、とりあえずセルフ・エフィカシーでいってみようと思う。
まずここでのセルフ・エフィカシーの定義
ざっくり・・・その人のもつ自己の能力への確信の程度、信頼感
細かく・・・自分が行為の主体であると確信し、外的事象に対して自分が何らかの働きかけをすることが可能であり、そうした自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念を持ち、また自分が環境からの要請にもきちんと対応しているという確信の程度
また・・・行動の遂行可能性についての主観的認知の程度
セルフ・エフィカシーの二つの要素
・結果期待・・・ある行動がある結果に至るであろう、その人の査定であり、予期。
例)毎日2時間勉強すれば、成績は上がるであろうと自分で思っている。
・効力期待・・・その結果に必要な行動を自らが成功裏に実行できるかどうかについてのその人の査定であり、予期。
例)(成績向上につながる)毎日2時間勉強するという取り組みを、自分は取り組めると思っている。
この二つを掛け合わせて、行動や感情への影響を考える。
・結果期待+ 効力期待+ 積極的に行動。自信に満ちた行動
・結果期待+ 効力期待- 失望、劣等感、など(勉強は毎日2時間勉強すれば向上するだろうと分かっているものの、自分がそれに取り組めるだけの確信はない。その結果、学習せず、結果もよくならず、自信を失う。)
・結果期待- 効力期待+ 生活環境を変える、不平不満を言う、抗議する、など
・結果期待- 効力期待- 無気力、あきらめ、など
セルフ・エフィカシーは高めていくもの。
1・達成体験・・・成功体験ではあるものの、その質も大切。たやすく成功するような体験のみでは、即時的な結果を期待するようになるし、失敗するとすぐに落胆してしまう。困難に打ち勝って成功した経験こそが、セルフ・エフィカシーを育てる。
例)単純で、本人が困難と思っていない課題で満点をとっても、それは成功体験とはいえない。
2・代理体験・・・類似性の高い他者の達成を観察する。しかし達成体験ほど影響は強くない。
例)自分と同じくらいだと思っていた友達がうまくいったことを観察する。 3,4歳児。ずっと泳げなかったが、自分と同じくらいの年頃の子が泳げているのを見て、泳げるようになった
3・社会的説得・・・言語での繰り返しの説得。説得者や権威や信憑性に影響されるが、手軽さはある。ただし言語説得のみだと効果は消失しやすい。 臨床の場面ではセラピストのリフレーミングなどとして応用される。
4・生理的、情緒的喚起・・・肯定的気分を高める、筋弛緩法など
つづく・・・