分かんないよ | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
ちょっと趣向を変えたもの



「朱里おつかれ」

「おつかれさまでーす」

「バイト何連勤?めっちゃ働くやん」

「仕事楽しいし」

「そっかーでも親御さん心配するで?」

「あーそれは」

「…あー、、あの人ね」

「へへ」

「やめてた方がいいと思うけどなぁ
相手18やっけ?
遊んでばかりなんやろ?」

「でもまだ若いし」

「これからも若いわけちゃうやろ?
朱里にばっかり働かせて」

「…」

「もっとええ人おるよ
考え直し」

「…」


その言葉もうたくさん聞いたよ
さっきから出てる話の人は
私の彼氏ゆーりのこと
出会いは私の一目惚れだった

大学1年の頃
母校のダンス部の指導にいった時
校舎を散歩していた
すると中庭に傷だらけの男の子が寝ていた
慌てて近寄ると
うっすら目を開けて微笑んだ
怪我の理由はいじめられてる子を助けたらしい
庇ってあげたって言うよりかは
冷静に問い詰めたら殴りかかってきたと

「普通さ、そーいうのって
喧嘩が強かったりとかする人がとめるんじゃ」

「僕はバカバカしいから
バカバカしいって言ったまでです
それに助けるのに基準とかないでしょ
イッテェ…」

「あ、待って冷やしてあげる
ハンカチ濡らしただけでごめんだけど
はい」

「いいのに
先輩関係ないじゃないですか」

「ええの
ここは母校やもん
後輩には優しくね」

「…フフッ変な人ですね」

「っ///」

「先輩?」

「…」

「ねぇ、、名前は?」

「吉田朱里…」

「朱里ちゃんか…
じゃあ朱里ちゃん
僕の彼女になって」

「…は?」

「僕、モデル体型で顔が整ってて
年上が好みだから」

「全部外見て」

「だって初対面やで?
中身なんか知らんよ」

「じゃあ知ってからでええやんか」

「んー、でも悪い人やないの分かってるし
それに好きとは言っても
付き合ってとはもう言わないで?」

「どういう…」

「今OKしないとねー
さぁどうする?」

「…」

見透かされてる…
私が一目惚れしたことを
余裕な顔と微笑み
悔しいけど

「お願いします…」





そして今に至る
ゆーりは今、週3でバイトをしながら
朱里の部屋に居座ってる
わかると思うが週3でのバイトで
そんな生活費折半なんか無理やし
そもそも4つも下やからそんな綺麗に割るのも
まぁ無理なわけで
元々親と仲の悪いゆーりは私の部屋に
転がり込んできたって感じ

「朱里ちゃんご飯」

「はいはいどうぞ」

「んっ、うまぁー」

「それはどーも」

ゆーりはとことんうまい
ヒトの心をすぐに掴む
そんなゆーりも今年卒業

「ゆーり進路どーすんの?
大学やんな?」

「んー、どやろ決めてない」

「なにかしたいこととかあるん?」

「友達付き合いとか
めんどそうやから就職しよかなとか」

「えー…せっかく頭いいんやからさ」

「いいよ別にめんどいし
朱里ちゃんが気にすることじゃないし」

…最近の悩み
付き合ってもう3年になる
大きな喧嘩はしたことはない
そして何も無い

驚くことにゆーりとはキスしかしてない
一緒に住んでるのに
日頃も触れてこないし
何をしてるかも分からない
ゆーりは私の事どー思ってんの?

「あ、ゆーりこれ今月の食費
余ったら使っていいから」

「ありがとう朱里ちゃん
僕朱里ちゃんといれて幸せ」

その言葉はそりゃ嬉しいよ
でもゆーりはきっと…


「クラス会?」

「あーうん
めんどくさいけど行かない方が
めんどくさそう」

「行っておいで?もう卒業やし
ほら、お金」

「…さんきゅー朱里ちゃん」

「うん」

クラス会かぁ
私たちもしたなぁそんなこと
クラス会でなにか起きないかな
大丈夫…やんな

そんな不安を持ちながら
バイトをしてると
窓ガラスの向こうにゆーりがいた

(ゆーりや!!…終わったんかな

って…)

「うそ…」

そこには同じ学校の制服を来た女の子が
ゆーりと腕組んで歩いてる

「なんで、、朱里とも
そんなこと、してくれないのに
なんで…」

(朱里ー2番テーブルに…

どしたん!?)

涙が止まらなくなり
バイトを抜けさせてもらった
もう終わりだ何もかも
みんなが言うようにいいように使われた
私はただの財布や


ガチャッ
「朱里ちゃん!!遅かったなぁ
なんかあったんかと思って…」

家に帰ると何事も無かったかのような
ゆーりの姿があった

「…」

「ん?」

「心配ならさ連絡するくない?
別にいいから」

「朱里ちゃん…?なんかあった?」

「…」

「僕でよかったら話聞くよ」

そっと近づいてきて頭を撫でるゆーり
その手から…女物の香水の匂いがした
その瞬間やった

パァン!!

