イケイケ彼女とダメダメ旦那13 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「今日はカレーがいいかなー」

久しぶりの平日休み
仕事も忙しかったし
料理も軽いものしか作れなかったから
今日はしっかり煮込んだ特製カレーとか
朱里ちゃんが喜びそうなやつを

(太田?)

「え、あー…こんにちは」

買い物して声をかけられたのは
高校の先輩
…朱里ちゃんの元彼
僕と付き合う前に付き合ってた人
2人は話題のカップルやった
僕と付き合ってると話題になったとき
沢山名前を聞いた
○○くんとのほうがお似合いだった
あの二人の方が合ってる
などなど、何も知らなかった僕は
ただショックを受けた
先輩は僕の中であまり印象は良くなかった
いじめられてはないけど
会う度に睨まれていたし
別れた時も朱里ちゃんから振られたらしいし
そりゃこんな陰キャヲタクと付き合いだした
なんて、腹も立つよな

(久しぶりやな
なんか雰囲気変わったよな)

「はい、まぁ」

(聞いたで朱里と結婚したんやろ?)

「…はい」

(へぇー良かったやんお前みたいな
陰キャメガネくんと
あーんな美人な朱里が結婚かー)

「…」

(理想と現実ってちゃうねんな
朱里の理想ってもっとやんちゃ系でさ
俺についてこいタイプやったからさー)

「…」

(付き合ってる時も
好きとか愛してるーとかすぐ言うてきて
まぁ素直なやつやったよなー)

「…ははは」

(まっ、大切にしろよなぁ
別れたら連絡くれたらもらったるわー)

「…それは、どうも」


悔しかった
何も言い返せない自分が
過去のことだと笑えない自分も
強く握りしめた拳は少し血が滲んでいた
朱里ちゃんはちゃんと好きと伝えてくれる
分かってるけど、きっと
タイプは僕みたいなのじゃなくて
強引で俺についてこいっていう…
僕はきっと…


「ただいまーゆーり」

「おかえり朱里ちゃん」

初めは慣れなかった
朱里ちゃんが帰ってくるのを迎える
僕が帰ってくるのを迎えてくれる
今ではおかえり、ただいまと
言い合えるようになってる…分かってる
でも

「あ、そーやさや姉がな久しぶりに
ご飯でも行かへん?って
百も来るらしいし!ゆーりもいこー」

「あー、、そうなんや
うん行こかな」

「やった!じゃあ明後日ね!」

「うん」





「久しぶりやんなー4人で会うの」

「そーやな仕事も合わへんし
百もカメラマンとして結構飛び回ってるから」

「そうやんな!前な現場で一緒になってんけど
百めっちゃ他人のフリしてさー」

「朱里と知り合いやとなるとまたややこしなるやろ
だから無視してん」

「ひどっ」

「ちゃうで、どーせまた女の子に騒がれて
浮気やなんだ言われたくないってやつやろ」

「彩…目が怖い」

「私もゆーりみたいな人と結婚したら良かった」

「おい!俺がおるやろ!」

「それなら浮気癖治してからにして」

「うっ、、、」

3人は楽しそうに笑う
同級生の3人
どこか疎外感を感じる僕
そんな僕にいつも気づいてくれるのは

「ゆーり、一緒に飲み物取りに行こ」



彩先輩やった




「なんか浮かない顔やな」

「…彩先輩は百先輩に好きって言うてますか?」

「なんやそれ急にっ
さーそんなにちゃう?」

「そうですよね」

「また自信なくした?」

「元彼に会ったんです朱里ちゃんの」

「あー、、あいつ」

「僕は理想じゃないって
朱里ちゃんはずっと好きやと言うていたと
もちろん言われたことが無いわけではありません
でもどこかなだめているというか
大人に見えるんです」

「ハハハッそうかもな」

「変わらないですよね僕」

「そーやなでもそんなゆーりがいいんやろ
朱里はきっと」

「…」

「私の理想のタイプはなー、、ゆーりやで」

「えっ」

「ハハッ構えるなよ
優しくて私だけを見てくれて不安にさせない
そんな人がいい
百は全然違う
しょーじきかすりもせんわ…でも
私たぶん百じゃないとあかんのやと思う
それくらい大好きやねん」

「…彩先輩」

「百には内緒やで調子乗るから」


理想と…現実は違うってことかな







「あー楽しかった
久しぶりに高校時代に戻った気がする」

「めっちゃ楽しそうやったもんな
お風呂の用意してく…」

ガシッ

「待った」

「朱里ちゃん?」

「ゆーり座って」

「?」

言われた通りソファーに座ると
朱里ちゃんが立ち上がり
僕の膝の上に向かいあわせで座った

「ど、ど、どっ///」

「朱里の理想はね
俺についてこいって言うてくれて
ちょっとやんちゃ
あとは年上な人」

「…」

「さや姉から聞いた
何相談してんのよアホちゃう?」

「…ごめん」

「彼に何言われたか知らんけど
今一緒におるのはゆーりやろ?」

「そうだけどさ…なんで僕が」

「フフッ久しぶりに聞いた
ゆーりのなんでなんで」

「ば、バカにするな」

「ごめん
ゆーりのいいところなんて
誰にもわからなくていいの
ゆーり自身にも」

「え?」

「朱里だけが知っておきたいの」

「ンッ…」

「ゆーりが好き…大好き」

「…それ以上、は?」

「え?」

「前の彼氏にはたくさん言うてたって」

「あー、それで拗ねてんの」

「拗ねてない!」

「あの頃は重さが分かってなかったしなぁ
いえばいいと思ってたのかも」

「今は…?」

「伝えなくても伝わってるって
信じたいなって思う
でも、、たまには」

「…」

「愛してるよ?ゆーりっ」

「っ///」

「言わせておいて真っ赤になりすぎちゃう?」

「最高に可愛かったから…」

「フフフッゆーりのそういうとこがすきなの」

毎回毎回自信がなくなる僕だけど
毎回毎回自信を取り戻してくれる君だから
僕はこれからもずっと

「愛してる…朱里」

「っ///」

「へ?」

「なんもないっ!」

「え、ちょっと朱里ちゃんー!!!」





おまけ
「久しぶりに朱里たちと話したなー」

「あぁ」

「なに?疲れたん?
それなら先お風呂入って」

「ゆーりがタイプなん?」

「へ?」

「話してんの聞いた」

「あーーー、それね
理想はの話
でもその後に」

「なんやねんそれ」

ドンッ!!

「うぉっ…」

「ゆーりに負けへんで俺」

「ねえ話最後まで聞いてへんの?」

「は?なんやねん、それ
告白したんか!?浮気か!?」

「1番あなたに言われたくないんですけど」

「うっ、、」

「はぁ…」

「なんやねん溜息って
あーあー悪かったなゆーりみたいに
純粋じゃなくて
所詮俺はタイプじゃないですよ」

昔から変わらない
口は悪いし乱暴で
すーぐ女の子と浮気するし
意外と泣き虫やし寂しがり
でも

「百」

「なんやね…ンッ!?」

「好きやで」

「っ///」

誰よりも私を好きでいてくれる
そんな私もあなたの事が大好きです