日本で昨年一番売れたクルマは、軽のNシリーズで、上位に軽が並んでいます。
ところが、世界では反対に、小型車が減っているようです。
世界中で昨年に約1億台のクルマが売れましたが、全長4.2m以下の小型車が3000万台に対し、4.2m超の中大型車が6000万台でした。
最近10年間のトレンドでも、この台数差が拡がっていて、益々中大型車の比率が増えています。
小型車を得意とする、日系メーカーにとっては逆風ともいえるこの傾向に対し、例えばホンダは、最近FMCしたばかりのフィットの米国販売を止めるようです。
SUVや大きなピックアップトラックを偏愛する米国だけでなく、アジアにおいてもこの傾向ははっきりしていて、所得水準の向上に伴い中大型車が人気です。
ユーザー側からみた理由の一つに、相乗り(ライドシェア)の影響が指摘されています。東南アジアや米国でのウーバー、グラブなどのライドシェアサービスの普及で、移動のためだけならこれらのライドシェアで十分で、あえて自分で買うなら中大型の高級車という流れが出てきているようなのです。
メーカー側の都合としては、電動化、自動運転化で開発コストだけでなく販売価格も上昇せざるを得ず、利幅を取りにくい小型車は造りたくない事情も透けて見えます。
あえて、中大型車をプロモーションしているとも言えなくもありません。
ドイツの高級ブランドのEV展開に、はっきりとこの傾向が見てとれます。
移動におけるCO2排出量削減の見地からみれば、中大型車であっても相乗り率が上がればよいのですが、今起こっている中大型車の増勢は違います。
質量の小さい小型車は、たとえEVであっても中大型車に対しより高効率で、発電を含むCO2排出量は少なくて済みます。
今求められる移動手段としてのクルマは、論理的には小型車のハズです。
将来、路上移動手段の多くは、バス、シャトル、タクシー等の広義のライドシェア車で、それらは多分“EV自動運転車”になるでしょう。
そんな時代になってもなお、個人が所有する移動手段としての“自由なクルマ”を社会が許すのか、まったく予想できません。
とはいえ、私の生きている間は、自ら操作して走らせる喜びを感じられる“自動車”が、それが小型でろうが中型であろうが、生き残っているだろうと楽観してはいます。