昨日、布団に入って、なぜか急に思い出した昔の絵本があったんだ。
子供の頃に読んだ、その絵本の雰囲気が好きで、空気っていうか、そういうのを思い出してね。
思い出したのが、小さな女の子が出てきて、大きなピンクの画用紙を切ってキリンを作ったら、そのキリンが動きだして、友達になるっているやつだよ。それで、意地悪なサルだか熊だかが出てきて、やっつけて最後はみんな友達になるっていう内容なんだけどさ。
タイトルは、「ももいろのきりん」って言うんだよ。
もう40年以上前に作られた絵本でさ。
この絵が独特で、ちょっとなぜか子供心に怖かったけど、でも印象に残ってた。
多分、子供の頃って、キャラクターや『子供向け』の絵に慣れてたから、多分、こういう本当の絵本の絵が怖かったんだよ。容赦ない感じがしてさ。上手く言えないんだけど。
でも、今見たら、すごく上手だと思う。
物語りも、キリンが雨に濡れて、くたくたになっちゃう場面で女の子が大きな声で泣くんだよ。
なにせ、キリンは画用紙で出来てるんだからさ。雨には弱くてね。
その泣き方が『ウォー ウォー』って書かれてるから、これまた怖くてね。だって女の子がそんな泣き方するなんて、知らなかったからさ。
でも、これも今読んだら、よく気持ちを表してたと思う。
なにせ、現実にこうやって長い時間が経っても、頭に覚えてるんだからね。