3月に無事給水できるようになり、井戸完成の目処もつきましたので、いよいよ埋め戻しの検討を行います。
鞘管9m、7mと二本を打ち込みました。配管用鋼管SPGですと肉厚3.5mm程度と厚くて錆にも長く耐えれそうですが、高強度単管ですと約半分の1.8mmしかなく、錆に対する寿命は半分程度の可能性があります。
将来に備えて、VU100のパイプを5mの井戸穴底にまで下ろして設置して、将来のボーリングに備えておきます。
▼3月15日にVU100×4m、1mを購入、ジョイントします。
▼鞘管2本をセットした井戸穴の状態。深さー5.2mほどありますが、地下水位はこのすぐ下です。
▼井戸底面は大小の礫がゴロゴロです。この下は砂層が続いています。
▼二本の鞘管の間にVU100管を下ろします。
▼VU100を下ろしました。埋めながら位置を決めていきます。できれば木材などであらかじめ位置を固定しておくと良いです。パイプ内に石が落ちない様、ビニールなどで蓋をしておきます。
▼いよいよ埋め戻しを開始します。
▼まずは通水層と通水性を確保したいので、地下水位が高かった-4.3m+αの田中様で数cm~15cmほどの石を埋め戻しします。掘り起こした土砂の山から礫を取り出します。
▼水位が上がらない-4m以上は1~5cm程度の小石を埋め戻します。
▼埋め戻す石はすべて水で洗ってから埋め戻しします。
▼大きな礫を埋め戻します。
▼こんな感じです。すき間が多い方が通水性、保水性が上がります。礫の大きさを揃えます。
▼-4m以上での1~5cm程度の小石を埋め戻した状態。
▼-2.8mまで小砂利を埋めたあとは、ふるいに掛けて残った砂泥を埋め戻します。スコップで土砂を入れるだけですので作業が早いです。パイプの位置などを確認しながら埋め戻します。
▼随分と埋め戻しました。もう一息です。
▼左に見える井戸穴の周りにあった土砂山は随分となくなり、また礫などをふるいにかけたので細かい砂泥が残っています。これを井戸穴に入れます。
▼3月25日、夜18時過ぎ。-50cmまで埋め戻しました。一旦ここで作業を休止し、3本の配管口の処理をします。
雨~晴れで地面が陥没していきますので、数日様子をみます。落ち着くまで数ヶ月かかるでしょう。
▼手前は7mのサブ鞘管で水位測定や、予備の鞘管です。
▼水位測定しやすいように単管キャップをかぶせて、中に雨水やゴミが入らないようにしておきます。
▼3月28日、3本の配管口を処理します。
▼左:サブ鞘管用、中:VU100に取り付けたインクリーザー100-50用VU50キャップ、右:VU50~PE管20用クリーンアダプター
▼PE管を固定するクリーンアダプターはOリングが入っていますが、固定が弱いので、MCユニオン20用のVパッキンを流用すると良いでしょう。図上のパッキンAを下のクリーンアダプターのBのOリング代わりに使用する。サイズはピッタリでしっかりと固定でき具合が良い。
▼メイン鞘管の収納状態。VU50中に単管が見える。PE管を綺麗に清掃しながら、クリーンアダプターに通しアウターパイプのVU50にセットする。アウターパイプのVU50は30~40cmほど。
▼3本のパイプの口を処理した状態。地面上面迄埋め戻す。
左:サブ鞘管にVU50×40cmほどかぶせさらにVUキャップを被せておく。中:予備VU100上に、余っていたインクリーザー100-50とVU50キャップをかぶせておく。右:メイン鞘管の処理。
▼4月1日、最終処理状態。PE管はブラブラしていますが、何かとメンテに便利なのでこのままがいいでしょう。気になるなら長さを詰めてエルボで綺麗に処理したり、VU20配管などで処置してもOK。地面は落ち着くまで徐々に陥没しますので、時々土を入れ地ならしをします。
▼さ、完成です。コンパクトにまとまりました。
2021年10月から2023年4月まで1年6ヶ月で打抜き井戸が完成しました。
当初の計画通りコンパクトに設置でき、使いやすそうで喜んでおります。
この土地は山が連なる山裾の扇状地にあり、古くから井戸水が出る場所です。
扇状地ですので、大小の礫が非常に多く井戸の掘削は困難を極めましたが、知恵を絞りなんとか完成にこぎつけました。
オーガドリルや吹い子ですと大きな礫があるとほぼそこで作業が中止、断念となりそうで、井戸を掘れるのは礫のない場所だけかと思います。大きな礫がある場合は、今回の様にすれば作業継続できる可能性が高いと思います。
次に、掛かった費用などをまとめておきます。