結局アンタやねん | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「ゴホッゴホッ」

「朱里大丈夫?」

「ちょっと寒い...あ」


「危ないっ...」

「ん...岸野くん?」

「危なかった」

フラっとした朱里を
岸野くんが支えてくれた

「ちょっと熱くない?」

「大丈夫...」

「でも」

(おーい里香!次移動やで!)

「ほら友達呼んでる
ありがとう
みるきーおるし大丈夫」

「そ、そうか?
無理したらアカンで!」


「ふーん」

「なに?」

「岸野先輩ええやん」

「...」

「優しいし男前やし
サッカーのキャプテンやし
頭もいいし
欠点ないやんか」

「恵やって
男前やし
バスケ部のエースやし
頭ええもん」

「肝心の優しいがないやん」

「...それは、その」

「もうとやかく言わんけど
でも、少し考えたら
分かると思うねんけどなぁ」

「...うん、ゴホッゴホッ」

「あーやっぱ体調悪そうやん
保健室行こ?」

午後の授業は保健室で受けた
帰る時間になったけど
体がふらついてしまう
ママとパパは仕事やし
頼りのみるきーもバイト
行っちゃった
恵にも連絡してみたけど
繋がらへん

(先生が送っていこうか?
あーでも会議が...)

「大丈夫です
ゆっくり帰りますか...」

ガラガラッ

「俺が付き添います」

(あら、岸野くん
吉田さんと知り合いなん?)

「ちょっと
朱里ちゃん行こっか」

「でも部活...」

「ええから
大会とか終わったばかりやし
もう伝えてあるから
気にせんとって
ほら、支えるから」

「ありがと...」

岸野くんに支えられて
ゆっくり歩いて帰る
岸野くんは私が気を遣わないように
ずーっと喋ってくれて
ホンマに優しい人やな

「それで...あ」

「あ...」


(恵くんあっち行こーっ)
「ええよー」

「あ、あれな!
あれは委員の...」

「いいよ岸野くん
分かってるから...」

「朱里ちゃん...」

「行こ」




「じゃあゆっくり休んで」

「うん、今日はホンマにありがと」

「ううん大丈夫?
大丈夫大丈夫
心配せんとって?」

「あのさ明日
よかったら迎えに行こか?
心配やし」

「え?」

「あー!ごめんっ!
恵おるよな
何言っ...」

「...お願いしていい?」

「へ?」

「朱里も心配やし
岸野くんいたら安心やから」

「お、おぉっ!分かった!
じゃあ明日迎えに行く!」

「うんありがと」

ガチャ

ドスンッ...

「体が重いな...」

熱を測ると39度
よく歩けたな自分
いや歩いてないか
ほとんど岸野くんに体重かけてたし
岸野くん重くなかったかな?
大丈夫かな...

ブーブーッ
From恵

ひま、家来てや


連絡、見てへんのかな
暇ってどーせ
さっきの女とヤッた後やろ?
朱里呼んでまたするんや
ただの猿...


いや。




ブーブーッ

じゃあええわ





やんな...やっぱりそーやんな
恵はやっぱり朱里のことなんて
好きじゃなかったんや





別れよ。



ブーブーッ

分かった






終わった...
朱里の恋はすべて
終わったんや
さよなら、恵