新市長の公約に沿って、パリ市内の速度規制値が30km/hに引き下げられます。

シャンゼリゼのような大通りはこの新規制値の対象外とはいえ、インパクトは良くも悪くも大きいとおもいます。

 

狙いは、騒音低減と歩行者保護ということのようですが、最近増えつつある”低速走行手段”との軋轢を低減する効果も大いに期待できそうです。

 

地球温暖化対策にコロナの感染予防が加わり、都市内の個人移動手段として、小型EV、電動アシスト自転車、電動キックボード等の低速移動手段が増えつつあります。この変化は、今まで普通に走れていた自動車からみると邪魔なものです。私自身、自宅周辺で運転していて、縦横無尽に走る自転車には迷惑しています。これらに加えて、電動キックボードが加わったり小型EVが増えたりしたら、さぞかし自動車の立つ瀬がなくなるであろうことは、容易に想像できます。ただ、とはいえ、今回のパリの”試み”には賛成です。

 

混合交通においては、移動体の速度差は大きなリスク要因です。クルマの速度が30km/hになれば、20km/hの自転車との速度差は10km/hに落ちます。衝突時の衝撃も大きく低減するし、自動ブレーキにとっても事故防止はより容易になるでしょう。保護されるのは、端に歩行者ばかりではありません。

 

この規制は、多くのクルマ愛好者に不評であることも確かです。本来もっと速く移動できるハズなのにノロノロ運転を強制されるのは私も含め、迷惑に違いありません。

 

この規制が生き延びられるのか否かは現時点で見えませんが、結局のところ、脱炭素社会実現のためにより合理的と思われる小型EV、電動アシスト自転車、キックボード等の新カテゴリーの乗り物が、世の中に受け入れられ無い限りは、もとの木阿弥になりそうな気がします。

 

私自身は、昨今の猛暑、豪雨の中、完全空調される今のクルマのありがたみを手放せそうにありません。脱炭素社会の理念に沿いつつも完全空調されるエネルギー効率が高い安価な移動手段があればいいのですが。