怒涛の推し活月間
行ってきました碁盤斬り!
姉と2人で朝1番の回を観る。
パンフレットを探したけど見当たらなかったので、スタッフのお姉さんに聞いてレジ後ろにあることがわかって無事購入。
この行動が後に私を救うのだ!
入口でチケットを渡し、2人でワクワクしながら着席。
朝イチのせいか?
私たちの後ろに女性が1人だけ。
まぁ田舎の映画館だしなー。
座りながら姉と
「こりゃーNAKAMAはもっと頑張らないといけないね!」などと言っていたら、後ろの女性がニコッっと😃
仲間意識からこちらもニコッ🤗
予告編が始まりしばらくした頃、スタッフの方が入ってきました。
私の横に来て
「お客様、碁盤斬りをご覧になるのですよね?」 と。
え?何?特典かなんかある?と適当なことを思いつつ
「はい!」←推しの草彅剛の作品を観にきました!という謎の誇らしさ含む声。
「お客様
ここ陰陽師です!」
えーーーーーー!!
そうです、間違えていたのです!
急いで荷物をつかみ姉と2人で移動!
神スタッフさん
「まだ時間ありますから慌てなくても大丈夫です!お忘れ物のないように。」
私
「どうしてわかったんですか?」
神スタッフさん
「確か碁盤斬りのパンフレットをお買いになっていたのに陰陽師にいるなあと気になりまして。」
何て素晴らしい!
パンフレット買って良かった!
買ってなかったら気づかれずに陰陽師見てた!
「まだ予告編?陰陽師っぽい始まり?」とか思いながら(笑)
よりによって陰陽師ってのが言葉の音的にも、時代劇繋がり的にも面白すぎるオチで今思い出してもおかしくてしかたがありません。
いや、笑い事じゃないですけどね(笑)
あれ?後ろのご婦人とのシンパシーはなんやったん!?(笑)
ヤバい、前説が長くて本編まで遠くなった💦
映画は落語の「碁盤斬り」と「文七元結」をベースにオリジナルの復讐劇を加えたものです。
白石和彌監督の初めての時代劇です。
白石監督は独特の描き方を持つ鬼才とも言える監督で、バイオレンスや残酷シーンも多いイメージ。
「孤狼の血」シリーズや「死刑にいたる病」など役者の演技を引き出すことにもたけた人だと感じています。
暴れ馬のような草彅剛をどう演出してくれたのかそこも楽しみのひとつでした。
結論を先に言うと、
まだ物足りない。
こんなもんじゃない。
だけど本当にいつも「そこに居る人」が画面に残り、台詞の先にあるものが見えてくる。
そしていつの間にか草彅剛は消えてしまう。
テクニックとか自己顕示欲とかどうでも良くなっている。
今回もそうでした。
瞳の力、声の力が何物にも変えがたい。
もう瞳だけ見ていたい。
そんな演技でした。
そして國村隼さんと清原果耶ちゃん。
素晴らしかった!
清原果耶ちゃんはこっつらとした着物姿が愛らしく、暗い画面の中で彼女だけ明かりが点ったみたいに光っているよう。
お絹の存在そのものでした。
國村隼さんは実質ヒロイン(笑)
この方も声が魅力的であの迫力のあるお顔と声と自在なセリフ回しが、源兵衛の変化と共に変わっていく様がお見事でした。
立川談慶さん。
大家さんのお役で出番は少ないけれど、話し始めただけで他の役者さんとの違いは明らか。
見事なしゃべりっぷりで惚れ惚れしました。
とても落語監修に来ていて出てみる?と出たとは思えない存在感でした。
阿部海太郎さん。
音楽監督。
実に美しく悲しい旋律が物語を彩っていて泣けました。
白石さんは念願の時代劇を撮るにあたり、歴代の名作名監督名役者たちのオマージュも入れたい、魅力的な登場人物と演者を引き立てたい、今までの自分の作品とは違うものを見せたい、でもどうしても白石らしさを入れなくては俺が作る意味がない……などなどと欲張りすぎたのかなぁなんて思います。
だって話も登場人物も豊かすぎて魅力的すぎて尺が足りない!
それをギリギリ脚本と演出と芝居で凝縮していくのは大変だったのではと感じました。
その手腕はさすがただなと。
お庚役のキョンキョンが言っていましたが
「白石監督は全てのパートの人に同じ態度で真摯に向き合う人」
だからこそ全てのパートの人が力を発揮できるのだなと思いました。
白石組と呼ばれる意味もここにあるのですね。
四季や宵闇の映像の美しさ、複雑に幾重にもなる物語を伝える演出の力、夜の闇、お庚さんの足袋、狐男等々、1秒のシーンまでこだわった渾身の作品になっています。
あと音尾琢真さん。最後の最後に音尾くんの高砂にやられました😃
リベンジエンターテイメントと銘打っていますが、リベンジはきっかけにしかすぎない。
これは柳田格之進の悔恨と再生の物語です。
失くさないでね!