年間生産100万台に満たないEV専門のテスラの時価総額が、1000万台を超えるトヨタをしのいでいます。

欧州、中国を先頭にしたEV化の流れに個人的には疑問をかんじていますが、この流れが変わるとは思えません。

そんな状況のなか、大御所テスラにとどまらず、VWのidシリーズ、ホンダのeと、最新のEV専用プラットフォームはRR(リアエンジン・リア軸駆動)レイアウトを採用しています。世の中、おしなべてファミリーカーカテゴリの中小型車の大多数はFF(フロントエンジン・フロント軸駆動)を採用しているのとは好対照です。

 

本来、FRは操舵軸と駆動軸が前後に分離でき、前軸の構造がシンプルにできるメリットと前後軸重配分を50:50にし易いというメリットがある反面、長いプロペラシャフトが必要になりスペース効率が弱点です。

FFはこの裏返しで、前軸構造が複雑になり、前軸重が過大になり勝ちですがスペース効率の良さから現在の主流になっています。

一方、RRには操舵軸と駆動軸を分離でき、プロペラシャフトがいらないメリットがあるものの、セダンタイプのレイアウトであるかぎり、フロント部分に小さなとトランクスペースしか持てないのが通例でした。後軸重過大を避ける必要もあります。

 

それがEVの時代に、RRが復権してきたのには、理由があるはずです。

大型商用車開発育ちの私としては、軸重配分には注意がむきますが、今一つRRの必然性が理解できず、あらためてEVのプラットフォームを眺めてみて、やっと腑に落ちるところがありました。

 

やはり、モーターアッセンブリーは、内燃機関エンジンに比べ圧倒的に小さく、軽いです。

テスラのプラットフォームをみると、これを実感できます。リア軸からわずかに上部にはみ出してはいますが、タイヤ上面よりずっと低くレイアウトされています。

結果的に、リアのモータ上面にトランクスペースが設置可能です。

リチウムイオン電池は、車両総重量を増加させてはいますが、前後軸間の床面下に広く薄く搭載できるので、軸重配分に気を使う必要がなく低重心化にも寄与しています。

フロントには、補機類こそレイアウトされていますが、小さなトランクスペースもおまけについているモデルまであります。

 

これら最新のEVプラットフォームから造られるモデルのほとんどはハッチバックで、多数は、SUVやクロスタイプモデルです。

床下バッテリーとリア軸モーターユニット故に、客室、荷室とも若干床面が高くならざるを得ない欠点を上手く糊塗するのに、最近の流行りのハッチバックのSUVやクロスタイプがよくマッチするのが理由でしょう。