おはようございます。
特別支援教育士で
ibマッピングインストラクターの
にっこりです
いつもお読みいただきありがとうございます
5月も半ば。
異動や転居で環境が変わった方も
新しい環境の様子が
つかみかけて来た頃かもしれません。
私の教室に通ってくる
子どもたちもそうです。
クラスのメンバーも担任の先生も変わり
不安や期待の入り混じる中
周りの状況が見えてきて
少しずつ自分らしさを
出せるようになってくる頃。
そういう時期にぴったりのお話が
中学1年生の国語の教科書に
載せられています。
『シンシュン』という短編の作品です。
シンシュンは
新春ではなく
シンタとシュンタの物語。
簡単にあらすじをご紹介しますね。
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姿かたちも、考え方、感じ方も
そっくりの2人は意気投合し
その仲の良さから
「シンシュン」と呼ばれるようになる。
好みも一緒。
とらえ方も一緒。
けれど、全く一緒はありえない。
やがて
2人は好みの違いがあることに気づき
違っていることを隠していることに疲れ
互いを避けるようになってしまう。
それでも、最後には
そっくりだけど、全然違う人間であることを
自覚し、認め合う。
全然違う人間だからこそ
なぜ、好きなのか?
なぜ嫌いなのか?
たくさん話そうと
本音でぶつかり合った2人は
以前にも増して友情を固めていく。
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この作品は
西加奈子さんが
教科書のために書き下ろされたそうで
書店で購入することができないのが
残念なくらい、大切なエッセンスが
きゅっと短編に詰まっています。
中学生は多感な時期。
制服のスカートの長さや
靴下の折り方
カバンの中の持ち物や
しゃべり方
ちょっとしたことで
あの子、ちょっとおかしいよね
と、異質の目でみられることも
あったりする。
西さんもそういう経験をもとに
この作品を書かれたそうです。
西さんが作品の中で
訴えたかったことは
共感できないからわからない
ではなく
一人ひとりが違う人間だからこそ
違うということを楽しむとうこと。
共感の先にある
理解と信頼。
互いを認め合うこと。
うん、うん、わかるわ~
と、共感できること
共感してもらえることは
とっても嬉しいことでもあるのですが
違いにも目を向けて
そうか、そこは私とは違うけれど
そういうとらえ方もありよねえ
と、違いを認め合えると
なおのこと関係性は深まりますよね。
共感の先にあるもの。
違っているからこその気づき。
みんな一緒はありえない。
だからこそ、面白い!
『シンシュン』の教材を中学生と読みながら
ええ話しやなあ~
と、感慨にふけっている横で
隣にいた中学生A君は
早く終わらせないとヤバいんや~
と、宿題にいそしんでいました
ええ話しに共感してもらえなくても
日々一生懸命なA君のことは
ユニークで大好きです
日々是好日。
今日は違いに意識して
ステキな1日を~