smeller faces and small pathos | -匿名係長補佐/只の一人ぼっち-

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太田光さんよろしく
それ奈良美智!(←それなら良しとも!と読む)というギャグを流行らせようとしたけど、チャットの皆には嫌われてたので誰も使ってくれなかった男の...苦悩と葛藤と少しだけ優しさの日々

テーマ:☆言寺

そんな事も知らないの?

君はおぼろげに呟いた

世界の全てがその話題で持ちきりとばかりに

反面仕方なさそうにニュースの一面を話し始める

そんな事はどうでもいいのに

虚ろなあかね空と苦い心境

僕はずっとふところに抱え込んだまま

君はずっとおしゃべりに夢中

まるで目の前で見て来たかのように

スターのスキャンダルについて熱く語ってる

何を食べたか何を飲んだか何を聴いたか

何が好きだとか何が嫌いだとか何を欲しがってるとか

まるで記者で御飯を食べているかのように

該当者の情報を手に入れている

僕にしてみたら 今耳にしてる全ての事柄の方が現実離れしてるとしか思えない

誰かを始め皆が宝物をどぶに捨て

躍起になって追い続ける様なものでもないし

とてもじゃないが僕達と違い過ぎる日常

憧れや妬みや憐れみや嘲笑を真空パックに詰めて持ち歩く人達

質の良いコルク栓のついた瓶に押し込めて眺めてる人達

紳士的な外国人が僕等の国の事を褒め讃えていた

こちらが少し気恥ずかしくなるぐらいに素敵な国だと言ってくれた

夏空の下に降り注ぐ太陽のような情熱を持った曇り空で覆われた異国の初老

あなたの国の言葉が達者に話せたならば

「その考えは忘れた方がいいかもしれません」

僕はきっとそう忠告するかもしれない

若者の物言いは躊躇なくエスカレートして境界線が消えかけてる

大人達は脱走兵のような思惑を持ち続けて小銭を握りしめ快楽を買う

少年少女はお金を貯める為に上流階級を目指して学ぶ

希望という言葉がおざなりにされて秋風にさらされてる

愛の歌を皆で歌いたいと思ってみても

そんな皆が1つになれるのは

セレブリティにもなれない有名な人達のゴシップ記事

僕の不器用な頷きを待ちながらも君はまだおしゃべりを続けてる

ティーカップのレモンがくすんでいるよ

焼き立てのシフォンも冷めてしまったろうに

ミルクティーのおかわりはもう要らないや

明日も明後日もしあさってもやのあさっても

君もニュースキャスターも心変わりなんてしないんだろうね

それはまるですれ違いの使命感 使命感であり好奇心

好奇心という名の大いなる欲望

欲望の為にそそくさとパンを口に放り

欲望の為に時間とお金を無駄にして

欲望の末路は独房で過ごす

そんな話の何が面白いんだい

君はまだ「そんな事も知らないの?」

少し疎ましそうに けれどやっぱり口が動いてる

それは何処かセンチメンタルなある日の夕方の事さ