惚れた弱みだ、仕方ない | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「ん、、、彩ちゃん?」

目が覚めたら彩ちゃんはいなかった
少し視線を遠くにやると
机の上に何かある
下着姿のまま机までいくと
ラップにかけられた美味しそうなご飯と

仕事行ってくる。

とシンプルなメッセージ
彩ちゃんらしいなぁ

彩ちゃんは私の彼女で彼氏
出会いは友達の友達で
ご飯に行った時に途中で合流してきた
山本彩…その名前は皆が知ってるもので
テレビをあまり見ない私でも
聞いたことがある名前だった
私の友達が彩ちゃんと友達だと
他の子たちが知り
どーしても連れてこいと言いまくった
その子は嫌がってたけど
たまたま私たちと飲んでる時に
彩ちゃんから連絡があったみたいで
合流した

第一印象はクールな人
でも話していくうちに
よく笑うしよく話すし面白いし
気もきく人やなぁって感じた
私とはあまり話が合うところは
なかったけど
何となく一緒にいたら安心しそうって
勝手に思ってた
すると解散して歩いていると
後ろから声をかけられて
連絡先を交換
何回か二人で遊んで
自然な流れで付き合うことになった

彩ちゃんといるのはすごく楽
お互いの家を行き来してる形やけど
束縛もないし
愛してもくれるし、安心する
若い時の好きだの恋だのと言った
盛んなものではなくて
どこか落ち着いてる

同い年なのに彩ちゃんは
どこか上にいる
でもふとした時に末っ子らしさが出る
そのタイミングもいい感じにあってて
私の心は満たされている


「恋人と最近どうなん?」

「ん?んー順調」

職場の同期は私が一人の人と
長く付き合ってることに
かなり興味があるらしい
会わせろとか写真とか言われるけど
彩ちゃんに迷惑かけるから
これは内緒だ

「あ、、」

「んー?あ、山本彩やん
最近テレビ出っぱなしよなぁ」

「そーやね」

「みるきー好きなん?」

「うん、まぁ」

「へぇーそーいや
雑誌にも載ってたで
ほら」

「何これ、恋愛観?」

「そっ、それ読み終わったしあげるわー」

同期は手を振り外に出た
休憩中やし見てみるかと雑誌を開く
この時はまだわかってなかった
どんな内容が書かれているかなんて






ガチャッ
扉の開く音がした

「ただいま」

「…」

「今日連絡ないやんどしたん?」

「別に特に何もなかったから」

「ふーん
こん方がよかった?」

「別に」

「そう、、シャワー浴びてくる」

彩ちゃんは
特に興味もなさそうにシャワーを浴びに行った
私の心は複雑だ
それは全てこの雑誌のせい
ここには彩ちゃんの理想のタイプとか書いてて
それは私とは真反対のものだった
少しくらい私と被せてもよくない?
それと同時にもしかしたら
他に誰かいるんじゃないか
申し訳ないと思ったけどネットで彼女のことを
初めて調べてみると
出てくる昔の浮ついた話
どれが本当かなんて分かんないけど
彩ちゃんなら納得してしまう


「上がったで」

「うん」

「…?」

「私もう寝る」

「…」

ギュッ!!
「どーした?
ご機嫌斜めやね今日は」

「…そんなことない」

「なんかあった?」

「さぁ
私はデレデレもせーへんし
サバサバした女やから」

「へ?」

「どちらかというとインドアやし
スポーツもよーわからん」

「…あー、あれか
あの雑誌読んだってことか」

「あそこまで真反対にするかな」

「あー別にそんな意識してなかった」

「そんなに具体的に決まってるなら
他にいるんじゃないですかー?」

「なにー?拗ねてんの?」

「別に?拗ねてへん
腹立ってるだけ」

「ごめんって美優紀
許して?」

「もういいよ」

「ごめんごめん
ほら、私理想とかそーいうのどーでもええねん
だからテキトーに思いついたやつ
理想より現実派やから」

「なにそれ」

「現実の美優紀に惚れたんや
な?信じて」

そう言いながら頬にキスをしてくる
そんなかっこいいことされたら
許してしまうじゃないか
でも心を鬼にする

「いや、彩ちゃんは
チャラいからな
浮ついた話もネットでいっぱい出てきた」

「若い時やろ?」

「否定せんのや」

「そりゃ経験としてなぁ?」

「もーほんまに
もういいですー寝ます」

「あー、わかったわかった
私が悪かった
でもな美優紀
その経験値があるから

…美優紀のこと、愛せるんやで」

耳元で低い声でささやかれ
腰元を撫でられる

「あ、アホっ!///」

「美優紀…過去のことは否定せん
嫌な思いさせてるかもしれんけど
事実のことやから

だから今を見て欲しい
今は美優紀だけやねんほんまに」

「…」

「許してくれる…?」

「…」

「一緒に寝よ?」

「…腕枕付き」

「ハハッはいよ」


ほんとに甘いもんだ

でも、仕方ない
これは惚れた弱みだ