自動車業界にとって、コロナパンデミックは、可能性こそ認識されていたとはいえ、こんなにも急激に、世界同時的に起こると思っていた会社があるとは思えません。
それほどまでに今回の危機は深刻で、経済的側面だけで見れば、戦争による危機をも大きく上回ることは確実です。
パンデミックへの対処は、コロナの経験を活かして確実に上手くなるはずですが、今回の危機は、コロナ終息以降の世界の在り様を変えることもまた確実でしょう。
自動車を造る側もそれを使う側も、また起こりうる別のウイルスによるパンデミックに備えることになります。
自動車の何が、どう変わるのでしょうか?
すでに多くの識者の見解や、統計をみることができますが、ここでは私の考えをまとめてみようとおもいます。
今年に限れば、世界の自動車販売台数は壊滅的に減少します。
こんな時期に売れるはずもないし、そもそも感染拡大によって、生産もままなりません。
短期的には、資本力と技術力に欠けるメーカーやサプライヤーは、廃業・倒産に追い込まれるかもしれません。
しかし、コロナ終息後は、需要は確実に回復し、増える可能性すらあります。
パーソナルモビリティとしてのマイカー需要が増える可能性が、すでに統計に表れています。
1つは、最新の中国における移動手段の購買意欲調査で、マイカーがトップに躍り出ています。
大都市一局集中による職住分離の都市構造は、テレワークの定着化によって幾分か修正され、より多くの人が郊外や田舎に住むようになる可能性があります。
そこでの生活では、マイカーが主なる移動手段になります。
都市生活者にとっては、すでにマイカーは必要不可欠な移動手段ではなくなっていて、カーシェアが増えてきていましたが、感染への恐れからカーシェア需要が頭打ちになっている現状もあります。
いかに、抗菌仕様を唄ってはみても、見知らぬ他人と同じクルマをシェアする感染への恐怖を完全に払しょくすることはできないのでしょう。
シェアするのではなく、所有への回帰が定着するかもしれません。
日本で、マイカーが増えるとしたら、それは高級車ではなく、実用車でしょう。
国家財政だけなく、家計も大きく痛んでいます。
短なる移動手段としてだけではない、多面的に使える道具としてのマイカーが再評価されそうです。
移動のためだけでなく、家族と過し、パーキングロットでは、仕事をこなせたりできる空間をもつクルマがすでに好まれる傾向が、今以上に加速しそうな気がします。
燃料補給の必要がなく自宅で給電できるEVやPHVが、コロナ以前の予測を超えて増えそうな気もします。
商用車需要も高まりそうです。
感染機会を減らすために、人の移動は減少しそうですが、それに呼応して物がより多く動く必要があります。
特に、個別配送需要がコロナ以前の予測を超えて伸びるはずで、小型トラック需要が増えそうです。
短期的には、落ち込む自動車産業ですが、コロナ終息後は落ち込みを十分にカバーするだけの需要が待っていると思われます。
一方コロナ後の自動車にもとめられる性能に関しては、大きな変化はないと思います。
地球温暖化問題への対応と無事故と効率向上を同時に目指す自動運転車開発が、プライオリティ上位でありつづけるでしょう。