「ッテェ…」

乾いた音が響く…ゆーりを叩いた
それと同時に抑えてた涙がまた溢れた

「朱里ちゃん?」

「出てって…

もう、ゆーりとは別れる!」

「は?え、ちょっと…

「出てって!
大っ嫌い!口だけ男!出てけ!」

「なに、、、よく分からん
どしたんよほんまに」

「…ゆーりなんか好きならんかったらよかった
どーせ好かれてもないのに
惨めなだけや!!」

「朱里ちゃん?ちょっと待って
話そ?な?」

「何がもう付き合おうって言わへんや
そーやってすぐ落ちると思ったんやろ
一途に自分の財布探したんやろ!」

「朱里ちゃん!違うって
僕はっ、、」

「もう、来ないでよ」

ゆーりを玄関から押し出し
鍵を閉めた

「朱里ちゃん!!」

「さよなら」

「…」

「誤解が解けるまでいるから」

「知らない」

「僕本気だから」

「帰って」



「少しすっきりしたー...」

イライラをシャワーで流し
暑すぎる部屋にクーラーを入れた

「ゆーり…いやいや
帰ったやろ、暑いの嫌いやし」

確認しに行かないのは
いないのを見たら
また、心が潰れそうになるから
気を紛らわすためにドラマでも見よう


「んー、感動した…けど
いまの朱里にはしんどかったなぁ」

恋愛ドラマなんて今見ちゃいけないでしょ
アホやなぁほんまに…喉乾いたなぁ

冷蔵庫に向かい開けた時
中に箱があった

「ケーキ…?なんで
ゆーりが買ってきたんかな」

でもまぁちょうどいい
やけ食いで食べたろう
そう思って箱から出した時
チョコレートのプレートに書いてあった

『3年記念日
いつもありがとう』

「…こんなんしたことないくせに」

そしてふと袋になにか入ってる
手紙?

『朱里ちゃんへ
この手紙は寝た頃に入れてます
直接渡すのは無理だから
僕が帰ってきてからもリアクション
しないでよ?

プレゼント気に入ってくれた?
指輪とか買ったことないからさ
友達に頼んで必死に探した
こんな紐の僕だけど
親と話して大学行くことにした
ちゃんと働いて今度は僕が養う
だからそれまでは、僕を養ってね
そこから何十年先は僕が養うから』


「何それ…じゃああの時買いに行って…

行かへんとっ!」

謝らへんと家を飛び出した時
玄関のドアの横に
うずくまるゆーりがいた

「ゆーり!?
ゆーり!ねぇ大丈夫!?」

ホントにいるなんて思わなかった
暑いのが嫌いで
くらいとこが苦手で
待つのなんかもっと嫌いで
そんなゆーりがここにいた
この暑さやから熱中症や
すごい汗かいてるし

慌てて肩を抱えて
部屋に連れていき体を冷やして
水を飲んでもらう
1時間くらいしたら顔色も良くなった

「ゆーり、大丈夫?」

「ん、平気…」

「アホっ…なんで待ってるんよ
ほってかえったらええやん
私勝手に勘違いして怒って
ゆーりをこんなことに…」

「別に僕が勝手に待ってただけや
気にすることないよ
それによく考えたら
僕も悪かった

朱里ちゃんも学生やのに
全部任せてばかりで
甘えてた
大学に行くために今必死で勉強して
バイトもまともにできてない
そりゃ、嫌になるよなって」

「違う、そんなこと
どーだっていいの
そうじゃなくて
朱里は…ゆーりの気持ちが分からなくなった」

「え?」

「恋人らしいことしてないし
お金が目当てなんかなって」

「そんなわけないやんか
恋人らしいことって?」

「デート…とか」

「休みの日くらい
休んで欲しかったから」

「キ、スとかも、、」

「っ…あぁ、うん///」

「それに、その」

「?」

「ゆーりは性欲ないん///」

「っ!!///」

「〜っ…なんもないっ」

「あるよ」

「…」

「妄想なら
朱里ちゃんを100回は抱いたよハハッ…

ごめんね」

「ゆーり」

「朱里ちゃんの前やと
どうしても余裕見せたくなるねん
でもホンマはいつも
余裕なんかなくて
朱里ちゃんのことばかりなんや」

「ホンマに…?」

「うん、、、」

「ゆー、り…っ」

「泣かせてばかりでごめん…」

「ううん、いいの
そのかわり慰めて?
朱里傷ついたんやで?」

「ごめん、、」

「キス、して」

「あ、それはえっと///」

「ゆーり?」

「…ま、いいか
3年も耐えたし
もう大学決めたし、うんいいな」

「?…キャッ///」

「さて、100回の予行演習したし
本番と行きますか」

「なにそれームードないっ」

「余裕ないんでね」

「ゆーり」

「ん?」

「大好きっ」

「…僕を追い詰めるな///」