長澤まさみ NHKスペシャル「大予測！　2016世界はどうなる？」2016.1.1放送

NHKスペシャル「大予測！　2016世界はどうなる？」
2016年1月1日(金)21時～

■キャスター
大越健介，小野文惠

■ゲスト
長澤まさみ，伊集院光，
実業家・ドワンゴ会長…川上量生，
津田塾大学教授…萱野稔人，
東大政策ビジョン研究センター客員研究員…三浦瑠麗，

大越健介キャスターが激動の世界の最前線を取材し、2016年を大予測！
多発するテロは今後どうなる！？プーチンの秘密とは！？
長澤まさみさんら豪華ゲスト陣と大胆分析！

国際社会は今、かつてない激動の時代を迎えようとしている。パリ同時テロなど
世界に拡散するイスラム過激派組織ISの脅威。
南シナ海への中国進出をめぐる混乱、武力でクリミア併合に踏み切ったロシア…。
世界のパワーバランスが揺らぐ中、日本はどう激動の世界を乗り越えていけばよ
いのか。世界各地の最前線の現場を大越健介キャスターが取材し、世界の未来を
予見する“知の巨人”たちにインタビュー。2016年を大予測する。

まさみちゃんは当然ながら「真田丸」の番宣としてゲスト出演。
場違い感は非めず、政治的な問題を振られても…ニコニコといった具合。
台湾や中国での撮影経験がある事からキャスターはどうでしたか？みたいな質問を
投げて来るわけですが、反日感情は？現地では日本人に対してどんな感情を抱いて
ましたか？みたいな周囲の環境を聞き出したかったんだと思惑が見えていた。
視聴者的にも気になる話題ではあると思いますが、まさみちゃんの答えは、

「(言葉選びながら)日本で仕事してる人達と変わりないというか、パートナーとして
普通に向き合える人達でした。」「優しいですし、家族も大切にしている
民族だと思いましたから、撮影スタッフがひとつの家族となったら、私も、
その一員として迎えてくれるような人達でしたけどねっ」

視聴者含め、聞き手にまわった津田塾や東大の先生達には聞きたかった解答と違い、
拍子抜けしたのかもしれない。でも、相手を敬い重んじるスタンスで取り組んでいる
まさみちゃんにとっては、素直に肌で感じた実体験談なので揺るがない。

ジョン・ウー監督との仕事でも、彼女は終始愚痴めいた言葉を言った事がない。
仕事上、辛い事があったとしても、決してそれを外部へもらすような事はないだろう。

家族として迎えられたと感じたのは、彼のスタンスから感じたものだったに違いない。
ウー監督の下、何本か仕事の経験のある金城武さんも同じような事を言い続けていた。
撮影隊の一員、つまり「家族」として居心地の良い環境を作って撮影に挑んでいた、
そんなウー監督の主義を知っているから出た彼女の素直な感想だったんだと思える。
そこに保守的な言動や、左寄りな発言や感想を引き出そうとしても酷である。
番組的には欲する情報だったんだと思うけれど。

彼女は役者、演じる側の人間であり、そこに特別な思想とかは邪魔な存在でもある。
演じる上で、様々な思想をもつ人物を演じていくわけであり、自己主張を持ち込んだら、
演じるその役にとっても、現実味を欠いた存在となってしまう。嘘臭いというか。
だから何も考えず、空っぽの状態で、様々な役に関わる事が役になりきる上で、
とても重要なのではないかなと、独自解釈ながらそう思えて来る。

余計な情報を吸収してしまうと、その役に対して、向き合い難くなるというか、
素直にキャラクターに共感出来ず、その偽者を演じる事となっていってしまう。
彼女の作り出し演じる役に対して、演技幅を狭めてしまう要素ともなってしまう。

いつでも素直で居られるのは、そんな彼女の演技者としての取り組み方にも
表れている気がする。

以前にも、白いキャンパスのようだと表現した監督が居た。
余計な情報を蓄積させないから、その役にすんなり同化出来る。役になり切れる。
色んな色に染める事が出来る、空っぽにする事が出来るから可能な事なんだと思う。

番組の見どころとしては、ロシアや、地域安定を乱し始めた中国の領土や海洋覇権動向など
の話題やISILの台頭などを取り上げ、今後の世界はどう対処していけばいいのだろう？
的な解説番組ですね。討論などは1時間の番組では出来ないので抑え気味。
分かり易くミニチュアを使って丁寧に解説してた部分は良かったかな。
時事問題、世界情勢に興味持てない人には退屈な番組だとは思います。
興味ある人にとっても、60分で知る情報という部分では物足りないかも。