販売開始早々に初代フィットの注文を入れ、半年待って入手したのは2002年でした。固い乗りごごちとおしりが痛くなるシートには失望したものの、当時、圧倒的にスペース効率がよく、CVTの使い勝手の良さと燃費の良さもあり総じて満足でした。
その後、2006年以降乗り続けているドイツ車にのりかえたものの、フィットというブランドには興味を持ち続けていたので、昨年販売直後の3代目フィットを試乗することになり、このブログにも試乗記を載せました。
爽快な視界と、乗りごごちの良さが際立ち、ホンダ本来の強みである室内空間は初代から引き継いでいて、とても良いクルマだと感じました。
同時期に試乗したヤリスハッチバックのキビキビした走りも良いとはおもいましたが、室内空間が圧倒的に広いフィットにより魅力を感じ、ベストセラーになるのではと思っていました。それが、発売後まもなく2年を迎えてもさっぱり売れないようです。後から発売されたヤリスクロスとの合算とは言え、ヤリスには完敗の販売台数です。
その理由の一つは、最近になってジャーナリズムが取り上げているように、ホンダのラインアップにあります。フィットの大きな美点であるスペースの観点でみると、下には、軽とはいえN-BOXがあり、少し上にはフリードがあります。
この2台は、初代フィットの時代には存在していませんでした。今や、この2台が存在しているために、どうしても“フィットが欲しい“というホンダファン層の購入動機が盛り上がらないのかもしれません。
2番目の理由は、“顔”かもしれません。私自身はそれほど気にならないのですが、2代目フィットオーナーの友人は、“この顔では買えない”とはっきり言いました。どことなく、寝ぼけているように見えるヘッドライト周りの印象が、人気の出ない理由の一つかもしれません。
翻って、トヨタの国内コンパクトカーのラインアップはホンダを圧倒しています。昨年ヤリスハッチバックが世に出て以降、ヤリスクロスが出ました。ヤリスの後席と荷室の狭さは解消された流行のSUVテイストです。最近、10年ぶりにモデルチェンジされたアクアは、直にフィットに競合するスペックとディメンションをもっています。ヤリスハッチバックを試乗した当時、なぜこんなに狭い後席と荷室なのか疑問をかんじたのですが、その後のラインアップの拡充があってこそのヤリスハッチバックだったのだと、今になって理解しました。
運転していると、よくヤリスハッチバックの“わ“ナンバーを見かけます。レンタカー、カーシェアに留まらず、会社所有のクルマのシェアを伸ばしている印象を受けます。”所有するのでなく、使うだけのクルマ”として、ヤリスハッチバック“は見事に嵌っているようです。そう考えてみると、トヨタの商品ラインアップは、見事にクルマの個性が色分けされていて盤石に見えます。
会社の規模も大きく国内市場への力の入れ方が並大抵でないトヨタに、ホンダが対抗する術はあるのでしょうか?ホンダファンの一人として、一寸心配しています。